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    miyasan_712

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    miyasan_712

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    社長マイ×サラリーマンミチによるマイ武
    NE〇S様の『チャ〇カ〇ーナ』を聴いていた時に感化されたものです。
    まだまだ終わる気がしない、

    #マイ武

    (まだ未定)佐野万次郎は無敵を体現したような男だ。中学の頃には大きな暴走族の総長に、そして現在では日本を代表とする企業『東京卍會
    』の社長。たった1代で大企業まで登り詰めるという偉業を成し遂げ日本だけに留まらず世界的にも注目される様な存在になった。
    そんな佐野も逃げ出したくなる日も来るのだ。
    その日、佐野は何もかも投げ捨て1人遠くの地へ足を運ばせたくなる衝動に駆られた。

    そうして残りの業務を投げ1人単身で夜行バスへ向かった。
    大企業の社長なのに何故夜行バスなのか、誰もが疑問に思うだろう。世界的にも有名な社長ならば愛車の1つや2つぐらい持っていても不思議ではない。

    ただの気まぐれである。佐野万次郎という男はそういう人間であった。

    夜行バスが到着しいそいそと乗り込む。乗客は極めて少なく佐野を含めて3人ぐらいだろうか。高齢の女性と平凡そうな男。高齢の女性はぐっすりと眠っており、男の方もウトウトしかけていた。
    「あの」
    「…ん…あ、はい?」
    「落ちてますよ」
    男の足元に落ちていた珍妙なストラップを拾って渡す。
    佐野が誰かに気にかける状況を友人が見たら笑い転げるだろうか。むしろ雪が降ると騒ぎ出すだろうか。
    それぐらい佐野にとっては珍しい事なのである。
    「えっと…ありがとうございます」
    そう言って男はふにゃりと笑う。可愛い。…………可愛い?何故?目の前の男に良からぬ感情を一瞬でも抱えてしまう。
    平凡そうとは言ったものの、よく見ると綺麗で大きなサファイアの瞳、ふわふわの黒髪、背丈は自分とは変わらないぐらいだが小柄。
    「えと…オニーサン?」
    「ん?」
    「す、座らないんですか?」
    「じゃ、隣失礼してもいい?」
    「あ、どうぞ」
    「ありがとう、ねぇ、名前何て言うの?」
    「花垣武道…っす」
    見知らぬ男に突然名前を聞かれてもあっさり答えてしまう不用心さもまた可愛い。
    「そっか…じゃたけみっちな」
    「えっ?…たけみっ…?」
    「うん。武道だからたけみっち。俺は佐野万次郎、マイキーって呼んでよ」
    「さ、佐野っ!?!!?と、東卍の!!?」
    「あ、知ってる?」
    「もちろんっすよ!」
    「そっか。ありがと」
    「わぁ!なんか感激っす!!!世界的有名な社長さんに会えて……ってこんなとこに居て大丈夫なんすか!?」
    表情がコロコロと変わって見ていて本当に飽きない。
    「うん。ちょっと視察に来た感じ……かな?」
    「わぁ…!さすがっすね!こんな遅い時間まで仕事に熱中してるだなんて!俺、実は東卍系列のとこで働いてて…えっと…その、佐野社長に憧れて…」
    「ふふ、ありがと。でもその呼び方は嫌かな」
    「へっ?」
    「だから、マイキーって呼んで?」
    「マイキー………さん??」
    「さんも要らない」
    「さすがに憧れの人に呼び捨ては出来ないっすよぉ……」
    「その憧れの人にお願いされても…?」
    「うぐっ…マイキー……君??これでお願いします…さすが呼び捨ては無理っす」
    少し不機嫌になりつつも了承する。本当にたけみっちは表情が豊かである。

    「ところでたけみっちはどうして夜行バスに?どこかへ旅行?」
    「あ、はい!休暇が取れたので何処かへ行こうかなって」
    「何処か…って目的地は決まってない感じなの?」
    「まぁ…そうなりますね…何かこう、仕事の事を忘れられる様な体験してみたいっつーか」
    「たけみっちの職場ってブラックなの?」
    「いえっ…えと、そういう訳じゃ」
    たけみっちの反応を見て理解する。なるほど、社長の俺にこんな事を告げてしまえば自分の身或いは職場の身が危うくなる、そう思ったのだろう。
    「隈」
    「へっ?」
    「その感じじゃろくに眠れてないでしょ」
    「はは…お見苦しいものを見せてしまい申し訳ございません…」
    「いーよ別に。たけみっちが頑張ってる証拠でしょ。偉い偉い」
    そうしてたけみっちのふわふわの髪の毛を撫で回す。触り心地が良くてずっと触っていたくなる。
    「マイキー…君?」
    「ね、教えてたけみっち。たけみっちの職場どんな感じなの?」
    「……マイキー君の言う通りブラックですかね…残業代出ないし。定時で帰れた事なんて1度も。あ、でも俺自身も手際悪いしグズだから…」
    「ふーん、そっか」
    「あああああ、あの!この事はどうか」
    「大丈夫、大丈夫。たけみっちの想像する様な事は起こさないから安心して」
    「……ありがとうごさいます」
    「その代わりにさ、」
    「はい?」

    「俺も一緒に行っていい?」


    ✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻✻
    どうしてこうなった。

    花垣武道26歳、しがないサラリーマン。隣に居るのは憧れの佐野万次郎社長。
    4年前、就活生だった頃絶対に東京卍會に入社すると意気込んでいたもの結果奮わず、それでも系列の会社での内定が決まり今に至る。就職先は所謂ブラック会社ではあるものの東京卍會の系列会社である事には変わらない為誇りに思って頑張ってきた。
    しかし、それでもストレスというものは溜まるものであって久しぶりに勝ち取った休暇で身を投げ出したのである。
    行き先は決まってもいないし、このバスがどこへ向かってるのかもわからないまま乗り込んでしまったが会社の事を忘れられればそれでいいやと能天気に考えていた。
    数分前までは。

    寝不足もありバスに乗るとすぐに眠気が訪れウトウトしていたところ美麗な男性に話かけられた。どこか見た事ある様な風貌ではあるものの半分意識を手放しかけている事もあり上手く思考が回っていなかったのである。
    その名を聞くまでは。

    目の前の美麗な男の名前は佐野万次郎。そう、武道が憧れた東京卍會の現社長である。そんな彼とこんな所で出会うとは一切予想する訳もなく、また何故こんな所に居るんだという疑問符が湧く。
    彼曰く視察に来ていると、仕事熱心で本当に尊敬する。
    会社の実態とか色々告げてしまった事に物凄く罪悪感を感じるも佐野社長もといマイキー君は秘密にしてくれるらしい。その代わりに武道のこのノープラン旅行に着いてくるという条件付きで。

    いや、何でだ。というか社長さん視察に来てるんじゃ、と聞こうにもこちらは秘密を握られている。変に干渉して暴露されたら武道の人生が詰んでしまう、そう恐れ黙秘権を使う。
    「あ、あのマイキー君…?」
    「ん?」
    「お、俺本当にノープランなんすけど…」
    「いーじゃん、計画立ててもその通りにいかないもんだしいっその事プランなんてなくてもいいと思うよ」
    「それ社長が言っていいんすか!?」
    「ん?」
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