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    雨うさぎ

    仮置き場

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    雨うさぎ

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    死ネタのモブ霊。書いてて悲しくなったので没にしたネタです。

    #モブ霊
    MobRei

    また明日また明日。


    ある日の相談所。
    夕方、いつも通りモブがバイトとしてやってくる。
    時間は10分遅刻。
    モブ、遅刻を謝りながら待機。
    霊幻、予約客なく、客待ちらしい。
    その間、とりとめない雑談。
    そして帰り際、モブ、師匠とよび、そして
    「好きです」
    と告白する。
    モブの告白に困った顔する霊幻。
    訥々と説教してみるも、モブも必死に食いつく。
    霊幻、唸りつつうずくまる。
    そしてあーもうと叫び、モブの頭をぐしゃぐしゃにする。
    そんな顔するな、師匠の弱いところつきやがって。
    時間をくれ。
    一晩考える。
    明日、答える。それでいいか?
    モブ、逃げないでくださいよ。
    あんた、夜逃げしそうですし。
    ばっか、んなことしねーって!
    と軽い言い合いのあと、霊幻、ふっと笑う。
    優しげにモブの頭を撫でて、一言。
    また明日。
    ・・・はい、また明日。
    手の温もりに幸せを感じながら、相談所を後にする。
    そして深夜遅く。
    モブの携帯に着信。
    寝ぼけながらも携帯画面みると、霊幻の番号。
    反射的にでる。
    しかし電話にでたのは、霊幻じゃない。
    警察か病院関係者。
    霊幻が交通事故で死んだという知らせ。
    その報告に頭が真っ白になる。
    一気に感情が爆発し、強大な力を感じた弟が飛び込んでくる。
    兄さんという律の声に、我を取り戻す。
    だが、まだ気が動転していて、言葉が回らない。
    携帯みて、まだ通話中なのをみた律、モブの代わりにでる。
    そして霊幻のことを知る。
    律もまた動揺。
    子供たちが騒いでたおかげで、両親も起きる。
    そこで霊幻のことが律によって伝わる。
    顔色を変えた両親、律とバトンタッチし、話を聞いてる。
    一方モブ、力が不安定になる。
    死んだと聞くも、嘘だという想いが強い。
    警察にいき、霊幻の死体を確認する。
    子供には見せられないと拒否されるが、モブ、能力を使って瞬間移動。
    そして霊幻の死体を直視。
    酷い事故で顔がぐちゃぐちゃ。
    ラフな格好でコンビニに向かう途中だった。
    財布と携帯で身元判明したという。
    ひそひそと霊幻の噂。
    超能力者だと評判だったため、事故死するとは意外。
    やっぱりインチキの詐欺師だったのかと。
    モブ、なんの反応もしない。
    ただ一言。
    確かめなきゃ。
    とフラフラたちあがる。
    律の制止を振り切って、姿を消す。
    まずは霊幻のアパート。
    誰もいない。
    次に事故現場。
    最後に相談所。
    とにかく霊幻と深い関わりのある場所。
    霊になったとき、縛られそうな場所をまわる。
    僕への返事がまだなんだ。
    きっと霊になって残ってる。
    師匠にあいたくて、探しまくる。
    でもどこにも師匠の霊はいない。
    無人の相談所で一人、立ち尽くす。
    いろいろ考える。
    師匠、あなた未練なかったんですか。
    僕へ返事すること、未練じゃないんですかと。
    そして夕方のやりとりを思い返す。
    最後に霊幻のいった”また明日”
    望んだ明日はやってこない。
    それを悟ったモブ、慟哭する。
    それに併せて感情が暴走。
    物が浮かび、窓ガラスが全て割れる。
    さらに調味市で地震が襲う。
    震源地は相談所のビル。
    そして唐突に気を失う。
    次の日、目を覚ましたモブ、いつも通り。
    モブを気遣うような律。
    その後師匠の葬式に参加。
    其の際、モブが暴走しなかったことに一安心。
    だが、夕方になり、どこかへ行こうとするモブ。
    学校は葬式に参加するため休んでる。
    どこにいくか聞くと、モブ、これからバイトだからと。
    可笑しいモブに律、必死に説得する。
    しかし耳を貸そうともしない。
    バイト遅れちゃうから離して律。
    といった瞬間、凄まじい静電気が起こる。
    それに吹っ飛ばされるも、律、条件反射でバリア貼ったため無事。
    モブ、力発動した自覚がなく、律に構うことなくスタスタと事務所へ。
    しばし呆然としてた律、我に返り後を追う。
    モブ、相談所へたどり着く。
    普通に扉を開ける。
    いつもと変わらない挨拶。
