星涙病と花吐き病星涙病
片想いをすると涙が星に変わってしまう。
症状が重くなると視細胞が失われ色彩を感じ取れなくなる。
治すには好きになった相手と両想いになる事である。
「…………………は?」
なんだこれ。悪戯か?するならアレルとかエイト辺りだろうか
でもやっぱり感覚はあるもので、信じたくないと目をそらそうにもできる訳もなくただ呆然とするだけである。
目から星のようなものがとめどなく溢れている。
こういう事に詳しいのはリュカ辺りだろうか…?
「ふーん。それでぼくのとこに来たって訳ね」
「あぁ。何かわかるか?」
「これは星涙病ってところかな」
「せいるい?」
「奇病の1つだよ。花吐き病とかあるだろ?それに似てる病」
「な、治るのか!?」
「治すには好きになった相手と両想いになる事だよ」
「好きな奴?」
「あれ、居ないとそもそも星涙病にはならないはずだよ」
そんな奴………
「……………心当たりある感じだね。星涙病は進行すると視細胞が失われて色彩を感じる事が出来なくなるからね。君の人生に色が付かなくなるよ」
「さらっと恐ろしい事を」
「事実に過ぎない」
「………もし仮に両想いにならなかったら?」
「色彩どころか記憶も失うだろう」
「………」
「アレフくん」
「なんすか」
「君なら大丈夫」
「そう………ですか」
何を根拠にこの人はそういうのだろう。
このまま治らずに俺は生涯を閉じるだろう。
でも最後に想いを告げるだけなら許されるだろう。
そうして俺は彼奴の元に訪れる。
「アレル」
「ん?どうし………え?アレフ!?どうしたそれ」
「落ち着け。大丈夫だ」
「大丈夫って…それ目から星??みたいなの」
「あのさ」
「ん?」
「俺、お前の事好きらしいよ」
「、、、は」
「この星もそういう意味」
「え、いや、ちょっと待て」
「ん」
「待って…嘘、だろ」
「どうし…ってお前なんで泣いて」
「んー嬉し涙ってやつ」
「…?!」
「あ、待って…」
そう言った途端口から白銀の百合を吐き出した。
「!???」
「俺さ花吐き病だった」
「花吐き…?」
「片思い拗らせるとなるやつ。で、この白銀の百合が治った証拠」
「え」
「つまり俺ら、両想いってやつだよ」
そう言って特大の笑顔を俺に向ける。
「…どうやらお前の星涙病も治ってる感じだな」
「………あぁ。」
俺もまた嬉し涙を流した。
後書き
アレフが自信なさ男な描写ですが普通にアレルがノンケだと思っていた為です。
実際のところアレル---------------→←-アレフ
な設定です。(アレル花吐き病だし)