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    kk_ka_aa

    @kk_ka_aa

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    幸せカナコ 桜カナ最推し
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    需要があるか謎すぎますが…あどちゃん視点で→🌸さんの短編です。 6巻読了後すぐ、7巻収録予定分の先読みを読む前に勢いで書いたやつをここで放出することにしました...!6巻までのネタバレ(7巻先読みは含まず)とわたしの妄想による補完を含むので要注意です。最後はあとがきです。

    ##桜カナ

    言葉の裏側(あど→🌸(→←🦦))あぁ、嫌だ嫌だ。
    彼のあの一言で、そして、感情を隠すようなあの表情で。ひっそりと重なってきた小さな違和感は、ついに確信に変わってしまった。

    まさかカズが、誰かに特別な想いを寄せるようになるなんて、思ってもみなかった。



    彼には、四六時中わたしと一緒にいて欲しいと思っている訳じゃない。
    ただ、自由というのは、生きてるって強く実感できる一方で、楽しいことばかりじゃないから。自由になればなるほど心身に伸し掛かるいろんな重圧や孤独感に襲われた時、寄り添える決まった相手が居たり帰る場所が欲しくなるというのは、ごく自然なことだと思う。

    いつ死ぬか────いつ誰に殺されるか分からないこの生活だからこそ、大切な人や好きなものにはちゃんと時間を割きながら、何事にも後悔を残さないような生き方をしていたい。


    わたし達は、殺し屋だから。自分の限りある命や時間をどこに費やすかは、普通の人よりもずっと、日頃から真剣に考えているはずだ。

    自分の人生を構成する、仕事に友達、好きな人。わたしの生き方を理解してくれて、他人にもモノにも執着せず、お互いに自立しながら、ただ傍に居てくれる人。

    わたしが生きていく上で重要な部分を占めるのが、カズだった。


    カズはいつも、こちらの真意をちゃんと知ろうとしてくれるし、自分の価値観を押し付けずに好きなようにさせてくれて。
    彼から恋愛的な意味で特別好かれていたとは思えないけれど、かといって嫌われていたとも思えなかった。
    わたしがフリーになる時、彼にはどうしても一緒に来て欲しかったけど断られて────それならいっそと、彼をころす素振りを見せたら、彼は本気でわたしをころそうとしてきた。

    彼にとってわたしはそんな位置付けだったのかと、絶望したけれど。
    それでも、あの彼がわたしをころし損ねたという事実だけが、どうにか生き延びて足掻く道へとわたしを追い立てた。



    カズはすごく意地っ張りで素直じゃないけど、ここぞという時には嘘を言わない。無愛想なりに、相手とその場の状況を踏まえて最適であろう言葉を彼の感情の中から選んで、表情をつくって、簡潔に口にする。わたしのように、直感や思い付きをぱっと口にして相手の心を揺さぶって、その反応を見ながら動いていくやり方とは真逆のタイプだ。

    ただそれが、逆に。例えば彼がやたらと相手を煽るような言動を、あるいは、明言を避けたり何の感情も表に出さないような言動をとる時というのは。彼がそのように振る舞うというそれ自体が、彼の本心の表れであったりもするのだ。

    これ以上は詮索されたくない、知られたくない、踏み込んでほしくない。────高架橋の下で近づいて来る電車の音とともに、迫り上がるようにして理解が追いついていって。彼のそれが一体何を意味するのか、分かってしまった。

    彼の身体にはもう既に、一生わたしを忘れることなどできないよう、消せないくらいの傷を刻んだけれど。
    わたしにはまだやれることがあると、気が付いてしまった。



    あの子といるのは楽しいし、出来ることならばずっと友達で居られたらとは思う。
    ただ、わたしにとってはやっぱり、彼以上にしっくりくる人が他に居るとは思えないから、彼のことを諦めたくないだけなのだ。
    それに正直言えば、あの子だったらわたしの方が、殺し屋としてカズともっと対等に隣に立てるんじゃ、なんて気持ちも少しだけ、あったりする。

    彼がこれからもずっと変わらず、ひとりで生きていくというならばまだ良かった。でも、そうではないかもしれないことを────彼にも、誰かを好きになることがあるんだということをつきつけられたらもう、居ても立っても居られなくて。
    彼がこれから一体何を、誰を、そしてどんな人生を選び取ろうとしているのかを、どうしても確かめたくなってしまった。


    わたしが欲しいと思った全てを手に入れるその過程で例え命を落としたって、それが彼にころされるということならば、わたしにとっては本望だけれど。
    社長の元で一緒に過ごしたあの日々を、あの"最後の日"を、これだけ深くわたしの記憶に刻みつけられてしまったのだから、わたしが納得いくようやりきるまでは、醜く足掻いて、絶対に死んでなんかあげない。



    もし、彼の大切なものが彼の前からなくなってしまったら、────わたしが、それを消し去ってしまったとしたら。
    果たして彼は、その命が尽きるまで、わたしのことを考え続けてくれるだろうか。






    ↓あとがき


    *****


    7巻が待ち遠しすぎて禿げ散らかしそうです。先読みにも見事に感情ゆっさゆっさされてます。みなさんいかがお過ごしですか?

    この話、6巻発売&読了後の1ヶ月くらいでががっと9割方を、その後は2、3ヶ月ほどで全部を書き終えていたのですが...!アドちゃんがなかなかに癖のある子なのでこういう小説の需要があるのかわからず、かつ暗い話になってしまったので、ずっとpixivに上げる勇気が出ず……でもやっぱりわたしのもったいない精神が疼くので、ここで供養させてください......!

    タイトルは、またしてもポルノグラフィティさんの楽曲「マシンガントーク」より。桜カナの妄想が捗る良曲なので、興味がある方はぜひ...!

    読んでくださってありがとうございました!


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