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    鍵子@GS4プレイ中

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    全年齢対象はパスなし、
    ネタバレはパスワード設定、
    エロはR-18🔞、
    変態プレイものはリスト限定です。
    リスインご希望の方は、TwitterリプもしくはDM下さいませ。
    反応いただくと喜びます。

    ■現在の取り扱い■ 
    風真玲太、七ツ森実、氷室一紀、御影小次郎

    ↓溜まってきたので時系列順に並べてみます。↓

    ●御影小次郎:「恋と呼ぶにはまだ全然早い。」「恋と呼ぶにはまだ早い」「恋と呼ぶにはまだちょっと早い」「初恋」「🔞初恋~その後~」「🔞初恋~another side~」←初恋三部作w 「あと100回のバレンタイン」「🔞裏・あと100回のバレンタイン」
    「🔞腕(かいな)の中で」「🔞電車に乗って、あなたのもとへ」「🔞約束の明日」「🔞Darlingーかわいい人ー」「🔞精進せよ?」「ランチパック」「前日譚」「犬も食わないってヤツ」

    ●風真玲太:「作戦×作戦=?」「平常運転」「玲太くんの宝物」「Valentine's Day」「WHITE DAY」「Candy so sweet」「🔞幸せ対決」

    ●七ツ森実:「クロスオーバー」「マツツモリのナナツモリ」「会いたい気持ち」「🔞恋人同士のお遊びにタブーなんてない、よね?」「会いたい気持ち─again─」

    ●氷室一紀:「🔞警告」「葛藤」 

    ●風真玲太(別version):「願いではない想い」「⚠️敵わないヤツ」
    ●氷室一紀(別version):「馬鹿で可愛い僕の先輩」「馬鹿で可愛い僕の彼女」
    ●御影小次郎(別version):「ウソから出た……。」「教師御影小次郎」「(リス限)Relationship」←🆕「あなたの名字になるわたし」「さよなら先生」
    ●AI御影小次郎(AI version):「AI御影小次郎の独白」
    ●全キャラでドラクエパロ:「目が覚めたらそこは異世界で同級生達と一緒に魔王討伐の旅をすることになりました。(1)~(3)」←🆕 ※以下続きます

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    鍵子@GS4プレイ中

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    いのマリ 拙作「馬鹿で可愛い僕の先輩」の続きのお話です。正規ルート(私の中で)の、いのマリとは別物なので、主人公の名前は、織田茉莉(オダマリ) 
    一紀が大学二年生冬→春になる辺り、もうすぐ三年生

    #ときめきメモリアルGS4
    tokimekiMemorialGs4
    #いのマリ
    #氷室一紀
    kazukiHimuro

    馬鹿で可愛い僕の彼女 馬鹿な先輩が僕の彼女になってから二ヶ月
     普通の先輩と後輩から、彼女と彼氏になっても、別に何も変わらない。

     相変わらずバイト先アンネリーには一緒に行くし、帰りは一緒に帰る。
     何度も何度もデートをしたし、バイトのあとも、デートのあとも、部屋に送っていく。

     「送ってくれてありがとう」で別れる日もあるし、
     「お茶飲んでいく?」と言われて一緒にお茶を飲んだりもする。

     「恥ずかしいからバレちゃうまではみんなに内緒にしててもいい?」

     茉莉は馬鹿だ。
     僕の気も知らないで。
     僕は世界中にだって言いたい。
     僕のだって。そうじゃないと…。

     「今日汗かいたからDVD観る前にシャワーだけ浴びてきてもいい?」
     馬鹿なの? 僕の気も知らないで。
     さんざん煽って、振り回して。
     僕がどんな気持ちになるかなんてまったく分かっていない。

     「腕が疲れすぎてて重くてツラーい、イノリ、ドライヤーやってー」
     馬鹿なの? 僕の気も知らないで。
     シャンプーの香りほんのりピンクに染まった肌
     濡れた髪が僕の手の中でサラサラになっていく。
     気持ち良さそうに目を閉じる。
     
