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    なつとまと

    レオ司の字書き

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    なつとまと

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    昨年の猫の日に投稿したものです。投稿した際のアカウントを削除しており、残っていないのでこちらで再掲させていただきます。
    *結婚しているレオ司
    *ギャグ風味
    *いずまこ、りつまおりつ、つむ夏要素あります。

    ##レオ司

    猫の日騒動チーンとオーブンが鳴り、扉を開けば漂っていた香ばしい匂いが強くなる。
    「うん。いい香りだねぇ。味も悪くなさそう。」
    見た目は独特だが、味は問題ないはず。残念ながら諸事情で味見は出来ないが…。
    「あの魔法使いから貰ったシロップと俺の作ったシロップが入ったお菓子。果たしてどうなるかな。」
    凛月は紅い瞳を光らせ、にんまりと笑った。

    「セナ!助けて!!スオ〜が猫になっちゃった!!」
    「は?」
    れおくんからそんな訳の分からない電話が来たのは早朝。ゆうくんを抱きしめて幸せな気分で寝ていたというのに、その時間をぶち壊された俺は当然怒ったわけで。
    「朝っぱらから変な電話掛けてこないで!!」
    電話先で喚く声を無視して通話をぶった切り、再び寝ようと布団に潜った時、ホールハンズの通知が鳴る。れおくんからだろうと無視しようかと思ったが、一応確認しておこうと開くと、そこには猫耳としっぽが生えて、見た目も幼くなったかさくんの写真が送られてきていた。
    合成にしてはできすぎている。もしかして本当に猫に……?そう思った俺はまだ寝ているゆうくんを起こさないようにベッドから出て身支度をするためにリビングに向かう。
    一通りの準備を整えて、机の上にれおくんとかさくんの家に行く旨を記したメモを置いて家を出た。

    「で、どうしてこうなったわけ?」
    目の前にいるかさくんの姿は非現実的だが実際に見てるわけだから信じるしかない。丸まって寝転んでいる小さな猫かさくんの隣で項垂れるれおくんにそう問いかけると、おずおずとクッキーの入った箱を差し出す。
    「今朝作業が終わって水分でも取ろうとリビングに入ったらさ、こたつからしっぽが出てて、めくったらスオ〜でさ。机の上にこのクッキーが置いてあったから多分原因はそれだと思う。」
    渡された箱には独特な見た目をしたクッキーらしきものが入っている。どう考えてもあの吸血鬼が作ったとしか思えない。そういえば以前にあいつから貰ったチョコを食べたゆうくんが身体が熱いと言い出して、服を脱いで誘惑してきたから抱き潰したことがあった。その日あいつから届いたメッセージは『俺の媚薬入りチョコどうだった^ω^)』でついスマホを床に叩きつけたことはよく覚えている。(スマホは無事だった)

    この状況を生み出したと思われるヤツに電話をかける。出たのはヤツの同居人。
    『おはようございます、瀬名先輩。朝からどうされたんっすか。』
    「なんでアンタが出るの。くまくんは?」
    『りっちゃ……凛月は今ちょうど寝たとこなんすよ。電話の音にも反応しなくて。代わりに俺が出ちゃったんですけど、ダメでしたかね。』
    「アンタが出てくれただけマシ。今すぐ叩き起して。」
    『分かりました。おい、凛月起きろ』
    ぺしぺし、ゴンッ 電話先からそんな音が聞こえてくる。ヤツがなかなか起きないのを分かっているのでしばらく待ってやる。3分後ようやく起きたヤツは衣更に急かされて俺の電話に出た。
    『セッちゃんおいっす〜。俺を叩き起させてまでの用って何〜??』
    「アンタかさくんにクッキー渡したでしょ。」
    『ああ、うん渡したよ。なんでセッちゃんがそれ知ってるの。』
    「れおくんから渡されたクッキーがどう見てもアンタが作った見た目してたからねぇ。」
    『え?今セッちゃん、月ぴ〜とス〜ちゃんの家にいるの?』
    「朝っぱらかられおくんから電話があったから来たんだよ。いまの状況見せてあげる。」
    俺はビデオ通話に切り替えてかさくんを映す。
    「これをどう説明してくれるわけぇ?」
    『ス〜ちゃんちっさくなってる……。ゆうくんに盛るつもりだったやつ間違えて入れちゃってんじゃん。媚薬入れるつもりだったのに。』
    「はぁ?今なんて言った?」
    『あ、ヤバ。』
    「今すぐ事情を説明しに来い。」
    「ヒッ……。い、行きます。」

