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    samidare_423

    @samidare_423
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    samidare_423

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    キラではない月が小さいメロとニアのベビーシッターをさせられる話です。未完のまま3~4年は眠ってたので供養。

    月+後継者組 月が竜崎と出会ったのはちょうど二年近く前の事で、その時高校一年だった月はLという圧倒的な存在に引けを取らず、積極的な助言でとある事件を解決に導いた。それ以来その頭脳を買われ時々捜査の手助けを依頼されるようになった。Lを竜崎と呼び、そこそこの信頼関係を築き、彼に直接会って食生活がどうのと説教じみた話を出来る人間などこの世で夜神月ただひとりだろうと――夜神月本人がほぼ確信している。
    そんな彼から昨日呼び出しを食らったのは実に三ヶ月ぶりのことで、驚いたし嬉しかった。電話で済ませられる用らしかったがこの三ヶ月音信不通だったのが気に食わず、竜崎本人に在り処を聞き出してホテルの部屋まで押しかけた。協力関係だけれどそれだけではなく信頼する友人と言ってもいい筈なんだから、たまには会って話したいじゃないか。
    「どうもお久しぶりです、夜神君。」
    「お前もついに抹殺されたのかと思ったよ。」
    笑って言ったが実際そうではないかと心配した日もあったのだ。彼という人間個人がどれだけ不安定で不明確な存在であるかはよく知っている。まあそれ以上に、何処かで野垂れ死ぬような人間でないことも知ってはいるが。
    まあどうぞ、分単位で急ぐ用でもないので。竜崎はそう言って向かいのソファーに座るよう促した。月は糖分が積み上げられたテーブルを挟んでまだ角砂糖の被害に遭っていないティーカップを手に取る。
    「忙しかったんですよ、私も。」
    「そりゃあそうだろうな。」
    「はい……別に長々と愚痴を聞いてもらうつもりも無いんです……イギリスに出向いていたんですよ。先週まで。」
    「へえ。いい所だった?」
    不機嫌そうな顔が何だか愉快で、月はつい皮肉めいた質問をした。いい所だった、なんて観光ならまだしも竜崎がLとして出向いている限りそういう観点で国を評価する事は無いだろう。
    「まあ、行ってみるといいんじゃないですか。夜神君も」
    「地元だったんじゃなかったか?竜崎が案内してくれるなら行ってみたいな」
    「…地元ではありません、というかそうだとしてもそうだとは言いませんけど…まあ見知った土地なので地理はわかりますが、夜神君が喜ぶような場所を知っているかと言われれば微妙ですよ。」
    「そう、まあそれでも楽しそうだ。またいつかね。」
    「またいつか、ですね。」
    本気にしているのかはよくわからないが、全くその気が無いわけでもなさそうだ。月は約束をこじつけたことに可笑しさと満足感を覚える。
    「で、僕を呼んだのは?」
    「はい、実はそのイギリスのとある施設に訪れたんです。少し縁のある場所なので挨拶がてらに、と。そうしたらまあ…面倒なのに絡まれました。」
    「面倒な…?」
    「子供です。」
    「子供?……あ…もしかしてその施設、」
    察したのならあえて言わなくていいです。竜崎はそう言って月の言葉を制した。子供が居る施設、竜崎に縁のある施設、保育園幼稚園孤児院――もしや竜崎の育ちは本当にイギリスか?と、そこまで考えが回ったのだが、そこは曖昧にしておきたいのだろう。
    「別に夜神君を信頼しないわけでは無いので話してもいいですが、その話になると少し面倒なので省略します。」
    あと何年その話は省略されるのか…と思ったが別に肩を揺すって今すぐ話せと言いたいくらい気になるわけでもない。話す気が少しでもあるようならきっかけさえあれば漏らしてくれそうだ。
    「で、その子供が私を追って明朝日本に到着します。」
    「…は?」
    「余程私が好きなのか知れませんが追いかけられているんです。連れ戻すように向こうの者に言っているんですが、あっちの都合で迎えが二日後になるらしく…一晩日本に滞在させなければならないんです。」
    話が見えてきた。「まさかその子供は一人でこっちに来たのか?」だとしたらとんでもない。
    「いえ、二人です。九歳と七歳の二人組です。」
    「…子供だけで来たってことだな。」
    「民間の航空機を利用するのは危険な橋だと本人達も踏んだのでしょう…操縦士を勝手に雇ってLの私用ジェットで来てます。よって施設の大人も直ぐに後を追うことが出来ない。ジェットは私が昨日乗って帰ってきたものと彼らが操縦士を脅迫して日本に向かわせたものとの二機しかイギリスには置いていなかったんですよ。全く厄介なことをします。」
    「随分賢いんだな、それで九歳だって?」
    「そこらの九歳では無いですからね。」
    「余程竜崎が好きなんだな。」
    竜崎はテーブルに向けて顰めていた視線をふと戻し月と目を合わせた。さっき自分で好かれていると言っておいてどうして驚くのか。
    「……そうなんでしょうかね…」
    「そうでなきゃ普通そこまでやらないよ。」
    「…子供はよくわからない……」
    「お前の弱点は子供か、覚えておくよ。それで?」
    「夜神君には明日一日だけ彼らの面倒を見て欲しいと思いまして」
    …そう来ると思った。確かにそんな子供二人組を一般の保育士に任せるのは難しそうだ。
    「指定したホテルに明日の朝七時に出向いてもらえますか?時給なら出しますけど」
    「いいよお金なんて…にしても断る余地が全く無いな」
    「まあ、夜神君以外には頼めないので。」
    「…わかったよ、七時だな?」
    「よろしくお願いします。」

