Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    たなかんぼ

    @tanny_unt
    劣情なげすて処

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 116

    たなかんぼ

    ☆quiet follow

    クリテメオレンジデー(🐍視点)

    こひつじくんはかわいい!【バレンタイン】
    テメノスさんはかわいい!【ホワイトデー】
    の既刊二冊をお読みいただいてるとより楽しめるかもしれません。そのままでも巻き添えソローネさんが見れます。

    #クリテメ
    critémé

    はいはい、かわいいかわいい。~~とある女盗賊のぼやき~~




    恋人同士が何かを贈り合うのに理由なんか要らない。けど、まだ顔見知りや友人なら。きっかけにはなると思うんだ。

    「けどさ、流石にちょっとは周りを気にしなよ」
    この迷惑千万バカップルは、本当にあのお堅い新人騎士くんと疑り深い審問官なのか。
    「すみません、この人がどうしてもここが良いというものですから」
    「ええ、子羊くんの言う通り。私はここで君と過ごしたいんです」
    ……もちろん私だって馬に蹴られたくはないし、いつもなら付き合ってらんないんだけど。
    この二人が公衆の面前だろうとかまわず熱い抱擁と接吻をした後で近くの高級宿に消える、なんて噂をあらゆる伝手から聴いちゃったら……本人たちに伝えるくらいはした方がいいと思って。

    ふー……やめとけば良かった。
    人目も憚らず、馬鹿みたいな花束を抱えた子羊クンと一目見ただけで誰もが高級品だとわかる誂えの剣を携えた審問官……こんな白昼堂々聖火神のお膝元でプレゼント交換をしようなんて、あんたらの宗教ってそんなに寛容なの?どう見ても恋人に贈る品なんだって。

    「テメノスさん…っ これ、貴方のことを想って種から育てました。一本一本丁寧に棘も落としたんです。貴方に傷一つ付けたくなくて…あっ、本数はちゃんと数えてますよ!もう前みたいな失敗はしませんから…!」
    「素敵な花束ですね…いったいどんな意味が込められているのかな?実はね、私も君に似合いそうな剣を見つけてしまったんです。とある異端が大事に抱えていましたが、ちょっと審問したら親切に渡してくれたんです。だから、これは君に…♡」

    重い。デルスタ丼の百倍ブーストって感じ。
    何?その花、種から育てたの。難しい品種じゃん。
    剣を……審問で?神官ってなんだっけ。

    「……結婚してください、テメノスさん」
    「もちろんですよ。ずっとその言葉を待っていました」
    「ねえ、あんたら付き合って何年?」
    「「二ヶ月です」」



    ……帰ろうかな。
    式があるなら行くけど、その代わりお酒を樽いっぱいに用意しといて。


    END
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ☺☺💖💖💖💞💞💖☺
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works

    kuriteme_tobe

    DONE折角だからイベント的な話をと思い、「お菓子をくれなきゃ悪戯しちゃう」を言わせたくて書いたはずなのに、🐏が👁️を大好きな話になってしまいました……。ふんわりED後みたいな世界ですが、息をするようにifです。ハロウィンは噛み砕いて違和感ないくらいに落とし込んだ(多分)他、細かいことを好き勝手に設定しています。付き合っている二人。
    Happy Halloween 年に何回か行われる、ストームヘイル周辺の魔物狩り。去年はあたたかい時期が長く、木の実や小動物の生育が例年より活発だった。お陰でそれを餌にする魔物たちが爆発的に増え、二週間強で終わるはずが二月近くかかる事態になっている。生態系のバランスが崩れれば、この地の種の存族も危ぶまれるし、旅人の命も脅かされかねない。夏の終わりより始まった討伐が完了した頃には、頬を撫でる風に冬の気配を感じるようになっていた。
     順調に事が進んだのなら、山の裾野まで広がる赤、黄、橙といった色が鮮やかに交じり合う様を、恋人と一緒に楽しみたかった。弁当を用意して山道を歩くのもいいだろう。忙しい人だ。料理をする姿はあまり想像つかないから、僕が準備したっていい。獣肉にスパイスと小麦粉をまぶして揚げ、溶いた鶏卵には調理料を混ぜて焼く。頑張って作った料理に、すらりとした指が絡んだフォークを彼が突き立て、僕の口へ運んでくれるのだ。想像すれば幸せなぬくもりで胸が満ちるが、今年は叶うことのない願望である。この地の冬は早い。風が冷たさを孕み始めれば、あっという間に凍える季節が到来する。二人の予定を合わせて自然を満喫するなど不可能に近い。下手をすれば、真っ白な世界に囚われて遭難しかねなかった。
    3504