     「ふわぁ、眠くなっちゃった…イノリ帰る時、鍵かけて、郵便受けからポンってしてってね」
     馬鹿なの? 僕の気も知らないで。
     僕の前で無防備に眠ったりして
     僕がどんな風に、
     どんなよこしまな目で見ているのかなんて、
     想像もしてないんだろう。

     手を伸ばせば、いつでも触れられるのに、
     力ずくならどうにでも出来るのに。

     もどかしい気持ちのまま、今夜も郵便受けから鍵を落とす。

     □ □ □

     バイト先アンネリーの店長が仕事を辞める、…じゃない、休むことになった、1年か2年か3年…

     復職する頃にはきっと茉莉も僕もバイトは辞めてしまっているだろう。
     
     それは、オーナーご主人から告げられた。
     「送別会、壮行会かな、なるべくみんな来てやってよ、うちの奥さん店長お酒なしでも盛り上がれるタイプだからさ、ツワリもあんまりないみたいだし」

     金曜日の夜、壮行会だなんて言っているけど、多分普通に飲み…会に誘われた。
     オーナーも店長も二人とも、それから、茉莉も他のバイトのヤツらも全員酒癖が悪い。
     僕はバイト先アンネリーの飲み会のノリが苦手だ。

     だけど……。

     「うわぁ、おめでとうございます。バイトに来ても店長がいないの寂しいけど、おめでたいことですもんね、もちろんわたしもイノリも壮行会出席します、えっと、なにかプレゼントさせて貰ってもいいですか?」

     □ □ □

     飲み会の日、僕たちは午前中からショッピングモールを行ったり来たり。
     茉莉と一緒に柔らかな色合いのベビー服を選んで、ラッピングのシールやリボンも選ぶ。

     「男の子か、女の子か分かんないもんね~、無難に白…それとも淡い黄色とか…ねぇ、どっちがいいと思う?」
     服もシールもリボンも大騒ぎだ。

     ホント、馬鹿
     馬鹿で、とても可愛い

     「赤ちゃん楽しみだねぇ、写真見せて貰いたいよね、もし店長が落ち着いたら遊びにも行ってみたいなぁ、ちょっと遠いけど…イノリ連れていってくれる?」
     上目遣いで僕を覗き込む。

     ホント、ズルい
     ズルくて、すごく可愛い

     「行きたいならどこでも運転するけど」
     「やったぁ、イノリ大好き」
     「大好き、って、そんな軽々しく」
     「だって大好きだもん」
     僕の腕に手を滑り込ませる。

     腕を組むのは初めてじゃない。
     茉莉はいつも僕の腕にしがみつくみたいにする。

     ただ、……当たる。
     その度に、どうしようもない気持ちになる。

     茉莉は気付いているのか、いないのか。
     馬鹿だから、きっと気付いていない。

     「ねぇ、もし私たちに子供が出来たら、イノリは男の子と女の子、どっちがいい?」
     「ぶっ、げっほ、ごっ、…ちょ、なに言ってるの、こ、子供って、意味分か…」

     馬鹿だから、きっと何も考えていないんだ。
     子供を作るっていうのは…
     もちろんまだまだ先の話だけど
     子供ってコウノトリとかキャベツ畑の話じゃないのに。

     「もー、ちゃんと分かってるよ、もしって言ってるじゃん、将来だよ、ずっと先の未来の話。それともイノリは、わたしとのこと遊びなの?」
     「ばっ、なっ、あっ、そびって、そんなはずないでしょ」
     自分でも思ってもいない強い口調になった。
     大きい声を出してしまった事を謝ろうとしたのに、えへへと笑って、さっきまでよりもっとぎゅっとしがみついてきた。
     当たる…当たってる…。

     もう…限界だから、止めて欲しい
     いや、止めて欲しくない
     でも、止めて欲しい…。
     今は、ここでは、……困る。

     □ □ □

     「二人とも遅いっ、茉莉ちゃん、こっちこっち、ここに座って」

     僕がキライな飲み会に毎回参加する理由、
     茉莉だけを参加させたくない理由が大きな声を張り上げる。

     「はぁ…常識考えて。そっちの席が上座だし、オーナーと店長を下座に座らせるって、どういう神経…」
     「氷室君、いいのいいの。今日は俺たちがホスト役だから、君たちが、奥に座って、ね?」

