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    izayoi601

    @izayoi601

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    izayoi601

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    何となく思いついて書いた、じょしょどのがほせどのにプロポーズしてるところを目撃してしまう若の話。庶法と思ったら実は庶岱で結局超法だったという西涼二直の話にしました…ばたいどのは皆の会話でのみ登場。もし宜しければ。

    #西涼二直
    xiliangErzhi
    #超法
    superLaw
    #庶岱
    shuDai

    誓いの言葉「帰ったぞ、法正殿!ん……?」
     玄関を開けすぐ返事をしてくれないのは何時ものこと、見慣れた革靴で留守では無いのを確認した。だが隣に法正殿よりは大きく俺よりは若干小さい、何処か記憶にあるスニーカーも視界に入る。居間に繋がる扉は開いていたので眼を凝らしてみれば、予想通り短く跳ねた黒髪を掻く仕草が垣間見えた。
    「ええと……その、今日は……大事な話があるんだ……」
    ローテーブルの奥で法正殿と向かい合い、口籠りながら放たれた言葉で身動きを止めざるを得ない。徐庶殿は法正殿と同じ大学時代を過ごした、親友同士であろう。二人にしか知り得ない話もあることは、理解している。本当は羨ましい上に歯痒い、昨今の関係性を考えれば俺達は皆家族同然だが。とはいえ一旦気を落ち着け、踏み止まる。
    「それで、ええと……どうしても、伝えたくて……」
    息を呑み、何時に無く緊張している。何故か俺の胸も高鳴る程に、強い意志が伝わって来た。唇が静かに開かれた、瞬間。
    「……その、俺にとって何より大切なのは……君なんだ……君だけは、俺だけのもので居て欲しい」
    真摯な眼差しに、驚愕した。何だと、まさか全く気付か無かった。徐庶殿がそれ程までに、法正殿を想っていたとは。揺るぎない感情が溢れる言葉に、此方も身体中が沸騰し眼を見開くしかない。気になるのは、法正殿が驚き一つ見せず全く微動だにしないことだが。
    「まさか……」
    そうか法正殿、気付いておられたのだな。俺が何も言っていないのに自然と夕飯に大好きな筍を増やしてくれる様な方だ。気遣いの出来るお優しい方で、俺も愛してやまないからこそ徐庶殿の気持ちも解る。だが、パーカーのポケットから取り出した小箱で、心音は更に昂ぶる。
    「……俺なんかで良ければ、どうか……受け取ってくれないか」
    開いた箱から銀の輪が煌めき、拳を握り締めた。法正殿の指先が動くのを見て、胸が痺れて痛む。俺の知らないところで、二人の心は動いたというのか。やはりこれ以上は無理だ、己から響く魂の叫びに嘘を吐くなど。居ても立ってもいられず駆け込み、俺は両手をローテーブルを叩き付け二人の間に身を乗り出してしまった。
    「待ってくれ!!」
    「「?!」」
    驚愕し二人が此方に視線を移したが、先ずは徐庶殿へ照準を合わせる。俺も滾り満ち溢れる感情で、全力を以て応えなければならないからだ。
    「……俺は、徐庶殿が好きだ」
    「は?」
    「えっ?」
    二人が益々疑問を表情や声に出したが、気にする余裕は無く情熱のまま話を続ける。
    「……徐庶殿が素晴らしい人間であることは高校時代を過ごして解っている、だからこそ信に足る……徐庶殿が選ぶ大切な人間と幸福になって欲しい、応援したい」
    「馬超殿……」
    必ず祝福してやりたかった、それでもやはり駄目だ。俺にも、貫かねばならない意地がある。
    「だが、法正殿なら話は別だ」
    「え」
    「……俺は、法正殿を誰よりも愛している」
    「ば……馬超殿……」
    僅かだが背に聞こえた声が上擦ったことに安堵し、俺は抑えきれない想いを徐庶殿へ投げ掛け続けた。
    「俺が最も大切な人間で、誰よりも幸福であってほしい人だ……済まない、たとえ徐庶殿であっても渡すわけにはいかない!」
    「え、あ……そうか、あの……」
    何故か急に慌てた様子だが、俺はまだ言葉にしなければならない。そして何より、もう一つ許せないことがある。
    「法正殿を幸福にするのは、俺でありたいからだ!何を言われても、幾ら挑まれようとこれだけは誰にも決して負けん!そして何より俺は……!」