    通話を終えて5分もしないうちにインターホンが鳴る。
    こういう時に同じマンションに住んでると便利よね。
    「鍵かかってないからはよ入ってこい」
    「ハイ」
    ヤツ――くまくんは衣更に支えられながらリビングにやってきた。
    衣更はかさくんを見て状況を把握したようでくまくんの身体をぱっと離して土下座してきた。支えを失ったくまくんが床と激突していたが気にしない。カーペット引いてあるから痛くないだろ。
    「うちの凛月がすみません。またご迷惑をお掛けしてしまって。」
    「アンタが1番の被害者だろうから謝る必要ない。」
    「いやでもその逆先が作った猫耳が生える薬をちゃんと俺が処分させていたらこんなことには……。」
    「どういうこと?」
    カーペットとお友達になっていたくまくんが口を開く。
    「猫耳が生える薬はまーくんの言った通り魔法使いから貰ったものだよ。前にまーくんで試したらちゃんと生えたから月ぴ〜にも楽しんでもらおうと思って。身体がちっさくなるのは俺が作った。ゆうくんがキッズモデルの時の姿になったらセッちゃん喜ぶかなって思って作ったの。」
    「ナツメとリッツ。史上最悪の組み合わせだな。」
    「おかげでス〜ちゃんの可愛い姿見れてるんだからむしろ最高でしょ。」
    「開き直んな。」
    寝転がっているくまくんに蹴りを入れる。土下座している衣更は悪いことをしたのだから当然だとそれを止めなかった。
    「で、これどうやったら治るわけ?」
    「エッチなことしたら治る。」
    「エッt……こんな状態のスオ〜にそんな無体働けるわけないだろ〜???」
    「他に方法はないの!?」
    「猫耳の方は魔法使いが解毒剤持ってるからそれを飲めばどうにか。ショタ化に関しては……抜いてあげるしかないね。」
    「マジか……。」
    「わかった。今すぐ逆先に連絡しろ。」
    「俺がかけます。」
    衣更はそう言って土下座したまま器用にスマホを操作してかけ始めたが何度かけても出ない。
    「青葉のお兄ちゃんにかけてみる。」
    くまくんが青葉に電話してみると即繋がった。
    「あ、青葉のお兄ちゃん、おはよ〜。」
    『おはようございます、凛月くん。朝からなにかご用ですか?』
    「うん。魔法使いに用があって。」
    『夏目くんにですか?』
    「まーくんが電話鳴らしても出なくてさ。」
    『ああ。今は実験中ですよ。呼んできますね。』
    電話は保留中になり、数分後
    『やァ弟くん。何の用?』
    「猫耳のやつの解毒剤ちょうだい」
    『またサリーくんに使って怒られたノ?』
    「いや、今回はス〜ちゃんに使ったんだよねぇ。俺特製のショタ化シロップも混ぜたの。それで月ぴ〜とセッちゃんとまーくんに怒られちゃった。」
    『バカなノ?まァそれを渡したボクも共犯ってところカ。そのショタ化シロップが気になるところダケド、今すぐモジャ公に解毒剤送らせるから待ってテ。』
    3分もしないうちに青葉がやってきた。
    こういう時同じマンションに(以下略)

