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    FineRisoluto

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    Fine Risolutoふぃーねりぞるーと。FF14用アカ。 FF14の自機小説を公開しています。
    pixivにもいます(こっちの名義は鳥羽直人)
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    FineRisoluto

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    ・FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください。
    ・FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
     大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。

    ・フィーネ=リゾルート
    「元」光の戦士。アウラ・ゼラの女性。クリスタリウム中心にノルヴラントに引きこもっている。ミーン工芸館で職人として働いている。

    ある「元」光の戦士の6.03その5「舐められたものです」
     かかと落としで昏倒させたスリをイエロージャケットに引き渡しながら、フィーネはぱんぱんと両手を叩きほこりを払う。
    「治安の悪い街ね」
     彼女の頭には相棒のピクシー、フェオ=ウルがつかまっていた。
    「リムサは海賊の街だからねー」
     訪れたのは何ヶ月ぶりだろうか。シャーレアンから船で戻ってきたのがはるか昔のことのように思える。感傷に浸る暇もなくスリが現れたが、仮にも英雄と呼ばれたフィーネを標的にするとは運の悪い奴である。
    「ん?久しい顔がいるな」
     後ろからかけられた声に、フィーネは振り返りもせず前方にスプリントする。
    「どうして逃げるの?」
    「面倒事に巻き込まれたくないから」
     フェオの問いに、彼女がつかまっている頭の主は端的に答える。
    「お前たち、そいつを捕まえてくれ」
    「げ」
     背後から聞こえる声に反応して、前方にいた赤と黒の制服に身を包んだ黒渦団の数名がフィーネの行く手をふさぐように駆け寄ってくる。
     フィーネはジャンプして黒渦団のうち体格の良いルガディンの男性の肩に飛び乗るともうひと飛びして着地し再び駆ける。そのまま通り抜けて船着き場に向かうはずだったのだが。
    「そこまでだ」
     斧を持った、先ほどよりもさらに体格の良いルガディンが現れる。
    「うっわ」
     フィーネは急停止し、即座に反転して引き返す。が、目の前に銃を抜いたルガディンの女性が仁王立ちしているのをみて、観念したように両手を挙げた。

    「なぜ逃げる」
     リムサ・ロミンサの提督室でフィーネは「アリガトウ」と言いながらマルドティーを受け取る。
    「冒険者稼業はおやすみしてるから、依頼は受けかねます」
     眼前のルガディン、メルウィブから目をそらしながらフィーネは小さな声で言った。
    「別に、冒険者としての仕事を依頼したかったわけではなくてだな……久々なんだから顔くらい見せていけ」
     茶菓子も出してもらう。バブルチョコだ。
    「ちょっとナイーブになってたから反射的に逃げちゃったんだよ」
     申し訳無さそうにするフィーネの隣で、フェオはバブルチョコを丸かじりしながらフィーネに出されたマルドティーを飲む。お茶は今日も魔法で宙に浮かせて冷ましていた。
    「彼女は誰だ?」
     ピクシーを初めて見るであろうメルウィブは、特に驚きもせずに淡々と訊ねる。
    「最高に優秀で美しい私の枝」
     フィーネもバブルチョコを口に入れる。思ったより甘かったのでマルドティーを飲もうと思ったら、もうフェオに飲み干されていた。
    「若木もわかってきたようね!私の優秀さが!」
     そんな二人のやりとりを、しばらくメルウィブは眺めていたが次第に会話に混ざっていく。
    「なるほどな」
     フィーネの近況をあらかた聞き終え、メルウィブは相槌を打ちながらおかわりのマルドティーを今度は三人分用意し、テーブルにお茶の入ったカップを並べていく。
    「そういえば、君に荷物を預かっている。ほら、サンクレッドからだ」
     メルウィブは部屋に置いてあった包みを持ってきたてフィーネに手渡す。
    「なんで提督様にそんな雑用を頼むんだろう」
     フィーネは今度こそマルドティーを飲みながら、怪訝そうにつぶやく。
    「意外と君はそういうところ、まともだよな」
     ふ、とメルウィブが笑みをこぼし、フィーネは包みを開ける。中から出てきたのはひと振りの刀だ。鍔は無く、赤い柄糸があしらわれている。
    「これは、アジムステップで調達したのかな」
     フィーネは刀を手に取り、少し鞘から抜き出して刃紋を眺める。
    「そうなのか、よくわかるな」
    「昔使っていた刀に似てる。たぶん、同じ作り方なんじゃないかな」
    「あなた、刀なんて使えたの?」
     フェオが刀に近づいて眺めたり、つついたりする。
    「私の国では主流な武器だよ。子供のころ習わされて、嫌いだから使わなかったんだけどなあ」
     フィーネはそっと刀を鞘に納め、テーブルに置く。サンクレッドはフィーネが刀を使えることは知らなかったはずだが、一体何を思って送ってきたのか。
    「私も君が刀を使えるのは初耳だ。というか、君、ひんがしの国の出身だったのか」
    「マアネ」
     フィーネがとても嫌そうな顔で答える。
    「若木はこれから『くがね』のご実家に帰るのよ。でも、気が乗らないらしいわ!そもそも今日は『くがね』に行きの船に乗るために『ぐぢだにあ』から飛空艇で移動してきたのよ」
     ため息をつくフィーネの代わりにフェオが答える。
    「グリダニア、だよ。この搭乗券日時指定無いし、明日でも良いんじゃないかなあ」
    「そう、グリダニアね!私は今日『くがね』に行きたいから明日じゃだめなのだわ」
     言いながら壁に掛かっていた時計を見たフェオはフィーネの角を引っ張る。
    「大変よ私の『かわいい若木』!そんな辛気臭い顔していないで、もう船の時間でしょう?そろそろ行かないと今日最後の便が出てしまうのだわ!」
     フィーネもつられて時計を確認するが、角を引っ張られているので焦点が定まらない。
    「待って待って、よく見えないから引っ張らないで、手を離して」
     フェオが急に手を離し、フィーネは勢い余って床に転がった。
    「大丈夫か?」
     メルウィブが心配してフィーネの顔をのぞき込む。
    「慣れてるから大丈夫。それより、時間が大丈夫じゃないみたい」
    「そうか。引き止めてすまなかったな。まあ、クガネから戻ったときにでもまた顔を出してくれ」
     メルウィブの手を借りてフィーネは立ち上がり軽く服をはたく。
    「やっぱり、マルドティーをもう一杯……明日行けば良いんじゃないかな」
     ここまできてまだクガネ行きを渋るフィーネだが、フェオにさらに急かされる。
    「頑張りなさい若木!歩くのよ、ほらはーやーく!」
     手を引っ張られて、フィーネは観念して歩き始める。
    「自分で歩くよぉ……提督、ごちそうさま。刀一応もらっとくけど、サンクレッドには食べられるものにしろって言っといて……フェオちゃん引っ張らないで」
     慌ただしく出ていった二人を見送って、部屋には一人メルウィブが残される。
    「君も雑用を頼むんじゃないか」
     そう言ってマルドティーを飲み干す『提督様』は顔に笑みをたたえていた。

