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    teasぱんだ

    @nice1923joker

    紅茶とパンダが好き。
    好きなものを好きな時に好きなだけ。
    原ネ申アルカヴェ沼に落ちました。
    APH非公式二次創作アカウント。
    この世に存在する全てのものと関係ありません。
    䊔 固定ハピエン厨
    小説・イラスト初心者です。

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    teasぱんだ

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    🌱🏛11/27ワンドロ【酔っ払い】
    全年齢。ディープは全年齢…?

    #アルカヴェ
    haikaveh
    #ワンドロ

    ワンドロ【酔っぱらい】 唇と唇が触れる。
     濡れた唇は熱を帯びていて、はぁ、と吐き出された吐息からも酒の匂いがする。触れたところも同じ香りがして、もう一度粘膜を押し付ける。閉じられていた谷間に舌先を差し入れると、酒が回ったように脳の中枢をじわりと痺れさせた。
    「……ん、んむ」
     口内に入り込んだ舌先に自分のそれを絡ませて、カーヴェが溢れる唾液をこくりと
    飲み込む。いつの間にか閉じた瞳は長いまつ毛を震わせていて、アルハイゼンの腕の下から背中に回した両腕は、そっと抱き寄せてくる。
    (……ん?)
     うっすら瞼を上げたアルハイゼンは気づかれないようにカーヴェの顔を伺う。
     最初に舌先を差し入れたのはアルハイゼンだが、既に主導権はカーヴェが握っていた。ちゅうちゅうと先を吸われて、ざらりとした舌で裏側を撫でられる。その刺激にアルハイゼンの背筋に痺れが走って、動揺が気づかれないようにそっと顔を離した。
    「アルハイゼン…?」
     身体を離したことを不思議がるように見上げるカーヴェに、アルハイゼンは何も言い返せない。
     固まったままでいると、ふ、と目の前のカーヴェが笑った。
    「なんだ? 足りなかったんだろう」
     今まで見たこともない顔で笑うカーヴェに、アルハイゼンは何か夢でも見せられているのかと思う。
     酒屋にいた時はいつものように売り言葉に買い言葉。揚げ足を取っては自論を並べ、引用を述べては論破を繰り返す。元々現実主義者と理想主義者なのだから、議論は平行線を辿るばかりだ。
     そんなことは重々承知の上で、この問題だらけの先輩をアルハイゼンは好いていた。
    (……酔っているのか?)
     目の前で微笑むカーヴェはいつも酔っている時と変わらないように見える。
     自分の性格も相まって進まない関係に一石を投じようと、今日のアルハイゼンはほぼ素面のまま、酒場から同居している家まで帰ってきた。
     今日は元から薄い酒にしてくれるよう酒場に手を回しておき、酔ったふりでカーヴェとの距離を縮めようと思っていたのに。
    「ちゅ」
     腕を引かれると、唇に軽いキスを落とされた。
     それが信じられなくてアルハイゼンはもう一度固まる。
     こんなカーヴェ、見たことがない。なぜ躊躇もなくキスをしている? 最近は自分以外と潰れるまで飲むところは見ていない。確かにアルハイゼンよりもカーヴェの方が酒に強いが、表情を見る限り限界まで潰れているわけでもなさそうだ。
    「もう一回。アルハイゼン」
     銅像にでもなったかというくらい表情の動かないアルハイゼンを気にもせず、カーヴェは唇を押し付けてくる。
     油断したアルハイゼンの口内に今度はカーヴェの舌先が入り込んで、ずらした口先と舌で上唇を喰む。ちゅうちゅう吸われて思わず眉を寄せると、謝るように下唇にもキスをされた。
     もう一度唇が合わさってカーヴェの舌がアルハイゼンのものに絡みつく。先端が触れて、滑るように舌の横を舐められて、下の歯列を確かめるようにカーヴェの舌が器用に動く。やられっぱなしは癪で、アルハイゼンは好き勝手動く舌先を上下の歯で軽く挟んで吸い上げた。
    「ん、んっ……」
     舌先を完全に捉えられたカーヴェの腰が跳ねて、崩れるようにアルハイゼンへもたれかかる。そのまま抱き止めて、静止するように上げられた手首を掴むと腰を支えながら押し倒した。
