勇シンif「ねぇソロ!私たち大きくなってもずっとこのままでいられたらいいね」
…………なんて言っちゃったのに。思い描く未来はいつも素敵で、この村で一緒に成長して結婚なんかしちゃったりして、そして一緒に年を取るの。そういう未来。
でも現実はあまりにも残酷で、私の願う通りには進んではくれやしない。
分かってたよ、そんな事。
その為に私は今まで生きてきた。その時が来るまでずっと。
だから言ったのよ。
「あなたをころさせはしないわ」
いつかまた会える日を待ち望んでいるよ。
ってあれ??
「シンシア!!」
「……ソロ?」
頭がうまく働いてくれない。確か私は魔物に殺されて……あれ、私生きてる?
「シンシア…?大丈夫か?痛いところあるか?」
「あれ、私生きてるの?」
「うん。実は…」
どうやら本当に1度死んでしまって居るらしい。けれど世界樹の花という神秘の花を与え蘇ったという。
「シンシア、泣いてるのか?」
「な、泣いてなんか…ないもん……」
泣いてるの見られるのは何だか恥ずかしくて目を擦って笑ってみせる。
「シンシアっ」
「きゃっ………もうびっくりしたぁ」
いきなり抱き着かれ受身が取れず草原に2人して倒れ込む。
「もうソロったら泣いてらかっこいい顔が台無しだよ」
「シンシアがここにいるってだけで俺…」
「大丈夫。私はここにいるよ」
「なぁシンシア」
「ん?」
「愛してる」
「ふふ……私もよ」
「もう2度と危険な目に遭わせたりなんかしないし、それぐらい強くなってみせるからさ俺の隣でずっと笑っててくれるか?」
「…なんだかプロポーズみたいね」
「……そのつもりなんだけどなぁ」
「嬉しい。大好きよソロ」
あぁ、今この瞬間だけ私たちはこの世界で誰よりも幸せに満ちてるだろう…そう感じた。