    そこで律、霊幻の声を聞く。
    思わずドアを開ける。
    そこにはモブと死んだはずの霊幻。
    目を疑う。
    確かに霊幻の死体を確認してる。
    ならば幽霊かと目をこらすも、違和感。
    体は透けていない。
    さらに窓の外をみて驚く。
    外は雨のはずなのに、相談所の窓には夕日がみえる。
    訳がわからず、中に入ろうとした瞬間、分厚いバリアに阻まれた。
    その間、モブは霊幻らしき人と会話続けてる。
    中に入れず、出口付近で様子をうかがう律。
    そこでモブが霊幻に告白したのを目撃する。
    兄が霊幻のこと好きなのは、なんとなく察してた。
    しかし告白してたことには気づいてなかった。
    霊幻の様子みるに、気づいてたっぽい。
    なんとかモブを諦めさせようとしてるのが見える。
    だが、モブに根負けするように、時間が欲しいとモブに提案。
    モブをぎゅっと抱きしめ頭を撫でてる霊幻の表情は慈しみに満ちあふれたもので、モブを大切に想ってることがよくわかる。
    きっとモブの告白を受け入れるだろう。
    そんな雰囲気をだしていた。
    霊幻が”また明日”
    そしてモブが”はい、また明日”
    そこで相談所が一変する。
    それまでの夕日は消え、雨が降り注ぐ音が聞こえ、相談所にはモブ一人だけ。
    バリアも消えて律も入れるようになる。
    そしてモブの姿が消えてる。
    不思議な幻のような光景。
    家に帰るとモブが戻ってた。
    聞いてみると、律と別れた後、家に戻ってたらしい。
    その間の記憶が全くない。
    霊幻が死んでることは自覚してる。
    だが問題の時間になると、あの日のモブに戻ってしまう。
    それはずっと繰り返される。
    モブが成長し、中学を卒業しても高校生になり、県外の大学にいっても。
    その時間帯だけ無意識に瞬間移動し、相談所へくる。
    そして相談所のあった空きテナントであの日の再現する。
    すべてモブの記憶を元につくられた強固な幻覚の一種。
    あの日のやりとりを完全に再現している。
    あの日になかったものを拒否するため、バリアが貼ってある。
    しかしなぜかエクボだけがその空間に侵入できる。
    そのまま幻と会話するモブをみてる。
    口を開くえくぼ。
    幻とそっくりそのままの声がだぶる。
    二人分の声に違和感なくそのまま続けるモブ。
    やがて会話が終わり、幻影が消え、モブも日常に戻るように姿を消す。
    残るのはえくぼだけ。
    なあ霊幻よぉ。結局、しげおの奴、おまえに縛られたまんまだぜ。
    そう一人グチるようにいった後、どこかへ飛んでいく。
    それから年月が経ち、モブが成人になって師匠と同じ28のとき。
    この日も同じように相談所へ。
    しかしいつもと様子が可笑しい。
    どこか苦しげ。
    しかし幻の霊幻、記憶通りにしゃべるだけ。
    モブ、たどたどしく言葉途切れつつも、変わらない会話。
    しかし喋ってる間、幻影が崩れかかる。
    ここで血を吐く。
    いつの間にかえくぼがいる。
    毎日、これだけ強固な幻覚と自己催眠かけてりゃ、生体が衰弱する。
    なによりお前には、いきる気力がねえ。
    えくぼ・・・。
    力なくその場に転がったまま。
    おまえ、気づいてただろ。
    これがおまえの創り出した記憶の世界だって。
    ・・・途中からだけどね。
    と力なく笑ってみせる。
    そしてえくぼに、僕が死んだら、魂を食べて。
    たじろくエクボに、モブ、血を吐きながら言う。
    いるんでしょ。
    エクボの中に師匠が。
    ・・・。
    お願い、エクボ。
    友達としての最後のお願いなんだ。
    エクボのなりたかった神様にもなれる。
    頼んだよ。
    そういって、死ぬ。
    ふわりと浮かんだモブの霊魂。
    それをエクボ、大きく口を開けて、丸飲みする。
    そこでモブ、中学生の姿になる。
    そして霊幻が目の前に現れる。
    すみません、師匠。遅くなって。
    なんだモブ、もっと遅刻してよかったのに。
    と軽口叩いた後、モブが言う。
    ねえ師匠。答え、聞かせてください。
    霊幻、困ったような顔しながら、
    また明日っていっただろ。
    モブ、少し怒った顔で、
    もう何千回も”また明日”って聞きました。
    考える時間、十分あったでしょ?
    わかったから怒るなって。
    俺もーー
    その後二人の魂、エクボの手によって転生する。
    それは何百年後の遠い未来。
    かつて相談所があった場所を聖地とした宗教施設。
    そこで暮らす二人の青年。
    同い年で同棲してる。
    そこでは医療技術が発展し、同姓同士でも子供ができるようになってる。
    そこで幸せに暮らす二人、モブの力を受け継いだおかげで、神様になれたエクボ。
    二人を見守る。神様として、友達として。

