Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    FineRisoluto

    @FineRisoluto

    Fine Risolutoふぃーねりぞるーと。FF14用アカ。 FF14の自機小説を公開しています。
    pixivにもいます(こっちの名義は鳥羽直人)
    https://www.pixiv.net/users/22951329/novels
    (C) SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 43

    FineRisoluto

    ☆quiet follow

    !FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください!
    FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
    大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。
    フィーネ:作者の自機。アウラ・ゼラの女性。

    #FF14

    ある「元」光の戦士の6.01その11「どうもー調理師のフィーネです」
    「えっとじょ、助手のリーンです」
     二人の目が合い、そのまま同時に頭をさげる。
    「よろしくおねがいしまーす」
    「よっよろしくおねがいします」
     フィーネの拍手につられてリーンも拍手する。
    「我が『美しい枝』みてるー今日もかわいいね愛してるぜ」
     明後日の方角に決め顔でウィンクを飛ばす。リーンは黙っていれば美人なのになと思った。
    「そしてーーーミーン工芸館のみんなみてるぅ」
     なぞのテンションでゴリ押すフィーネにつられて歓声があがる。闇の戦士の肩書は絶大である。
    「わ、わぁーっ」
    「や、闇の戦士さま~」
    「ふ、ふぅーーー」
     前言撤回、闇の戦士の肩書をもっても、全然そろっていない。
    「えっと。なんですかこれ」
     ぽかーんと口をあけて見ていたリーンが耐えきれずに聞いてしまった。
    「うん。まあ、しかたないよね」
    「なにがですか」
    「リーンはつっこみの才能があるね」
    「話そらさないでください」
     本日二度目のお叱りである。
    「ちゃんとしてる……」
    「フィーネさんもちゃんとしてください」
    「はい」
     彼女に叱られるのはさまざまな意味でこたえる。
    「フィーネ。これはミーン工芸館からの試験でもあるんだよ。あんまりふざけてるとリーヴ発注しないからね」
    「ご無体な……」
    「真面目にやりましょう」
     ミーン工芸館のカットリスとリーンに挟まれて、フィーネは頭をうだなれる。

     数時間前、博物陳列館でモーレンとベーク=ラグからひととおりピクシーの話を聞き終えたあとだ。
    「まあ、だいたいわかったけど……フェオはどうしたら仲直りしてくれるのかな。ピクシーの情報は役に立ちそうだけど、今怒らせちゃったのをなんとか許してもらわないと」
    「手紙でもかいてみたらどうだ?」
    「どうやって届けるのよ」
    「……妖精王宛で、ピクシーに渡すとか」
    「いたずらの格好の餌食」
    「まあ、そうだな」
     ベーク=ラグの意見を一蹴して、フィーネはふと思い当たる。
    「イル・メグってりんご、あるよね」
    「あります、ピクシーアップルアップルパイにするととても美味しいんですよ。ウリエンジェが作ってくれました」
    「ウリエンジェが。アップルパイを」
     意外な組み合わせだ。いやでも、プディングも作っていたらしいからな。
    「イル・メグにりんごがあるのなら、ピクシーはりんごが好きだったりしないかなあ。ちょうどむこうから持ってきたりんごがあるんだ」
     黒衣森で採れたてのフェアリーアップルだ。
    「ピクシーの食事は花の蜜が主と聞いていますが」
     モーレンがあごに手を当てる。
    「ウリエンジェが、気づくとアップルパイが減っていることがあるそうなのでピクシーが食べているんじゃないかと言っていましたよ」
     リーンがモーレンに説明する。
    「試してみる価値はあるかもしれぬな。良いではないか、おぬし、料理できたであろ」
     ベーク=ラグに促され、フィーネもやってみようという気が湧いてきた。
    「まあね」
     リムサ・ロミンサの調理師ギルドで修行を積んでいるし、ナナモ陛下に料理を振る舞ったこともある。フェオに振る舞うのも望むところだ。

     その後、アップルパイを焼くための道具を借りようと、ミーン工芸館で相談してみた。すると闇の戦士がクリスタリウムで引きこもり……もとい、休暇中ということがバレ、それなら人手が欲しいという話になり。逃げようとしたらフィーネが食料調達に苦労していることがバレて捕まった。(バラしたのはベーク=ラグである)
     今回の料理が上手くできたならそのまま料理関連のリーヴを回してもらえる手筈になっていて、試験とはそういうことである。
     フィーネとしても収入が入るのはありがたい話だったのでそのまま引き受けることにした。余った料理ももらえたりしないだろうか。

