冬になると眠ってしまう女の子のお話二あなたは知らないのでしょう、本当の真っ暗がどれだけ怖いのか。
冬になると、どうしてか眠くなってしまう。
眠りたくなくても、もっと起きていたくても私の思いとは裏腹に冬は年々早くやって来る。
冬の間中夢を見ていられるのなら、どれだけいいだろう。
けれど、私が眠っている間あるのは真っ暗な闇だけだ。
生きているのかどうかすらわからない、このまま眠り続けたらもう死んでしまうのではないかと思ってしまう。
誰か、気づいてくれるのだろうか。
私がもしも眠ったまま二度と目を覚まさかった時、冷たくなってしまった時に。
真っ暗闇の中、私は泣いているのだろうか。頬に温かい感触がする。
あなたは、あなたは来てくれるだろうか。
冬の間に私のことなんと忘れてしまう…
あなたに出会ってからずっとずっと、怖いの。
もしもこのまま目を覚ませなかったらどうしようかって。
「真っ暗は怖いね。」
「そう、思う」
「思うよ。」
「…そう。」
その会話をしている間にもう冬の気配を感じた。
あなたに変な風に思われなかったかしら。
本当はね、本当はお話を続けたかったの。でも、それができない気配に気を取られたの。
次に目を覚ました時に話の続きをさせてくれる
家に、戻った後眠気に強い強い襲われながら私はまた春が来たら会えるあなたを心に思い浮かべた。