    「ば、馬超殿、落ち着いてくれ……違うんだ!」
    「?!」
    つい激昂に任せ胸倉を掴んでしまったが、冷静に掌で制され一旦伸ばした腕を止める。視線だけは曲げられない意志を示していると、徐庶殿は申し訳無さそうに眉を下げ、口元を緩めた。
    「此方こそ済まない、ええと……誤解なんだ……此れは、その……『法正殿に』向かって言っていた訳では無いんだ」
    「何?!」
    「それに……馬超殿が今怒っている様なことは、決して無い……どうか、信じて欲しい」
    徐庶殿の瞳が、真摯な輝きを増す。やはり法正殿と同じく聡明で、尊敬出来る方だ。俺が最も言いたかったことも、見抜いていたとは。
    『馬岱のことをどうするつもりだ』と。
    「ええと……それに、実は……その『馬岱殿』にだったんだ……」
    「?!」
    「そうですよ、俺は練習に付き合わされていただけです……いきなり本人に言うのは緊張して無理だと」
    「……本当に、済まない……」
    そうか、漸く状況を呑み込めた。高校時代に関平殿が周倉殿と告白の練習をした際、通り掛かった星彩に勘違いされていたことを思い出す。間近で見ていたというのに、当事者になれば冷静では居られないものだ。あの頃皆がそれぞれ抱いていた感情を、今更だが理解出来た気がする。
    「もう十回は繰り返したぞ……そもそも断られた時の想定はどうする」
    「う、確かに可能性はあるかな……」
    「あの人のことだ、わざと反応を伺いそうだろ」
    只管不安気な徐庶殿と何処か愉しそうな法正殿に、口元が緩んだ。再び胸が熱く震え、伝えるべき言葉が湧き上がる。
    「……それならば心配ない、徐庶殿」
    少し縮めた肩を掴み、力を込めた。俺にとっても大事な従兄弟の為に此処までしてくれる人間を、許せない筈など無い。あいつがどう応えるかも、何となく解る。ならば今度は力一杯、背を押そう。
    「馬岱を、頼む」
    心から、そう言える。あいつを幸福にしてくれるのが徐庶殿で、本当に良かった。友としてだけで無く、家族と言える存在が増えてくれることが喜ばしくて仕方無い。
    「……ありがとう、馬超殿」
    晴やかになった表情に此方も微笑むと、突如小箱を取り出した方と反対側のポケットが震えだす。
    「あ、家に帰ってきたみたいだ……本当にありがとう、二人共……何とか、頑張ってみるよ」
    「後日、倍返ししろ」
    「大丈夫だ、徐庶殿!!」
    「うん……後で報告する」
    一呼吸置き、立ち上がる背を見送る。あれ程決意に満ちた表情なら、もう俺達が何も言うことは無いだろう。玄関の扉が完全に閉まれば、居間には暫く沈黙が訪れてしまう。
    「……む、そうだ……練習だったとは知らず、誤解をして本当に済まない!法正殿……?!」
    怒っておられるのかと耐えきれず静寂を破り、横顔を覗き込めば此方の心音も大きく高鳴ってしまう。艷やかに降りた黒髪で目元は伺えないが、確かに覗く耳が紅く染まっていた。今になって自らの言葉を反芻し、血液が沸騰する。
    「いや、だが……あれは嘘偽り無く、俺の魂がそう叫んでいることに違いは」
    「もう良いです……コーヒー、淹れてきます……」
    「あ、ああ……」
    足早にキッチンへと向かうのを眺めるしか出来ず、先程買ってきたバイク雑誌に眼を通してやり過ごすしかない。
    「……馬超殿」
    「ん?」
    ポットの湯を沸かす後姿から、微かに響いてくる。
    「……俺が断らないとでも、思ったんですか」
    その一言が何処か可愛らしく、抑えきれず頬まで昂ってしまう。そう信じていたかったことに、応えて貰えるとは。注ぐカップに添えた薬指の輝きを、外さずにいてくれることが愛おしくて堪らない。
    「……大好きだ」
    「そうですか」
    何度呆れられても、呟いてしまう。徐庶殿も今頃、家に帰り着いた頃だろうか。二人の選ぶ新たな道を、大いに祝福してやらなければ。
    「まぁ……後は馬岱殿が先に言う可能性があることですね」
    「うむ、確かに」
    馬家の男に生まれた以上、先手必勝は当然だ。それも構わない、寧ろ誇らしいぞ。
    何方にせよ、俺が今噛み締めている幸福を皆で享受出来るのならば最上だ。
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    izayoi601