    ――と、まあこういう訳で。
    月は翌日言われた通りに指定のホテルへ向かった。都心部から少し外れた場所にあって、海が見える位置に陣取る最上階スイート。手元のメモ帳の切れ端と部屋番号を照らし合わせ呼び鈴を押した。
    内開きのドアが少し荒っぽい速度で開かれ、そこに立っていた金髪の子どもは月を敵だとでも言うような目線で見上げている。
    「おはよう、はじめまして。」
    人懐っこい妹とは似つかないその視線にも似たような可愛げと言うものを見出せる。月はそう思ってあたたかく微笑んだ。
    「…お前がヤガミライトか」
    「そうだよ」
    それだけの会話が交わされた後、小さい彼は金髪を揺らし月を招き入れた。部屋に入ると大きな窓から見える海に大きなダブルベッドがひとつ。テレビや冷蔵庫、そしてバスルームまでもが月が知るホテルにあるべきそれらのサイズを上回っている。贅沢な部屋だ。
    「もう一人、居るって聞いているんだけど、」
    「ニアなら向こう」
    「向こう?」
    向こうと言っても。彼の視線の先にはベッドしかないじゃないか、そう思って、何だか好奇心をくすぐられるこの応酬に月はこっそり心を躍らせながらベッドへ近付いた。
    死角に潜んでいた白い頭がひょっこりと浮いた。それから目だけを、真っ黒な目だけを月と合わせるとまた沈んでしまい見えなくなる。
    「愛想悪いだろ、そいつ。」
    「ニアって言ったね。君はニアだね。」
    「そう。」
    金髪の彼は月の後ろから恨めしそうにニアを睨んだ。罵る割には放っておけないようだから、この子が年上なんだろうと察する。
    「それで、君は?」
    「…メロ」
    「…メロ。二人とも、今日一日宜しく。」
    メロはどこか気に入らないと言った表情のまま頷き、ニアは反応を見せない。そんな態度はむしろ素直で子供っぽく月には思えるのだ。竜崎―Lにあれ程渋い顔をさせた彼らとどんな時間が過ごせるのだろうかとどこか期待にも似た感情を月は抱くのだった。