     そして現在。
    「じゃあ作ろうか。アップルタルト」
     気を取り直してフィーネは作業に取りかかる。
    「アップルパイじゃなかったんですか?」
     リーンが首をかしげた。
    「カットリスさんがいうには、水分量の違いでアップルタルトの方が良さそうって言われたんだよ。小麦粉はわたしが買ってきたものを使うから、その相性もあるみたいだね」
     グリダニアで手に入れたとっておきの食材で、保存もきくし用途も幅広い。まさに文明開化、技術的特異点。それが小麦粉なのである
    「そうなんですね。そういえばウリエンジェが使っていたのはアップランド小麦粉でした」
    「アップルパイもそのうち作りたいよね」
     じゅるり、とよだれが湧いて出る。何を隠そうフィーネは甘党である。
    「そうですね。まずは……アップルタルトですっ」
     リーンは気合を入れるように握りこぶしを作る。そしてフィーネはりんごをまな板に置き包丁を構えた。
    「よーし。がんばろう」
     ちなみにだが、フィーネの就職活動に巻き込まれたことにリーンは気づいていない。

    ~おまけ~
    フェアリーアップル
     黒衣森の東部森林で採取できる。ところが説明にはクルザス原産と書いてある。
     黒衣森はクルザスじゃないですよねよしださん
     
     余談1:ピクシーアップルとフェアリーアップル。どちらも妖精のりんごであるが、グリダニアで妖精といったらシルフ。世界が分割された際にピクシーとシルフに分かたれていたりしないだろうか。
     余談2:ピクシーで思い出したけどポークシーはポークの妖精だからポークシーなのだろうか。

    小麦粉
     リムサ・ロミンサで買うか、ラノシアで小麦を採取して作るしかないかと思われた、幅広い用途を持ったみんなの夢を叶える完全に合法の白い粉。
     第一世界でもグリダニアでも手に入らないじゃんと嘆いていたらフレンドがグリダニアで買えると教えてくれた。
     どこで買えるかってミィケット近くにある粉屋……。(存在を忘れていた。誰が知ってんねん)
     ライ麦粉も売っているが第一世界のレシピと相性は悪く買うのは諦めた。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ☺👏
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    FineRisoluto

    DONE・FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください。
    ・FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
     大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。

    ・フィーネ=リゾルート
    「元」光の戦士。アウラ・ゼラの女性。クリスタリウム中心にノルヴラントに引きこもっている。ミーン工芸館で職人として働いている。
    ある「元」光の戦士の6.03その9「なぜクラフターをやるんだ、という人がいる」
     フィーネは斧を振り下ろす。脇には既に伐採を終えたパイン原木が山になっていた。
    「ええ」
     フェオはその山の上に腰掛けて両手で頬杖をついている。
    「なぜギャザるのかと問う人もいる」
    「そうなのね」
     静寂の中をアオサギ滝の水が流れ落ちる音が心地良い。二人はヤンサを訪れていた。
    「でもクラフターもギャザラーも目的のためにするわけじゃないんだ」
     木に斧が打ち込まれる音がリズミカルに静寂を切り裂いていく。
    「お仕事だからするんだと思っていたのだわ」
    「順番が逆なんだよ。クラフターもギャザラーも仕事ではあると思う。だけどそうじゃない。仕事だからするんじゃあないんだ。やりたいことをして、楽しくなって続けているうちにそれが仕事になっていくのが一番良いんだ」
    3035

    FineRisoluto

    DONE・FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください。
    ・FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
     大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。

    ・フィーネ=リゾルート
    「元」光の戦士。アウラ・ゼラの女性。クリスタリウム中心にノルヴラントに引きこもっている。ミーン工芸館で職人として働いている。
    ある「元」光の戦士の6.03その8「お前ら、会うたびに喧嘩するのなんとかならねえのかい?」
     フィーネの母の腕にできた傷の手当てをしながら、父親がため息をつく。
    「ため息のつき方が若木にそっくりなのだわ……!」
     フィーネに出された緑茶をすすっていたフェオが感激するその横で、フィーネもまたため息をつく。
    「似てないよ」
    「ほら、今、そっくりだったのだわ!」
     フェオは喜び、フィーネと父の間を飛び回る。
    「それにしてもお前、風の噂じゃあ聞いていたが腕が立つようになったんだなあ」
     父親の感嘆をよそに娘は淡々と答える。
    「母さんより腕っぷしが強い人のほうが少なかったよ?あ、でもアジムステップはもっと喧嘩っ早い人がいたなあ」
    「いやあ、それでも母さんに喧嘩で勝てるようになったなんてなあ。父さんなんだか涙腺にきたよ」
    2599

    related works