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    @94_ROM_12
    稲妻の目金君関連のみ

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    豪目。一斗視点。ごうえんじ君は不在

    #目金
    carpentersSquare
    #豪目
    howeEye
    ##目君受け

    ある弟の受難『~~~~~』

    穏やかな休日の昼下がりに響く兄の叫び声。漫画片手にベッドの上でうたた寝をしていた僕はその騒がしい声に叩き起こされ苛立ちのまま舌打ちをする。兄である目金欠流が衝動のまま叫ぶのはいつもの事ではあるが、だからといって黙って許してやれるわけでもない。僕は大きな溜め息をつき苦情をいれに兄の部屋へと向かう。

    「兄貴、うるさいんだけど。新作アニメだかドラマCDだか知らないけど静かにして」
    「…………」

    廊下を挟んで真向かいにある兄の部屋に行くと、兄は部屋に入ってきた僕に気づく事無く呆然とベッドの上で座り込んでいた。

    (おかしい。いつもの兄貴じゃない)

    普段とは異なる兄の様子に僕は少し身構える。いつもの兄は、やれ新作アニメに推し声優が起用されただの、やれイベ限アイテムがドロップしただのしないだので大騒ぎしているのだ。今回もどうせそういった話を延々と語られるのだろうと思っていたのだが、どうやらそうではなさそうだ。

    「どうしたの?何かあった?」
    「……一斗」

    こちらが話しかけてもずっと黙っていた兄が、いつもでは考えられない程小さな声量で僕の名を呼んだ。

    「うん、何?」
    「少し相談したいことがあるのですが」

    相談?兄貴が?
    兄の言葉にまた驚かされたが、下手な反応をして相談を取りやめられたらこちらにモヤモヤが残ってしまう。僕は極力兄を刺激しないよう「相談?別にいいけど」と何とも思っていないかのような返事をする。そんな僕に兄は小さく礼を言い、緊張しているのか呼吸を整え、口を開く。

    「あの、ですね」
    「うん」
    「……僕、豪炎寺君のことが好きかもしれないんです」
    「………………」

    全く想定していなかった言葉に暫し脳がフリーズする。訪れる沈黙。僕の頭を駆け巡る兄からのカミングアウト。兄貴が、ごうえんじくんのことが好き?ごうえんじ。豪炎寺!?

    「は、え?はあ???豪炎寺君って、あの豪炎寺?転校生で?雷門サッカー部のエースストライカーの?あの豪炎寺?!嘘でしょ!?」
    「僕だって嘘だと思いたいですよ!!!」

    衝撃的すぎる相談内容に立っていられず、頭を抱え床に座り込む。一体誰が予想できる。双子の兄から珍しく相談を受けたと思ったらまさかの恋愛相談で、しかも思い人は男で、豪炎寺で。もう訳が分からない。質の悪い夢やドッキリだといわれたほうがまだ信じられる。だがこれは現実で、目の前の兄の様子からしてドッキリであることも考えられない。僕は隠すことなく大きな溜め息をつき、見え切った地雷でしかないこの問題に向き合う覚悟を決める。

    「え、何で?もうこの際男同士とか、兄貴二次元以外に興味あったの?とかその辺は置いといて。何で豪炎寺君の事好きに……いや、何で豪炎寺君のことが好きだと気付いたの?」
    「最近、何か胸がゾワゾワするような、息が苦しくなるような症状が続いているんです。それがいつ起きているのか、誰といる時に起こるのかを思い返すと、どうも豪炎寺君と居る時にしかこの症状は出ないという事に気づいてしまいまして」

    胸のざわめきが思い起こされたのか、兄は胸元をぎゅっと握りしめる。実の兄がみせる初恋に戸惑う乙女のような仕草に若干の気味の悪さを覚えたが、それをぐっと飲みこみ話を進める。

    「けどそれだけじゃ根拠として弱くない?他に女の子とかそこにいなかったの?」
    「いえ、この症状が現れるのは豪炎寺君と2人きりの時だけなので、豪炎寺君以外あり得ません」