    「別にお前なんか居なくたって食事くらい出来るし、そもそも僕は向こうに戻るつもりなんてない。」
    メロはベッドに腰掛け、脚をぶらぶらさせながらそう言った。声色は暗いしやはり不機嫌だ。お前なんかと言うが追い返さないあたり大人の事情も飲み込みつつ、月自身に罪がない事はよくわかっているのだろう。やはり賢い子だ。
    「どうしてLを追ってきたの?」
    「………」
    隣に腰掛けた月はメロの顔を覗き込む。金髪に隠されている瞳は深い深い蒼をしていて綺麗だと、月は思う。
    「……」
    答えたくないのだろうか。なら無理には聞かない。
    月は視線をニアの居る方に向けた。さっきからパズルを淡々と組んでは壊している。楽しいのかわからないが、まあ七歳児の普遍的な趣味とは言えないだろう。
    「でも、二人の気持ちもわかる気がするな。」
    「…まだ何も言ってない」
    「ほら、竜崎…Lってちょっとムカつくだろう。」
    そう言ったらメロはハッと顔を上げる。
    「子供扱いされたりすると。」
    「……そうだよ。」
    共感を得たらしい。月は今まで竜崎と事件を追う中で、核心まで真相を突き詰めたのに「夜神君はまだ子供なので…、この先以降は大人でどうにでもします。」という理屈で最後を持っていかれたことが何度もあったことを思い出した。
    「理屈はわかるけどね、それでも腹が立つことはある。対等に接して欲しい、とか子供っぽいとは思うけど感じたりする。」
    「……お前もLに認めて欲しいのか?」
    「………うーん…」
    自分の能力を、この頭脳のことを一番わかっているのは自分とそれから竜崎だろうと思っている。それを踏まえた中で彼なりの対等の形だろうし不満があるというのは贅沢だ。
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    Replies from the creator

    recommended works

    yokoyoko221

    MEMOここに置いとく、

    103のボーイたちのラブについて失礼します、読みて〜になった話、マジでしょうもないし今まで書いてた世界線と話が違う!になりそうな話、でもまあこんなんかもわからんめちゃ仲良しで色々あってよく一緒のベッドで寝る先輩とちがさき
    いやなんだけどちがさきがぬくのだるいなって思った瞬間があった日とかに夜先輩と布団入って、先輩といっしょにできたらめちゃいいのになー、人にやってもらう方が一人でやるよりいいし、好きで安心の相手だしいいじゃん、と思うけど別に思うだけ、しかしあるとき一人でソファぬいていると帰ってこないと思っていた先輩が帰ってきてしまい(ご都合展開)、先輩は「あ、ごめん。でも鍵閉めろよ」て普通に出て行こうとするから「ちょっ、ま、先輩」「なに」「たまってません?」「は?お前だろ」「見苦しいもの見せたので、お詫びにぬきますよ」「…は?」になる。しかし先輩も脳内で言葉にはなってなかったが、実は同じようなことを感じていたのだった!(そうなの?)そして服着たままぬいてもらう先輩。そして結局ぬいていないちがさきに「お前のまだだろ」でぬいてくれる先輩。ふぃ〜。で終わって服着たところで「気持ちよかった〜、またしましょうね」とかぬかすちがさき、せんぱいは「そうなの?」とかしか言わないけど、その後何度かちがさきからの誘いにより行われる。毎回言質のように「気持ちいい、またしましょうね」というちがさき。さんかいめくらいに先輩が「ねえ俺これでもしちがさきに恋人できたとか言われたら、いやなんだけど」と爆弾発言(思ったことをそのまま言ったらホームランだったパターン)。ちがさきのなかで、降り積もった先輩への愛情が爆発した(そして構ってほしいという気待ちが爆裂に満たされた)瞬間であった。先輩、かわいい!俺、先輩以外いらん!!(ゲームと芝居はいる)の感情が秒でたるちの脳内を支配、「俺!そんなのないです!ちかげさんが、いたら嬉しい!」と思ったことをそのまま言ったらそれはまたホームランであり、「わかった」になるちかげ。ハッピーエンドです。は?(は?)
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