放課後のふたり 文化祭「申し訳無い、馬超殿が説得してくれないか」
「多分、お前さんくらいしか無理だぜ……」
教室へ気不味そうな視線を向ける関平殿と周倉殿からの頼みを断る理由も無く、色鮮やかな紙で様々な動物を飾り付けられた扉を開け奥へと進む。
高校二年生の秋、文化祭が明日に迫り校内中が湧き立っていた。偶々今年はハロウィンの時期と重なった為、少し派手な催しや工夫を凝らした仮装が目立つ。
俺達のクラスも、例外では無い。だからこそ、二人を始め皆が困ったのだろう。教室奥へ進むと、配置を確認し皆を指揮している姿が視界に飛び込む。握りしめた両手に、更に力を込めた。
「何ですか……馬超殿」
こうなれば、皆の疑念と共に晴らしてやるしかない。それが、俺にしか。
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