忠愛とかつ丼東京滞在の間に利用する、ファミリー向けの中規模マンション。愛之介の指示で忠が借りたその部屋は、利便性を重視した都心の一等地ということもあり、家賃はそれなりのものである。もちろん、議員用の宿舎を格安で借りることもできたのだが、愛之介は断固拒否の姿勢だった。周囲にいるのが面倒な人間たちであればあるほど、顔を合わせる確率を少しでも減らしたいと考えるのは人として当然のことだろう。それに比べれば家賃など、愛之介にとっては些事であった。
「どこでもいい、場所はお前に任せる。休む時にまで周りを気にしたくない」
そうして忠は、宿舎からは離れた地域で希望の間取りに沿うマンションをいくつか捜し出し、その中から愛之介が選んだ一部屋を借りることにしたのだった。
4459