    「すみません!!うちの夏目くんがご迷惑をおかけして!!」
    青葉はスライディング土下座で衣更の隣に来て謝ってきた。
    「アンタが1番の(以下略)」
    さっきと似たような流れの会話を繰り広げ、青葉が持ってきた瓶をれおくんに手渡す。
    視界の端にはお互いの苦労を労う青葉と衣更の姿。
    「スオ〜。これ飲んで。」
    れおくんがかさくんを抱きかかえ、口に瓶を持っていく。かさくんが「やです。」と抵抗するものだかられおくんは口移しで飲ませた。しばらくするとポンッと猫耳としっぽが消えた。
    「猫耳問題は解決したってとこか。あとは…。」
    「みんな、あとは月ぴ〜に任せるところだから帰ろ。」
    くまくんがよいしょっと起きあがって玄関に向かう。衣更と青葉も立ち上がってそれに続く。
    「治った姿送ってきてよねぇ。」
    俺も服を整えて家を出る。
    「セナ!ありがとうな!」
    れおくんはそう言って扉の鍵をかけた。

    その後、くまくんを衣更に捕まえさせて、青葉の家で逆先と共に正座をさせ、説教した。
    2時間ほど正座のまま反省文を書かせ、2人が音を上げ始めた頃、俺のスマホが鳴った。
    「泉さん、おはよう。」
    「おはようゆうくん♪どうかした?」
    「ううん。目が覚めたら泉さんいなくて、寂しかったから……。お邪魔だったらごめんね。」
    「全然邪魔じゃないよぉ〜。用事は済んでるし、今すぐ帰るからね!」
    「本当…待ってるね。」
    俺は超特急で青葉の家を出て俺たちの愛の巣へ帰った。
    こういう時(以下略)

    side.L
    朝からスオ〜の猫耳+ショタ化の対応と仕事で睡眠が取れていなかったこともあって、元に戻ってそのまま寝たスオ〜をベッドに寝かせ、おれもその隣で眠った。
    目が覚めたのはお昼過ぎで、隣にスオ〜の姿はなく、キッチンからカタカタという音とおいしそうな香りが漂ってきていた。
    「スオ〜、身体大丈夫?」
    リビングに入ってキッチンに立つスオ〜にそう声を掛けると、手を止めてこっちにぺたぺたと歩いてきて、抱きついてきた。
    「ス、スオ〜??」
    「ご迷惑をおかけしてすみませんでした。凛月先輩のお菓子を警戒せず食べてしまって……。」
    「まぁまぁ、リッツのお菓子は見た目はアレだけど匂いも味も美味しそうだもんな。」
    「先輩方にもご迷惑を……。」
    「いーのいーの。セナを巻き込んじゃったのはおれだし、結果的に元に戻れたんだから無問題!」
    よしよしと頭を撫でてやればスオ〜は気持ちよさそうに目を細める。
    「あの、Lunchの後…。」
    「ん?どうした?」
    撫でていた手を離すとスオ〜目を伏せてもじもじとしだした。
    「朝のお礼に、御奉仕させていただけませんか?」
    「え、それって。」
    脳内でファンファーレが鳴り響く。
    「沢山、イチャイチャしましょう。」
    「……!!うん!いっぱいシような!!」
    こういうのって雨降って地固まるだっけ、それとも棚からぼたもち??なんでもいいや!!久しぶりのスオ〜からの誘いにウキウキしながらお昼のサンドイッチを頬張った。
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    「うん。いい香りだねぇ。味も悪くなさそう。」
    見た目は独特だが、味は問題ないはず。残念ながら諸事情で味見は出来ないが…。
    「あの魔法使いから貰ったシロップと俺の作ったシロップが入ったお菓子。果たしてどうなるかな。」
    凛月は紅い瞳を光らせ、にんまりと笑った。

    「セナ!助けて!!スオ〜が猫になっちゃった!!」
    「は?」
    れおくんからそんな訳の分からない電話が来たのは早朝。ゆうくんを抱きしめて幸せな気分で寝ていたというのに、その時間をぶち壊された俺は当然怒ったわけで。
    「朝っぱらから変な電話掛けてこないで!!」
    電話先で喚く声を無視して通話をぶった切り、再び寝ようと布団に潜った時、ホールハンズの通知が鳴る。れおくんからだろうと無視しようかと思ったが、一応確認しておこうと開くと、そこには猫耳としっぽが生えて、見た目も幼くなったかさくんの写真が送られてきていた。
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