恋焦がれて見た夢ー このままひとり どこか遠くへ行ってしまいたいほど
「コウ?」
「ああ…すまない。…ちょっと夜風にあたってくる。」
「……コウ、大丈夫…じゃないよね。」
「そりゃあ……な…。……俺たちだって…大丈夫なわけない……けど、コウはもっと……」
「……衛……。」
ー 思ってたより簡単だった あなたを失うということ
「あの時……俺も一緒に残るべき…だったのか……?それとも……そのまま馬で遠くに……」
『コウくん。俺は…この国を…、ううん。青藍も浅葱もみんな…みんな救いたいんだ。俺の持つ全ての力をかけて。』
「……そうだな。衛はそんな事…望まないよな。」
ー 明日が見えなくて 前に進めない時
「少し……疲れた」
「いいよ。俺の前では休んで?」
「…衛の演奏は…心に響くな。 けれど、安心もする。」
「ふふっ。コウくんの事を想いながら弾いてるからかな?」
「衛……」
ー あなたが私の右手ひっぱってくれなきゃ 笑って「早く来いよ」ってほらいつものように
「コウくん!!桜が綺麗に咲いてるよ!!」
「衛…!前!!」
「前ー?わっ!あがっ!?」
「…大丈夫か衛?」
「いててて……だ、大丈夫だよ〜。」
「ふふっ、はしゃぎすぎだぞ?ほら、桜が…」
「コウくん…?」
「いや、何でも……」
「コウくん。早くあっちに行ってみよ?ほら、ほらほら」
「ははっ。そんな強く引っ張らなくても、桜はどこにも行かないぞ?」
…あの時、髪に桜をつけた衛があまりにも綺麗だったから見惚れてしまってたんだ。
ー 恋焦がれて見た夢は あなたとの日々
「終わったら…旅がしたいな。」
「旅…!!いいね!色んな国に行くのも楽しいと思うよ旅の話聞かせてね?」
「…?衛も一緒に行くんだぞ?」
「え!?俺も!?…いいの?」
「当たり前だろ?綺麗な景色をみるのも、楽しいのも、苦しいのも、衛とがいい。」
「……嬉しい絶対…!絶対行こうね!コウくん」
「ああ、『約束』だ。」
「うん!『約束』ね!」
ー 寄り添えないのに側にいる それが一番辛かったの
「お前は……約束って言ったのに……俺を置いて……衛……」
『泣かないで、コウくん。君の笑顔が見たいよ?』
「お前がいないと……俺はどこで休めばいいんだ……?」
『コウくん、いつも側にいるよ。見守ってるよ。…この声は届かないけれど、いつも君の名前を呼んでるよ。』
「衛……あの日からずっと……お前のことを想っていた……好きだ……衛……」
『俺も…大好きだよ…コウくん。』
「もう一度会えたなら……衛と生きていけるなら……」
『もう一度会えたなら……コウくんと生きていけるなら……』
「約束をしようか』