ピニャコラーダ撮影裏(妄想)「「おつかれ様でしたー！！！」」
スタッフさんら関係者の皆さんの声が響き渡る。
俺とアレフの新作MVの撮影が本日を持って終了となったのである。
表情やポージングが俺のキャラとは真反対のモノであり初日の撮影時には交代させられるところであった。が、しかし公式パートナーであり俺の大好きなアレフとの撮影をそう簡単に逃せられるものかと監督やスタッフさんに土下座する勢いでお願いした。

撮影日は数週間程使う(皆それぞれスケジュール入ってる為)ので合間合間を使ってひたすら自主練をした。

とある日珍しく俺ともう1人offが被っていた。
「頼む！！！！俺に次の撮影の為の練習に付き合ってくれ！！」
「珍しいな。アレフからそんな事言うのは」
「今度何か奢るからさ！！」
「仕方ないか。まぁ、俺も次のMV撮影に向けてトレーニングしなきゃないし(虎視眈々)」
「やったぜ！！さすがソロだ！！！」

そうして迎えた撮影日
監督から驚きの声と共に賞賛の声が上がった。
「最初はどうなるかと思ったけどアレル君の頑張りが凄く伝わったよ」
「ありがとうございます！」
「あの時交代するなど言って申し訳なかった。実はあの後……」
「えっ」

撮影初日
『監督』
『どうしたんだアレフ君』
『アレルの事降ろさないで下さい』
『それはどうしてかな』
『たしかに今日の撮影は最悪でした。俺も、彼奴も』
『ふむ』
『でも彼奴は必ずこの撮影を最高の形に終わらせる事が出来ます。』
『そう言われてもなぁ』
『アレルを降ろすなら俺も降ります。そのくらいの覚悟で今監督に話をしています』

「ってアレフ君のあの真剣な顔見たら俺も信じてみたくなったよ」
「アレフが…」
「良いコンビだと思うよ君ら2人は」
「！！ありがとうございます」

おまけのアレフ視点
最悪だ。なんなんだこれは。心の中で愚痴り大きな溜息を吐く。
正直に話すと俺とアレルの新作MVの撮影初日は最悪という言葉では済ませ切れない程酷いものであった。
俺と彼奴の息が全く合わず表情もバラバラ、ポーズは曖昧。
監督は途方にくれ掛けている。
「このままいくとアレル君には…」
彼奴を降ろすつもりなのか？？
確かに彼奴と今回の撮影内容では相性は悪いと思う。
しかし彼奴は最後には必ず化ける。パートナーをやってればそれぐらい容易にわかる。
だから思わず監督に申し出た。
彼奴の頑張りを見てから評価して欲しい、そう小さな願いを込めて。