    兄は確信をもってこちらの問いを否定する。だがまだ正直なところ兄のそれが[恋]と呼べるものなのか疑問が残る。野暮だと承知の上で僕は兄に質問を重ねる。

    「それって、本当に恋なの?リスペクトとかそう言う気持ちを恋と勘違いしてるとかじゃないの?」
    「自分一人で考えている時は僕もそう思っていたのですが、萌先生に相談してみたら『それは恋に違いない』『ごうめがktkr』と断言されてしまいまして」
    「待って兄貴あの人に相談しちゃったの!?」

    漫画萌。秋葉名戸サッカー部に所属する選手であり、兄の戦友とも呼べる人物。そんな彼のことが僕はどうも苦手なのだ。『目金くんの双子の弟ってだけで面白い』とたったそれだけの理由で直接話したことのない僕に興味を抱き、兄経由に僕のメアドを入手したかと思えば、いつの日からか彼は僕のメル友を自称するようになっていた。決して悪い人ではないのだが、その異様なフットワークの軽さとネット民特有の変なノリで絡まれたりすると僕はいつもたじろいでしまう。

    (というか。漫画さんがすでに相談を受けているということは、恐らくだけど兄貴が僕に相談するって予想もついているよな)

    どうか外れててくれと、祈るようにケータイの受信欄を確認すると画面には[漫画萌]から一件の新着メールが。

    (うわあ、案の定メール来てる。読む気しないけど絶対『お兄ちゃんの恋愛フラグ成立おめ^^』とか書いてあるよきっと)

    「……一斗、僕はどうすれば良いのでしょうか」

    ケータイ片手に苦々しい表情をしていた僕に、兄はぽつりと元気がない声で悩みを呟く。

    「どうすればって言われても。まず兄貴はどうしたいの?豪炎寺君と付き合いたいの?」
    「ひえっっっ」

    具体的な想像を全くしていなかったのか[付き合う]という言葉に兄は顔を真っ赤に染めるどころか見ているこちらが心配になる程青ざめてしまった。兄は先ほど以上に首を力強く横に振る。

    「無理ですよ、告白なんて。そんなの分かり切った負けイベントじゃないですか!」
    「うーん。まぁ、そうだよね」
    「というか、僕の告白を受け入れる豪炎寺君が想像つかないですし、お互い気まずくなって終わりですよ」

    自分の言葉に傷ついたのか兄の顔色が少し暗くなる。どうやら、兄は思い違いでも何でもなく本当に豪炎寺君の事が好きなようだ。さて、僕から言えるアドバイスだがどうやら豪炎寺君に告白する気はないようだし、正直僕としても上手くいくビジョンが微塵も見えないのでその選択には賛成だ。となると。

    「告白する気がないなら距離をあけるのが一番得策なんじゃない?ベタな案だけどね」
    「距離をあける……」

    二人きりの時に相手を意識し過ぎて胸がしんどくなる気持ちはわかる。であれば、そもそも二人きりにならなければいいのだ。流石に同じ部活に入っている以上全く会話をしないというのは難しいだろうが、他の誰かがいれば恋煩いも幾らか出にくいだろう。そういった僕の提案に兄は「成る程…一理ありますね」と納得した様子を見せる。

    「でしょう?だから極力豪炎寺君と関わらず、多数いるサッカー部員の一人として接すれば良いんじゃないかな」
    「名案ですね一斗!……ただ、それを実行に移すには一つ問題がありまして」
    「問題?」

    アハハと何かを誤魔化すように笑う兄を睨みつけ、さっさと吐いてしまえと威圧する。

    「実はー、半年ほど前からシュート分析の為に豪炎寺君専属のカメラ撮影の仕事を請け負っておりまして。今日もこの後河川敷でシュート練習の予定が入っているのですよ」
    「馬鹿なの!?何でそんな危険極まりない仕事請け負ってるのさ!」
    「仕方ないじゃないですか!ついさっきまで自覚症状が無かったのですから!」

    最後の最後に放り込まれた爆弾に僕は声を荒げてツッコミを入れる。よりにもよって何でそんな仕事を引き受けているんだ。というか雷門サッカー部もそれなりに人が増えているはずなのに、何故兄にその仕事を振ったんだ。予想外の状況に驚いてしまったが、騒いだところで何の意味もないと気を取り直し、僕が思いつく限りの案を兄に伝える。

