告白深幸×賢汰 【告白】
とある晴れた日、深幸は賢汰をカフェに誘った。断られるか、と考えてはいたが行動しなければ何も始まらないと開き直っていた。
「賢汰せんせーさ、今日暇だったりする?」
「自主練をしようとしてたが、どうした深幸」
「新しくカフェできたところに行きたいんだけどさ、一緒にどうよ?」
「俺でよければ行こうか」
内心嬉しさがあったが喜びを抑えながら感謝していた。どうしても伝えたいことがあった、好きと伝えたいと思ったが上手く言えるのだろうか。誘っておいたものの、決まってから不安が押し寄せる。
外装もおしゃれでモノトーンで落ち着いた内装のカフェだ。席に着いてから何を頼むか悩むくらい種類がある。
「すいません、ホットコーヒー2つ下さい」
何となく落ち着きたいからと深幸はコーヒーを頼む。賢汰は「お前と同じものでいい」と少し興味が無さそうだがコーヒー好きなのは変わらないらしい。
…おまたせしました…届いたコーヒーは飲みやすい。とても落ち着く味で安堵していた。
「コーヒー美味いな、そういえば俺とカフェなんてどうした」
賢汰の一言にハッと気づく。そういえばら自分は告白を決心して誘ったのだ、伝えてしまってもいいのか、コーヒーを飲みながら悩む。
「誘うのが珍しいな。相談事でもあるのか、深幸」
少し心配されつつも冷たい感じを覚える。言っていいものなのか不安でいっぱいで無言になってしまう。目の前のコーヒーを飲むことで隠してる感じだ。流石に黙ったままではダメだと決心して伝える。
「俺さ、賢汰せんせーのこと、好きみたいなんだ。付き合って貰えませんか…?」
賢汰は驚きを覚える。満更でもない表情を浮かべていた。
「…俺でよければ。」
少し考えたあとニコニコとした表情でこちらを見てくる。とても恥ずかしいが、思いは伝えられた。今更嬉しくなってる、子供のようだ。
「そしたら呼び方、呼び捨てにしようかな。賢汰って呼んでいいか?」
「いいとも、深幸」
もうバンドで知り合ってから月日も経っているのに何故か初々しい。段々慣れるのだろう。