    一方、霊幻の場合。
    モブに告白され、悩む。
    モブのこと大切に思ってるが、つき合う気はなかった。
    本当ならその場で断るのが一番なのに、結局絆されて一日待ってくれと答えてしまった。
    もうどうすんだよ俺と自嘲しながら悶々。
    夜、寝付けずに気分転換もかねてコンビニへ向かう。
    モブのこと考える。
    やっぱり俺、モブのことーー
    ここで一瞬意識が途切れる。
    次に意識が戻ったとき、エクボの声画聞こえた。
    何度も呼びかけてたもよう。
    しかも出会い頭、このバカ野郎と罵られ、思わず反論。
    そしてエクボにチョップ繰り出す。
    普段ならすり抜けるのに、あたった感触あり。
    しかも変な感覚。
    なんでさわれるの?
    同じ霊体なんだから当たり前だろと叫ばれ、やっと周囲確認。
    そこには血塗れの自分が横たわっており、そばにはひしゃげた車。
    救急車とパトカーと騒然としてる。
    しかもどうみても助からない様子。
    俺、死んじゃった?
    体がフワフワ浮いてる。
    エクボに怒鳴られ、さんざんしかられる。
    ここで霊幻、自分が成仏してないことに疑問。
    エクボに聞く。
    この世に未練があれば、とどまることができる。
    ただしその未練が弱いなら、すぐに成仏する。
    未練が強いほど、ここにとどまっていられる。
    そこで霊幻、エクボに状況聞く。
    モブは知ってるかと。
    エクボ、俺以外誰も知らねえ。
    そうか。
    なあエクボ。
    俺を食ってくれない?
    モブが告白したこと知ってるエクボ。
    霊幻の未練が告白の返事だとわかる。
    ならモブに言えばいい。
    俺も好きだと気持ちを伝えろと。
    しかし霊幻、笑って答える。
    もう俺は死んでるんだ。遅かったんだよ。
    また明日って言うんじゃなかった。
    霊幻・・・。
    あいつに気持ちを伝えたら、きっと感情を制御できなくなる。
    わかるんだ、生きてるときよりも感情が本能的になってる。
    今までのように隠せない、抑えられない。
    それどころかあいつを独占して悪霊になる。
    モブを縛り付けたくない。
    きっと俺がいなくなれば、モブも立ち直れる。
    俺がモブのそばにいたらいつまでも忘れられないだろ?
    俺は悪霊になりたくない。いい奴のままでいたい。
    でも成仏するには、未練を消さないといけないんだろ。
    俺の未練はモブへの思いを伝えること、そして一緒にいたい。
    けどダメなんだ、絶対それはやっちゃいけない。
    誰かに除霊してもらうにしても、身近な奴らじゃダメだ。
    きっとモブに俺の存在を教える。
    だからさ、エクボ。
    頼む。
    霊幻の頼みを聞いて、霊幻を食べる。
    しかし霊幻の自我は残ってる。
    エクボ曰く、共存してる状態らしい。
    だが、奥底で眠ってる。
    霊幻を取り込んだ影響で、霊幻の感情や記憶など共有。
    そして霊幻の要素を含むため、相談所の空間にも入れた。


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