    DONE桜の季節の話が久々に書きたくて、かくわい先生としょうかいくんがただ話してる学パロになりました
    この二人の親子みたいな関係性が好きで…ずっと温かい関係で居て欲しい
    青春しているしょうかいくんが先生には素直に本音を話せるところを書きたかっただけですがもし宜しければ
    ぶんおうくんは出てきませんがほんのり鴦鍾です
    私の先生「何なんだ、あの女……」
     今日は進路相談の筈だろう。天命館学園では二年生の春に行われる、担任からの個別面談。一年から引き続いての辛憲英先生と向かい合い、肝心の進路の話はほんの数分。まぁ私程優秀ならば口を挟まれる様なことも無いのだが、切り替わった話題が実に下らない。
    『文鴦君とは、その後如何ですか?』
    やれ『仲良くなられたのでしょう?』だの『ご友人との旨は胸を張って話すべきですわ』だの、駄洒落混じりに満面の笑みを浮かべながら根掘り葉掘り。ここ最近では最も疲弊した、もう何も話したく無い。
    「……それで、此方に居らしたのですね」
    気が付くと化学準備室の方向へ足を進め、まだ旧式とあいつが揃っていないことを見計らい扉を開ける。ローテーブルに緑茶を置かれ、少しずつ啜れば動かしたくなかった口でも言葉が奥底から湧き出て来た。
    2115

    izayoi601

    DONE公式さんのエイプリルフールから妄想して勢いで書いた、まんちょうどのが開発したARデバイスを付けるほせどのの現パロ超法小話
    二直とまんちょうどのは同じ工科大に通っている設定です…試作品で色々振り回されてほしい
    まんちょうどの久々に書いたので温かい目で見てやってください
    ちなみにじょしょどのはばたいどのの姿が見えた途端名前を呼びながら抱き締めました
    映るのは「……と言う訳で、早速着けてみてくれるかな」
     その訳を説明されても、俺に着ける義理は無いのだが。高校を卒業して工科大生活が始まってからというもの、徐庶と学部が同じことで出会った一癖ある彼の行動には呆れさせられた。流石教授から、創学以来の変わり者と言われるだけはある。大学部まである筈の名門鳳凰学院から、自由に発明へ没頭したいだけで此方を選んだという経緯だけでも納得したが。
    ゼミ棟の一室に篭っていたかと思えば、今も翡翠に光るサングラスの様な電子機器を否応無しに持たされてしまった。
    「ですから、何で俺まで」
    「ははっ、何事もデータは多いに越したことないじゃないか」
    要は趣味で作った発明品の実験台だろ。無邪気に至極当然という表情で答えられ、溜息を吐く。
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