    ~おまけ~
    ・フィーネが受け取った鍔のない赤い柄糸の刀
    アジムステップにあるバルダム覇道でドロップする「透き通る空」とおなじ拵えである。
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    DONE・FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください。
    ・FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
     大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。

    ・フィーネ=リゾルート
    「元」光の戦士。アウラ・ゼラの女性。クリスタリウム中心にノルヴラントに引きこもっている。ミーン工芸館で職人として働いている。
    ある「元」光の戦士の6.03その9「なぜクラフターをやるんだ、という人がいる」
     フィーネは斧を振り下ろす。脇には既に伐採を終えたパイン原木が山になっていた。
    「ええ」
     フェオはその山の上に腰掛けて両手で頬杖をついている。
    「なぜギャザるのかと問う人もいる」
    「そうなのね」
     静寂の中をアオサギ滝の水が流れ落ちる音が心地良い。二人はヤンサを訪れていた。
    「でもクラフターもギャザラーも目的のためにするわけじゃないんだ」
     木に斧が打ち込まれる音がリズミカルに静寂を切り裂いていく。
    「お仕事だからするんだと思っていたのだわ」
    「順番が逆なんだよ。クラフターもギャザラーも仕事ではあると思う。だけどそうじゃない。仕事だからするんじゃあないんだ。やりたいことをして、楽しくなって続けているうちにそれが仕事になっていくのが一番良いんだ」
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    FineRisoluto

    DONE・FF14の6.0までのネタバレを含む可能性があるのでご注意ください。
    ・FF14自機のフィーネの6.0の後日談です。
     大きな山場もなく、ただ平和な冒険の後日談が好きな人向け。

    ・フィーネ=リゾルート
    「元」光の戦士。アウラ・ゼラの女性。クリスタリウム中心にノルヴラントに引きこもっている。ミーン工芸館で職人として働いている。
    ある「元」光の戦士の6.03その8「お前ら、会うたびに喧嘩するのなんとかならねえのかい?」
     フィーネの母の腕にできた傷の手当てをしながら、父親がため息をつく。
    「ため息のつき方が若木にそっくりなのだわ……!」
     フィーネに出された緑茶をすすっていたフェオが感激するその横で、フィーネもまたため息をつく。
    「似てないよ」
    「ほら、今、そっくりだったのだわ!」
     フェオは喜び、フィーネと父の間を飛び回る。
    「それにしてもお前、風の噂じゃあ聞いていたが腕が立つようになったんだなあ」
     父親の感嘆をよそに娘は淡々と答える。
    「母さんより腕っぷしが強い人のほうが少なかったよ?あ、でもアジムステップはもっと喧嘩っ早い人がいたなあ」
    「いやあ、それでも母さんに喧嘩で勝てるようになったなんてなあ。父さんなんだか涙腺にきたよ」
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