    「まあ、折角だし今日を機に別の誰かに代わってもらいたいって直接相談してみたらどう?きっと豪炎寺君も兄貴じゃなきゃダメって訳じゃないだろうし」
    「__、それもそうですね。これを機に距離を空けていけばこちらの感情もバレずに済むでしょう。長い時間相談に乗ってくれて有難うございます」
    「良いよ別に。ところで、約束って何時から?」
    「17時頃です。……少し早いですが話の切りも良いですし集合場所に向かうことにします」
    「うん、いってらっしゃいー」

    事前に準備していたのであろうカバンを手に取り部屋を出て行った兄を見送り、床に寝転がる。実の兄とはいえ、いや実の兄だからこそ恋愛相談というのは気を遣う。

    (……カメラ担当を変わってもらう様提案した後の兄貴の顔、ちょっと暗くなってたな。そりゃそうだよな。好きな人との二人きりの時間を自分から手放せって言ったわけだし)

    だが、万が一にも秘めている思いに気づかれた時辛い思いをするのは兄貴の方だ。これは勝手なイメージでしかないが、きっと豪炎寺君は兄に恋愛感情を向けられていると知ったとしても軽蔑したりしないだろう。けれども、それと兄の思いを受け止めるかどうかはまた別の話だ。ほんの一時の気の迷いで告白して相手と疎遠になるよりも、仲のいい友人として一緒に居られるほうがいい。僕がそう思うのだ。兄だって同じ考えに違いない。
    僕は今日何度目かわからない溜め息をつき、気分転換にケータイを開く。するとそこには先ほど無視した新着メール受信の知らせが表示されていた。たとえ煽り目的のメールであろうと気晴らしにはなるだろうとメールを開く。
    すると、



    件名:弟君へ
    本文:
    目金君が君のところへ恋愛相談しに行くと思うけど、これ完全に脈あり案件だから適当に聞き流しなよ。



    「…………は?」

    そこにあったのは予想外の文面で、僕の脳に本日二度目のフリーズが生じる。メールの内容は見間違いではないか、送り主と本文を何度も見直し、震える手のまま電話をかける。電話は3コールもしないうちに繋がり、スピーカーから『はーい、もしもし』と気の抜けた声が聞こえてきた。

    「漫画さん!あのメールは一体どういうことです!?」
    『……その様子からして、さては忠告メールを読まずに真っ向から恋愛相談に乗ってあげた感じ?お疲れ弟君〜』
    「茶化さないで下さい!……脈アリ案件って、本当何ですか?だって、相手は」
    『豪炎寺君だろ、聞いているよ』

    驚きと混乱でパニックになっている僕に対し漫画さんは落ち着いた様子で返答する。その漫画さんの態度に僕もいくらか冷静になれたが、正直なところまだ脈あり案件という言葉の衝撃から抜け出せそうにない。そんな僕の状態が電話越しからも伝わったのか『何で僕が脈ありだと断言したのか説明しようか』と提案をしてくれた。

    「……お願いします」
    『そうだね、まず初めに目金君は、僕に感情の整理をつけたいから付き合って欲しいってチャットに連絡してきてね。そこに色々書いてくれたのさ。最近の身体の不具合と、それが発生する条件をね。大まかの内容はおそらく君に話したものと変わらないと思うけど、その詳細部分がなかなか面白くてね』
    「面白い?」

    あの恋愛相談に面白いと感じる要素はあっただろうか。そう不思議に思っていると漫画さんは『君、目金君からシュート分析の話は聞いたかい?』と何故か楽しそうにそう問いかけてきた。

    「ええ、兄貴がカメラ係を請け負っているって聞きましたが」
    『その話、よく聞いてみるとどうやら豪炎寺君の方から目金君にカメラ担当を頼んだらしいんだよ』
    「えっ、そうなんですか?……でも、それはただ単に兄貴のカメラの腕が良いから頼んだだけだと思いますよ」

