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    Maue_3

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    Maue_3

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    表に上げたイッセイおたおめSSの画像じゃないverです

    #ビバレン
    bevalen

    青い光に包まれてその日はイッセイの誕生日で、同時にツアーの中日であった。
    候補生としてオーディションに参加してから、デビューしてからの現在まで、互いの誕生日はそれなりに盛大に祝い続けてきた。それまで誕生日のことを特に気にもしてこなかったイッセイが、少しは気にするようになったのもVS AMBIVALENZあってのことだろう。とはいえ、イッセイが誕生日に対して人よりも冷めているのは今も同じだった。
    これまでの感じやと、次のMCでサプライズケーキが出てくるんやろな。と、ドキドキもワクワクもせずに彼は考えていた。彼の頭では貰った時のリアクションやコメントに何を言うかがぐるぐる巡っており、そこには少しも楽しいだとか嬉しいだとかを考える余地はない。バクステでタイヨウとクックのデュエット曲を眺めながら水を飲む。そういえば、初めてライブで誕生日ケーキが出たんは、タイヨウやったっけ。あの時は泣いてコメントを貰うまでに少し時間がかかってたなぁ。なんて、随分と前のことを思い出してくすりと笑った。自分には到底できないことだ。可愛らしい、と思うと同時に、どこか羨ましかった。誕生日を素直に喜べて、サプライズに感極まる彼が、なんだか、羨ましい気がした。
    曲が終盤に差し掛かり、スタッフから名前を呼ばれる。すぐに裏にスタンバイを済ませ、MCの段取りを頭の中で確認する。幸い今日は出る順番が最初なので、並び順に関しては気にしなくていい。『ありがとー!じゃあ、よろしくねー!!』というタイヨウの声に続いて、曲が終わった。その後、照明が変化したタイミングでステージに足を進めた。暗いバクステから、眩い照明に照らされたステージに出ると、一瞬視界が鈍る。そして、次に目が光に慣れてきた時。
    「イッセイ!」
    会場の声がひとつになって、自分の名前を呼んだ。
    「誕生日おめでとう!!」
    会場と、メンバーたちの声が重なった。一面に真っ青なペンライトの海が広がっている。赤も、緑も、黄色も、紫も、ピンクも、白もない。そこには青だけが敷き詰められていた。
    「…え」
    『今日はイッセイの誕生日!』
    『みんな、きょーりょく、アリガトー!』
    先程までステージに出ていた二人に腕を引かれ、ステージの最前に引っ張り出される。タイヨウとクックの言葉に、グランツたちが声を上げた。自分の知らない間に、サプライズが仕組まれていたらしい。いや、サプライズとは本来そういうものであるが。
    目を丸くして、会場を見渡す。アリーナも、スタンドも。別のメンバーのうちわを持ったグランツも。皆、青色のライトを点していた。
    『アハハッ!イッセイ、すげーびっくりしてんじゃねーか!』
    『イッセイがこんなにびっくりしてるの、初めて見たかも…』
    ジンタロウとシオンの声に振り返る。この様子を見るに、彼らも、メンバー全員このサプライズを知っていたらしい。
    『毎回恒例、ケーキも用意してるよーん!』
    『ケーキは後でスタッフさんに持ってきてもらうよ。今回もすごいケーキだから、楽しみにしていてね』
    『まずは、今回の主役にコメントを貰うべきであろう』
    『じゃあ、イッセイ』
    『え、あ、うん』
    スバルに促されるままにマイクを持ち直し、口に近づけた。
    『あー…えっと』
    思ったよりも言葉が出てこない。想定外の出来事に、頭が上手く回らなかった。メンバーだけでなく、会場中のグランツが黙って、イッセイの言葉を待っている。
    まるで時が止まったみたいに静かな空間で、ぽつり、とイッセイが言葉を漏らした。
    『俺、誕生日ってそんな好きやなかってん。自分の日というより周りの日、みたいな。俺のお祝いというより、お祝いすること自体が目的…みたいな。ああ、そんなんはええか。つまりは、えと』
    言わなくていいことを言った気がする。マイクを持っていない左手が無意識のうちに口元を押さえた。
    誕生日は、好きじゃない。家のパーティーで、知らない大人の話を聞く日で、誕生日だから自分が一番なわけじゃない。誕生日は、逆に、自分が一番見られない日だった。だからこんなふうに祝われたことがなくて、何を言えばいいのか、皆が何を求めているのかが分からなかった。いつもみたいに、ISSEIとして、なにか場をわかすことを、言わないと。
    「こういうのは、シンプルでいいんだよ」
    マイクを通していないレオンの声が聞こえた。ふと、彼のほうを見ると、いつもみたいにふん、と鼻を鳴らして、尊大な態度でイッセイを見る。
    「うじうじ悩むようなことじゃねぇだろ」
    「そうですよ!イッセイさんがくれる言葉なら、なんでもいいんです!僕らもグランツの皆さんも、イッセイさんの言葉が聞きたいんです!」
    「素直じゃない性格とはいえ、今くらいは素直になりなよ」
    「そーだよ、イッセイ!僕ら…ううん。グランツが、イッセイの言葉を待ってるんだから!ね、ミオ!」
    「う、うん!(イッセイさんならできるよガンバ☆とか言ったら怒られるんだろなー!!誕生日だから言ったら許されるとかないよねー!)」
    マイクを通していない彼らの声は、グランツたちに聞こえていないだろう。そんな彼らの言葉を聞いて、イッセイは、「はは」と小さく笑った。そうしてマイクを下ろし、大きく息を吸った。
    「めっちゃ嬉しい!ありがとう!!」
    大きなドームの中、彼の言葉を待った静寂に、イッセイの生の声が響いた。響いたというには空間は大きすぎて、聞こえない観客もいたかもしれない。それでも、彼が必死に叫んだその言葉は、会場中に届いていた。ワアッと会場が割れんばかりの歓声に包まれる。