     ソファーにカーヴェの上半身を押し付けてもう一度舌先を絡ませる。カーヴェの自由な方の手のひらがアルハイゼンの喉をするりと撫でて、それに驚くと同時に舌先を吸われた。興奮して溢れた唾液がまた彼の喉を通過したのがわかる。
    「んぅ……は、はぁ」
     頭の中が沸騰しそうで、アルハイゼンはもう一度カーヴェを見る。
    (どうして抵抗しない?)
     二人はこんなことをする関係では無かったはずだし、したこともないはずだった。先ほどから与えられる刺激に下半身は窮屈そうに布地を押し上げていて、知られないようソファーに足をのせ腰を上げる。カーヴェも同じように勃っているのかは確かめられなかった。
     目の前の光景は自分の妄想なのか、それとも酒に酔ったカーヴェはこんなことを許しているのか。自分以外にも? 酔った時にはよくあることだと? 覚えていないから知らないのか?
     いや、アルハイゼンの知る限り、カーヴェは酒の記憶は飛ばさないはずだった。どれだけやらかしていても、翌朝植木の中に突っ込んでいても、どこで飲んでいて誰と喧嘩になったのかを覚えているやつだ。
     覚えていても男とキスをするのを許しているのかと思うと、ぼんやりしていた脳内が急激に覚めてくる。多少酒が入っているとはいえ、アルハイゼンは正気のままだ。このまま既成事実を作ってやろうかとも思ったが、他の男と同列に並べられるわけにはいかない。
    (今は酔ったふりをしているが、明日問いただすか)
     いや、そうしたら記憶があることが知られてしまう。じゃあどうして昨日キスしたのかと聞かれると、正直に言わなければいけない。
     ゆるく舌先を絡ませながら考えていたアルハイゼンは、キスをしたままのカーヴェが赤い目を向けてじっと顔を見ていることに気づいていなかった。一瞬離れた口先に、カーヴェの指先が挟まる。
     ふに、と固い指先の感触がして、アルハイゼンは弾かれたように目を開けた。
    「君、酔っていないだろう」
     先ほどとは違う低い声に、アルハイゼンは驚いて瞳を丸くする。
     咄嗟に言葉がでなかったのが肯定しているようなものだ。カーヴェは唇に触れていた指を人差し指から親指に変えて、口紅を塗るようにアルハイゼンの濡れた口先を撫でた。
    「やっぱりな…いや、悪くない演技だったけど」
     何かを諦めたように笑うカーヴェは、上から見下ろしているアルハイゼンをじっと見つめる。
    「それで? どうだ? 気持ち悪いか?」
     気持ち悪いかと聞きながら傷ついたように眉を寄せるカーヴェの意図がわからず、アルハイゼンは口を開いた。
    「………君は、どうして俺とキスをする」
    「えぇ?」
     意を決して聞いた言葉に、鳩が豆鉄砲を食らったように驚くカーヴェ。コロコロ変わる表情に掴みどころがなくて今度はアルハイゼンが眉を寄せる番だった。
    「誰とでもするのか」
     まだ掴んだままだった手首に力がこもり、カーヴェが痛いと騒ぐ。手を放して身体を起こせば、それにつられるようにカーヴェも倒していた上半身を起こした。狭いソファーに並ぶ男二人。さっきまで口づけしあっていたとは誰も思わないだろう。
    「ちょ、っと待てアルハイゼン。きみ……」
    「なんだ」
    (怒っているのは俺の方だぞ)
     関係ないと言われればそれまでだが、それでも許容しきれないものはある。誰にでも許しているのか。酒ぐせが悪いとは知っていたが、記憶があってもそれをよしとしているのか。
     眉を寄せたまま憤怒の表情を崩さないアルハイゼンに、カーヴェはしばしその顔を見つめて、今度は笑い出した。
    「は、はははははっ。ちょっとまってくれ、きみ……本当に?」
     遠慮もなく腹を抱えて笑うカーヴェに苛立ちが募って、アルハイゼンはもう一度問いただした。
    「なにが言いたいんだ」
     まだ肩を震わせながらカーヴェがこちらを向く。
    「なるほど…とうとうバレちゃったか。僕………実は恋人がいるんだ」
     場に不釣り合いな笑顔と告白にアルハイゼンの動きが止まる。恋人。カーヴェに、恋人がいる…のに、先ほどまで俺と彼は何をしていた?
    「どういう………」
     アルハイゼンのかすれた声に被さるように、カーヴェは心底楽しそうにこう宣言した。

    「酔っ払った時だけ恋人になってくれる、アルハイゼンっていう、同居人の後輩で、秘密の恋び、と…」
     言い終える前に塞いだ唇に、カーヴェの笑い声が伝わった。

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