    兄はコス撮や撮り鉄といったオタ活を通じて磨かれたスキルを見込まれ、イナズマジャパンでは練習風景の撮影を任されていたと聞いている。イナズマジャパンの選手であった豪炎寺君も練習映像を通してその腕前を評価していたとすれば、兄にシュート分析の手伝いを頼むのも自然なことだろう。

    『他にも色々あってね。ねえ弟君。最近の目金君、よく休日に出かけるようになったと思わない?』
    「言われてみれば確かに。え、それが何か関係しているんですか?」
    『ああ。どうやら目金君と豪炎寺君は互いの都合が合う休日に必ず会っているそうだよ』
    「……本当ですかそれ」

    思いの外兄と豪炎寺君に交流があったと分かり、言葉にし難い複雑な感情が胸中を渦巻く。精々部活仲間くらいの距離感だと思い込んでいたが、そうなると話は変わってくる。例え練習がてらの交流だとしても、休日に2人きりで会う習慣が築かれているのであればそれなりの仲だと言えるだろう。

    『あと休日に会う流れはシュート練習がない日でも行われているらしくてね、二人きりの買い物や映画鑑賞に行った回数も一度や二度じゃ無いみたいだよ』
    「えっ」

    突如毛色の変わった単語が放り込まれ、僕の頭は本日何度目かのパニック状態に陥る。二人で買い物?映画鑑賞?それに加えてサッカー関係なしに二人で会っている?

    「……え、デートじゃないですかそれ。え?僕がおかしいんですか?」
    『おかしくないと思うよ。強いて言うなら友達の範疇に収まる交流でもあるけどね』
    「!そうか、そうですよね……」
    『ただ、買い物の時は何故か流行りのデートスポットに立ち寄り、映画鑑賞では毎回恋愛映画をチョイスされたみたいだけど』
    「デートじゃねぇか!!!」

    今時付き合いたてのバカップルでも実行しているかどうか怪しいデートプランを実の兄と雷門のエースストライカーが行っていたという事実に耐え切れず衝動のままケータイをベッドに向かって叩き付ける。兄の切ない片思いとかいう地雷原に巻き込まれていたかと思えば、両片思いな二人の茶番劇だった。何だこれ、真面目に悩んでやっていた僕があまりに馬鹿みたいじゃないか。

    『おっ、弟君乱れた言葉出てるね〜。そんな感じで僕にも敬語なしで喋ってよ』
    「五月蝿い!……ですよ」

    僕の取り乱す様がおかしいのかケラケラと笑う漫画さん。その笑い声に若干苛立ちはしたが、この苛立ちをぶつけるべき相手は彼ではないと深呼吸をし、気を落ち着ける。

    「……改めてですけど、豪炎寺君メチャクチャ兄貴のこと狙ってるじゃないですか。と言うか露骨すぎませんか?」
    『まあ相手は目金君だしね。そこまでしてようやく意識してもらえるかどうかって所だっただろうし。現に彼、僕に指摘されるまで恋愛感情という可能性を全く考えなかったからね』

    そう言われると、第三者ですらあからさまに狙われていると気付ける状況で『豪炎寺君が僕のこと好きなわけがない』等と兄は戯言を抜かしていた。となると、漫画さんの言う通り露骨すぎるほどの振る舞いが鈍感な兄にちょうど良かったのだと理解する。そう納得すると同時に、全身に変な疲れがどっと押し寄せてきた。今日は家から一歩も動いていない筈だが何故だか肩やら足やらにジワジワと痛みが襲いかかる。気づかないうちに妙な緊張感にずっと抱えていたのだろうか。

    「あー、なんか一気に馬鹿らしくなって来ました。兄貴大丈夫かな」
    『そういえば、今更だけど目金君は今日も出掛けているのかい?』
    「ええ、つい先程。豪炎寺君のシュート分析に……あ」
    『?どうしたんだい』
    「いえ、あの。僕兄が出る前に、今日を機にカメラ担当を別の誰かに代わってもらいたいと豪炎寺君に相談してきたらってふっかけていたことを今思い出しまして……」

