「昔っから犬や猫を拾ってくるやつとは思っていたが……」
諸星あたるは、双子の妹であるナマエとの数々の思い出を脳裏によぎらせてから、妹の腕の中を見て「はぁ……」と大きくため息をついた。
「なによ、その目は」
「流石に見境なしすぎないか?」
呆れたようなあたるの言葉に、ナマエは腕の中にある壺から顔を覗かせた『それ』に話しかける。
「女と見れば見境なしの男に言われてもねぇ?」
「ええい!『タコ』に同意を求めるな!」
壺、もといタコ壺から顔を覗かせた『タコ』は「ちゅう」と同意するように一鳴きする。
「大体タコなんて、どうやったら拾って来れるんだ……」
「こいつ壺に入っとっておもろいなぁ」
「海にでも行ってきたっちゃ?」
興味津々と言った様子で、ナマエが連れ帰ったタコを眺めるのは諸星家の押しかけ居候インベーダーなラムとテンである。
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