     オーナーはあんな顔をしているのに、わりと繊細で、バイト同士の小さないさかいにすぐ気が付いて、さりげなくフォローを入れる。

     反対に店長は神経質そうに見えて、わりと豪胆だ。バイトが発注を間違えて桁違いの入荷があっても、慌てないし、いつも笑っている。

     本当は花屋みたいなナマモノを扱う店で発注ミスなんて絶対合ってはいけないことのはずなのに。
     発注ミスをした女の子はあの日真っ青な顔で震えていた。

     「そーだなー、うーん、小さいブーケにしよう、300円とか500円位の。ちょっと気軽に買える感じの。それで、茉莉ちゃんと氷室くん、うちのキレイドコロ代表二人で店頭でさばいてくれる?」

     僕はともかく、
     茉莉が声をかければ、みんな足を止める。
     じゃあ、一つ
     私も一つ、と結局夕方になる前に発注ミスは取り消しになり、更に驚いたことにその日はシーズンで一番の売り上げを叩き出した。

     「まぁ、薄利多売だから利益率は低いんだけどね~でも赤字にならなかったのはみんなのおかげだよ」と言いながら、缶コーヒーを奢ってくれた。

     僕はこの夫婦が好きだ。
     飲んでいる時は果てしなくうっとしいからキライだけれど。

     ・ ・ ・

     その軽薄な男の左隣に茉莉が座ったので、仕方なく僕はその隣に座る。
     ここに座ってと言われたからって馬鹿正直に座るとか、ホント、バカ──。

     「はいはーい、まずは乾杯しよー。ビールの人ー? わたしはウーロン茶だけど気にしないで飲んでねー」
     店長の言葉に僕以外の全員が手を上げる。

     「ジンジャーエールで」
     軽く手を上げた僕に
     「えー、氷室君、ノンアルなのー? もしかして下戸?」
     茉莉を挟んで身を乗り出す。

     「普通に、帰りクルマなんで。茉莉センパイ送らなきゃないし、この人、酒癖悪いんで」
     「ちょ、イノリ!別にわたし悪くないよ、酒癖…少ししか」
     勢い良く否定したけど、最後口の中でごもごもするのは、何度かの失態を思い出しているんだろう。

     「氷室くん毎回茉莉ちゃん送っていくもんね、飲み会だけじゃなく、バイトの時も送ってるよね」
     「えー、なに、もしかして二人付き合ってるー?」
     ほら来た、さりげないふりで探り入れてる。
     茉莉に特定の彼氏がいるかどうか、色んな言葉で何度も探っていたのを知っている。

     「休みの日は何してる?」
     「水族館って誰と行ったの?」
     「話題の映画のチケットがあるんだけど」
     その度に馬鹿で鈍感な茉莉に躱されているのに。

     僕は机の下で茉莉の手を握る。

     「…っ!」
     チラッとこちらを見て赤くなる。

     「付き合ってないですよ、ただ僕が高校生の頃からずっと茉莉センパイに片想いしてるってだけ」
     「や~ん、やっぱり~?そうじゃないかって、そうじゃないかって、うちで二人で話してたのよ~、え、高校生の頃からずっとって、うちにバイトに来てくれてもう何年?…わ~、長い片想いだね~、もうね、私たち断然応援しちゃうから、ささ、飲んで飲んで」

     茉莉の手をきゅっと握る。
     僕を小さく睨む。
     バレるまで内緒にって言ったのは茉莉だし、僕の気持ちまで内緒にするなんて約束はしていない。

     「ね、茉莉ちゃんは? 氷室くん、どうなの? 脈ない感じ?」
     店長の質問に、茉莉の右隣が身を乗り出す。

     「わた、わた、わたしは…その…」
     茉莉の手をきゅっと握る。

     気の毒なくらい真っ赤になってる。
     可愛い、馬鹿だけどすごく可愛い。

     茉莉の白い喉が上下して、ビールを勢い良く流し込む。
     「あ、あーあー、織田さん一気にそんな、ツマミも食べずにそんな飲み方して」
     心配そうにするオーナーに返事をしているふりで、茉莉の右隣の男を牽制する。
     「大丈夫ですよ、僕がいるんで。茉莉センパイ酔っ払う前に、最初に鍵だけ預かっておくから。カバンのいつものとこ?」