    兄の話だけを聞いていたときは思いを押し殺すのが双方を傷つけない無難な行動だと決めつけていたが、両片思いだと分かった今自分のアドバイスが愚策でしかなかったと痛烈に思う。僕のせいで二人に妙な亀裂を生んでいないだろうか。

    『へぇ。……もしかしたら、彼動いて来るんじゃないかな』
    「動いて来る?」

    それは一体どういうことですか。そう聞こうとした矢先、玄関から慌ただしい声が扉越しに響いてきた。これは豪炎寺君と兄の間に何かあったに違いないと僕は漫画さんに詫びを入れ、すぐに電話を切り玄関へと向かった。

    「兄貴!大丈、夫……」
    「……一斗」

    頬を赤く染め目を潤ませた兄は、息を切らしながらも僕の名を呼ぶ。兄の表情に暗さは感じられず、紅潮した頬の理由が走って帰ってきたからというだけではないと優に察しはつく。兄は未だ動揺しているのか途切れ途切れになりながら言葉を紡ぐ。

    「豪炎寺君が、豪炎寺君が。ぼ、僕の事を好きだと、好きだって言うのです」
    「……あー、うん。そう。おめでとう?」
    「めでたいわけがないでしょう!!!」

    見え切っていたハッピーエンドに僕は頬の引きつりを何とか抑えながら祝いの言葉を贈ったが、兄はそんな状況ではないといわんばかりに声を張り上げる。

    「えぇ……なにがダメなのさ」
    「だって、だってですよ!あの豪炎寺君が、僕のことを好きになるなんて、そんなの……」
    「そんなの?」


    「解釈違いなんです!!!!!」


    「……うん?」
    「なんでピンとこないんです!?良いですか一斗、豪炎寺君は雷門を代表する最高のストライカーであり!FFでは勿論、エイリア学園との戦いでもその能力を遺憾なく発揮し!FFIでは、」
    「分かった、分かったってば!豪炎寺君の凄さは僕も知ってるから!」
    「いいえ分かっていません!良いですか一斗、豪炎寺君は雷門を、いや、日本を代表するエースストライカーであり!」

    僕の肩をつかみ豪炎寺君の素晴らしさを語り始める兄。このモードに入ったら長くなると身をもって知っている僕は、体勢を崩し玄関のマットの上に座り込んだ。……要するに、兄の今の感情は『憧れの○○君が私に振り向くなんて!そんなの信じられない!』といったところだろう。まさか兄にそんな感情が芽生えるなんて、恋というものは凄いなと感慨にふける。そんな僕の視界に映るのは、ポケットの隙間からチカチカと光る兄の携帯のライトで。何度も何度も新規メールを知らせる灯りが点滅しており、これは豪炎寺君が我が家に突撃してきてもおかしくないなと覚悟を決める。兄の豪炎寺伝説を遮るチャイムが鳴るまで、そう時間はかからなかった。
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    ROM

    REHABILI「嘘はまことになりえるか」https://poipiku.com/4531595/9469370.htmlの萌目の2/22ネタです。22日から二日経ちましたが勿体無い精神で上げました
    猫の日「……えっと、つまり。漫画君は猫耳姿の僕を見たいのですか?」
    「今日は2月22日だろう?猫の日に因んだイベント事をこう言う形で楽しむのも、恋人がいるものならではの体験だと思うよ」

    2/22。2という数字を猫の鳴き声と準えて猫の日と呼ばれているこの日。そのイベントに乗じてインターネット上では猫をモチーフとしたキャラクターや猫耳姿のキャラクターが描かれたイラストが数多く投稿されている。そして、猫耳を付けた自撮り写真が数多く投稿され、接客系のサービス業に勤めている女性達が猫耳姿になるのもこの日ならではの光景だろう。
    古のオタクを自負する萌にとって、猫耳とは萌えの象徴であり、身に付けたものの可愛さを最大限までに引き出すチートアイテムである。そんな最強の装備である猫耳を恋人にも身につけて欲しいと考えるのは自然な流れの筈だ。けれど、あくまでそれは普通の恋人同士ならの話。萌と目金の間に結ばれたこの関係は、あくまで友として萌と恋人のごっこ遊びに興じる目金と、目金に恋慕する萌という酷く歪な物であった。
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