    『俺の誕生日を祝ってくれてありがとう。俺を、知ってくれてありがとう。今日が今までで、最高の誕生日やわ』
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    Maue_3

    DONEサクレイオンリー開催おめでとうございます。直前に書いているので、誤字脱字あればすみません。修正したものは後ほどpixivにも掲載する予定です。多分…
    フェチズム高校生の頃、女性アイドルのグラビアを囲んで友人たちと話をしたことがある。この子は可愛い、この子の胸が大きい、この子は足が綺麗だとか。そういう話だ。昼休みの教室でワァワァ騒いだのは今となっては高校生らしい思い出のひとつかもしれない。その時、友人の一人がポニーテールについて熱く語っていた。正直、ロングだろうがショートだろうが、結んでようがおろしてようがなんでもいい自分にとって、彼の熱意はすごいと思いはすれど、完全に理解はできなかった。
    「つまりギャップってこと?」
    「違う!!何でそうなるお前はバカか!?」
    いつも周りをよく見て、人との争いを避けるような温厚な友人がそんな強い言葉を使ったのは、後にも先にもあの時だけだ。思えば、あれはフェチというやつなのだろう。あーあるよね、そういうの。足とか、指とか?その頃のサクヤはどこか他人事だった。可愛い女の子は好きだし、女の子が可愛くなろうと努力する姿も好きだ。だから、ある一点にそれくらいの情熱を持ったりすることは、これからもないと。そう思っていた。
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    候補生としてオーディションに参加してから、デビューしてからの現在まで、互いの誕生日はそれなりに盛大に祝い続けてきた。それまで誕生日のことを特に気にもしてこなかったイッセイが、少しは気にするようになったのもVS AMBIVALENZあってのことだろう。とはいえ、イッセイが誕生日に対して人よりも冷めているのは今も同じだった。
    これまでの感じやと、次のMCでサプライズケーキが出てくるんやろな。と、ドキドキもワクワクもせずに彼は考えていた。彼の頭では貰った時のリアクションやコメントに何を言うかがぐるぐる巡っており、そこには少しも楽しいだとか嬉しいだとかを考える余地はない。バクステでタイヨウとクックのデュエット曲を眺めながら水を飲む。そういえば、初めてライブで誕生日ケーキが出たんは、タイヨウやったっけ。あの時は泣いてコメントを貰うまでに少し時間がかかってたなぁ。なんて、随分と前のことを思い出してくすりと笑った。自分には到底できないことだ。可愛らしい、と思うと同時に、どこか羨ましかった。誕生日を素直に喜べて、サプライズに感極まる彼が、なんだか、羨ましい気がした。
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    これまでの感じやと、次のMCでサプライズケーキが出てくるんやろな。と、ドキドキもワクワクもせずに彼は考えていた。彼の頭では貰った時のリアクションやコメントに何を言うかがぐるぐる巡っており、そこには少しも楽しいだとか嬉しいだとかを考える余地はない。バクステでタイヨウとクックのデュエット曲を眺めながら水を飲む。そういえば、初めてライブで誕生日ケーキが出たんは、タイヨウやったっけ。あの時は泣いてコメントを貰うまでに少し時間がかかってたなぁ。なんて、随分と前のことを思い出してくすりと笑った。自分には到底できないことだ。可愛らしい、と思うと同時に、どこか羨ましかった。誕生日を素直に喜べて、サプライズに感極まる彼が、なんだか、羨ましい気がした。
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