牙が折れる(物理的に)口からの吸血の練習しましょうってんで、気乗りはしなかったけど押し切られて、(血刃あれば充分だと思ってる)しぶしぶお休みの日にがぶっとやってみたなら官の筋肉に負けてばっきりと牙が折れるナギ。
二人ともびっくりするけど、VRCに行ったら研究材料として返してもらえないんじゃないかと意見が一致。とりあえず丸の主人のとこに行く。
本人たちは軽いアクシデント…乳歯が抜けた?ぐらいのつもりだったが(シンヨコではもっとポンチな被害起こるし)(ナギは「スースーして落ち着かん」ぐらいの感じ。掌の血刃で吸血は問題ない)
事務所に迎え入れられて、実はって説明したとたん、ドラルクはショックで秒で砂になるし、遊びに来ていたマナーと透は泣き叫んで爺ちゃんとか兄ちゃんに助けを求める大パニック。
実は吸血鬼の牙を折るというのは、最強の拷問とか屈辱に値するもので、人間には当然不可能だし(それで記録がほとんどなくて言い回しとして伝わってるだけ)吸血鬼同士でも唾棄するべき忌まれた行為だったりする。透くんは一族のお家騒動でうっすら記憶がある。
他言無用と言い含めて子供らと保護者ズを追い返し、結局ドラウスパパ頼り。
治療してもらって(官に出させた血ですっごく繊細に繋ぐ感じ)向こう一か月は口を使わないこと厳命されて、萎れる官。キスもダメなんですかとぐしぐし。
折れた原因は、吸血鬼化した子供時代からの、長年に渡る栄養失調。骨粗しょう症というか、特にシンヨコにきてからは体が飢餓状態だったりする。吸血できるならいっぱい血を飲めとアドバイスして、パパ退場。
改めて他言無用とは念を押すけど、どっからか漏れるもんが噂という奴で。しかも御多分にもれず尾鰭がついてねじ曲がって。
「シンヨコには古き血を引くA級オーバーの吸血鬼を、牙を叩き折って退治して従えた、凄腕のハンターが居る」とロナルド君のエピとも混ざり合ってしまって。
やあやあ我こそはってシンヨコに来るポンチ吸血鬼が後を絶たず、ホットスポット化が加速。その相手で退治人も吸対も忙しくなるわで、エーンと泣く人間二人。
そんで牙が治った一か月後、真っ先にナギが喜んだのが、丸と食べるおやつの復活で、自分とではないんですかー――!!とやっぱり泣くカン。
そんでこっそり後ろのほうで、マナー君が兄ィを噛んだらやっぱり牙折れちゃうんじゃないかとドキドキしてる(栄養が良い牙なのでありません)