     分かりやすい僕のもの宣言マウント

     中ジョッキをあおっただけで、まぶたがトロンと落ちてきそうな茉莉を身体毎引き寄せる。

     我ながら性格歪んでるなって思う。

     茉莉の右隣の男は完全に戦意喪失、他の女の子にちょっかいをかけ始めた。

     「驚いた、氷室君もそういうことマウントするんだね」
     「ええ、まあ、こっちも必死なんで」
     「い~ね、若人!応援するよ」
     ウーロン茶しか飲んでいないはずなのに果てしなくうっとしい…

     「織田さんも氷室君が好きなんだとは思うんだよ、二人すごくいい感じだし」
     「う~ん、氷室くんに足りないのは、押しかな、押し、それがあれば茉莉ちゃんもきっと」
     「そうだね、さすがママ、良いこと言う!」
     この夫婦果てしなく…うっとしい…
     もう帰ってもいいかな…

     「茉莉ちゃんの部屋に入ったりしてるんだよね?」
     「ええ、まあ」
     どうして僕はこの二人にこんなことまで話しているんだろう。

     「氷室君いっそさー、送り狼、なっちゃえば?」
     「なっ、最低じゃないですか、そんなの、男として。いくら酔っ払ってるからって」

     「いやいやいやいや~若人よ、若いね、若いよ、女の子側だって、意外と待ってるものだよ~好きな彼がガッと来てくれるのを、そんなアピールを茉莉ちゃんから感じることはないの? 氷室くんにだけ甘えてくるとか」
     「うんうん、そうだね、ママも付き合い始める前、『先にシャワー浴びてくる』とか必死にサイン出してくれてたもんね」
     「ちょ、私たちの話はいいから」

     アピール…? サイン…?

     「ドライヤーで髪乾かして欲しい…とか? 眠るまで一緒にいて欲しい…とか?」
     茉莉の言葉の欠片を拾い集めていく。

     「うわっすごい、おじさんきゅんきゅんしちゃう、そんなの超絶分かりやすいアピールだよね?」
     「え、まさか、茉莉ちゃんにそこまで言わせて、何にもしてないの?」
     「ないな、ないない」
     「ないわ~、ないない」

     もしかして、馬鹿なのは茉莉じゃなくて…
     
     僕は茉莉がどんな風に考えているのか想像もしていなかった。

     ──ホント、バカ

     「オーナー、店長、今日もう帰ってもいいですか? あ、これプレゼントです、二人で選びました。赤ちゃんが生まれたら、会いに行きたいって、茉莉センパイが。僕が運転していくので遊びに行ってもいいですか?」
     
     揃って親指を立てる二人
     あー、ホント果てしなくうっとしいから
     この夫婦が好きだ。

     「店長すみません、茉莉センパイおぶって帰るんで、僕のシャツ巻いてやって貰えますか?」
     「もちろん、見えちゃったら困るもんね~」
     茉莉を背負い、シャツを巻いてもらい、カバンを持つ。
     
     「う…、ん…イノリ…大好き…だーい好き…」

     ちょうど静かになった瞬間、その声はわりとはっきり部屋中に響いた。

     「なんだよ、やっぱ二人付き合ってるんじゃん」
     バレるまで内緒に…もうバレたしいいか。

     「悪い?」
     「や、悪くねーけど」
     「あっそ、んじゃ」

     彼に背中を向けたあと、
     ニヤニヤ笑うオーナーと目が合う。
     
     「イノリ大好きだって、うふふ~」
     からかうような店長の声

     きっと今、僕の顔は真っ赤だ。
     握り締めた右手の甲で顔を隠す。
     左手は離せないけど。
     
     駐車場にクルマを停めている時に目を覚ました茉莉はほんの少しだけ事の顛末を覚えていると言った。

     そして
     「お茶飲んでいく?」と。
     注意深く聞けば、その声は震えていた。

     僕は、馬鹿だ。
     馬鹿で、短慮で情けない。
     馬鹿な僕は彼女の耳元で囁く。
     「送り狼に、なってもいい?」
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