猫の日騒動チーンとオーブンが鳴り、扉を開けば漂っていた香ばしい匂いが強くなる。
「うん。いい香りだねぇ。味も悪くなさそう。」
見た目は独特だが、味は問題ないはず。残念ながら諸事情で味見は出来ないが…。
「あの魔法使いから貰ったシロップと俺の作ったシロップが入ったお菓子。果たしてどうなるかな。」
凛月は紅い瞳を光らせ、にんまりと笑った。
「セナ!助けて!!スオ〜が猫になっちゃった!!」
「は?」
れおくんからそんな訳の分からない電話が来たのは早朝。ゆうくんを抱きしめて幸せな気分で寝ていたというのに、その時間をぶち壊された俺は当然怒ったわけで。
「朝っぱらから変な電話掛けてこないで!!」
電話先で喚く声を無視して通話をぶった切り、再び寝ようと布団に潜った時、ホールハンズの通知が鳴る。れおくんからだろうと無視しようかと思ったが、一応確認しておこうと開くと、そこには猫耳としっぽが生えて、見た目も幼くなったかさくんの写真が送られてきていた。
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