目を覚ますと見慣れない部屋に居た。
俺の部屋でも、見慣れた七ツ森の部屋でもなく。
病室のような真っ白な部屋の真ん中に大きなベッドが一つ。
ダブルサイズ…いやクィーンサイズか?ベッドだけあるとイマイチ大きさの尺度がわからない。
「…あ」
ベッドに注視したところでそのベッドに突っ伏している見慣れた人影を見つける。
立ち上がり、近寄って肩をゆする。
眠っていたようで、メガネを外して目をこすってから身体を起こして欠伸をした。
「おはよ、玲太。……ここどこ?」
「さぁ。俺もよくわからない。七ツ森、お前も知らないのか?」
俺の言葉に七ツ森は目をぱちくりさせて俺を見る。
その視線はなんだか訝しげで、なんとなく違和感を感じた。
見た目は俺の恋人である、七ツ森実そのものだ。
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