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    ruka

    @blaze23aka
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    ruka

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    🔥❄️前提
    ❄️たちがもし大!正!にいたら
    そして隊!士!となるならと考えてた設定みたいなお話
    オリジナルの呼!吸!や👹が出てきます。

    この設定での🔥❄️が書きたいなあと考えてます。

    #煉猗窩

    『星の煌めきは炎の導きの先に』時は大正。
    歳の頃は18といった双子の青年がいた。

    兄は素山 狛治
    弟は素山 猗窩座
    という。

    彼らが14の時父親が死んで荒れていたところを素流道場の素流 慶蔵に助けられそれ以来家族のように暮らしていた。

    狛治と慶蔵の娘である恋雪は恋仲となり、近々夫婦となる運びとなっていた。
    名実ともに家族となるのだと弟である猗窩座も嬉しく思っていた。



    そんなある日猗窩座は人が鬼に襲われているところに出くわした。

    初めて見た異形のものに恐怖を全く感じなかったわけではないが、襲われていたのは自分たち双子にも昔から優しくしてくれていた農家の娘だったから、考えるよりも先き体が動いていた。

    とにかくその子を助けなければと鬼に蹴りを入れて弾き飛ばすと娘に「逃げろっ!」と叫んだ。

    泣きながら、震えながらだがその子が走り出したことにほっとしたのも束の間背中に衝撃が降り注ぐ。


    鬼が攻撃してきたのだ。

    「男は趣味じゃないが、
     お前みたいなのを鳴かせるのも一興か」

    ニンマリと笑う細身の男の額には二本の角。
    目には下弦という文字が見えた。

    そう思った刹那に今度は腹に重たい一撃がくる。

    「かはっ!」

    口の中も切れたのか、血が唇から流れ落ちるが
    猗窩座はそれをぐいっと拭うと

    「お前はここで俺が倒す」

    猗窩座はこのままこの鬼を行かせては駄目だと確信していた。
    自分が敵う相手ではないのかもしれない、それでもだ。


    (あの子も、狛治も恋雪も師範も守る)


    たとえここで死んだとしても。


    「倒す?く、くくっ……あーはっはっは!!
     お前が?俺を?
     笑わせてくれるねえ、鬼狩りでも無いお前が俺を倒すなどありえないだろう?」


    猗窩座は聞き慣れない言葉を胸の中で一度反芻する。

    (鬼狩り……そんな奴らがいるのか)

    この鬼の言葉を借りれば人間でありながら鬼を狩るというのだろう。

    (面白い、そんな奴らがいるならば一度手合わせ願いたいものだ)

    この鬼との戦いの後、生きていれば…だが。



    恐らく間違いなくそんな未来は来ないのだろうと思いながら、せめて少しでもこの鬼を大切な人たちから遠ざけるのだと猗窩座はかまえ、そして踏み出した。

    下弦の鬼に向かって。





    猗窩座は知らなかったのだ。


    鬼にも位があることを。

    弱い鬼もいれば、強い鬼もいる。
    そう
    上弦と下弦の鬼という強い鬼がいることを。



    ぼろぼろにされた猗窩座の血を美味しそうにその鬼は猗窩座の首から啜った。

    「稀血ではないが、俺好みの味だ。
     男も女も知らぬ若いやつの血は美味いなぁ」

    よくよく見れば、この人間なかなか良い面をしていると鬼は舌舐めずりする。

    「きーめた。
     お前にあの方の血を分けてやろう。
     この前、褒美にもらったあの方の血をなあ」

    それまでぐったりとしている猗窩座を抱え直し、啜っていた頸に噛み付くと今度は逆に始祖の血を注ぎ込んだ。


    「く、あ、あああああーーーーーっ!!!」


    のたうち回る猗窩座を楽しげに見てその鬼は

    「さて、お前は鬼となるかそのまま死ぬか
     どっちだろうなあ。
     まあ、どちらでもいいんだけどねぇ」

    ならなければ喰うだけだから、そうほくそ笑んだ瞬間だった。



    「炎の呼吸、壱ノ型……不知火っ!!」


    背中から切られた、そう感じたときには

    「伍ノ型、炎虎ーーーっ!」

    熱い熱い炎の中に獅子のような男が見えた。




    「あ、れ………、なんで、鬼狩りが横にみ、え……」


    切り離されて頭だけとなり、地面に転がってる状態を理解出来ずにその鬼は


    消失した。




    「君!もう大丈夫だっ!」


    その獅子のような男、先程鬼が言っていた鬼狩りの青年……その中でも柱と言われる強き九人の隊士の一人、炎柱である煉獄 杏寿郎は倒れていた猗窩座を抱き起した。

    「煉獄さん!この人は」
    「鬼に……されたか」


    この周辺に鬼がいると連絡を受け調査に来ていた杏寿郎と隊士である炭治郎、その妹禰󠄀豆子。

    杏寿郎が苦悩した顔でそっと日輪刀に手をかけた時、炭治郎の背中にいた禰󠄀豆子が苦しんでいる猗窩座に抱きついた。

    「むーっ!」

    禰󠄀豆子は鬼だった。
    人間に戻るため兄と共に鬼殺隊にいる鬼。

    彼女は何か感じることがある様子で血気術を使って鬼化を止めようとしているが、始祖の血は強いのだろう、杏寿郎の腕の中で猗窩座の身体は徐々に変化が始まっていた。

    髪の毛や睫毛が黒色から桃色に、肌の色は白くなっていく。

    止められないのかと杏寿郎や炭治郎の心が重苦なってきた時

    「みゃう」

    不意に猫の鳴き声がした。

    炭治郎はその猫、茶々丸を見て希望が見えたと思った。
    茶々丸は無惨を倒すために協力している鬼の珠世の使いであるからだ。

    猫は炭治郎にアンプルを一つ渡すともう一鳴きして消えていく。


    「珠世さん、ありがとうございます!!」

    炭治郎は直ぐに珠世の真意を察し、そのアンプルを猗窩座の腕に突き刺した。

    薬液が彼の中に入ると猗窩座は声を上げて苦しんだが
    杏寿郎がしっかりと抱きしめて

    「大丈夫だ、君は鬼にならない!」

    そう囁き続けた。



    杏寿郎と炭治郎のところに逃げて来た農家の娘が教えてくれた。

    鬼がいたと。
    襲われた自分を逃すために友だちが戦っていると。
    強くて優しいあの人を助けてくれと。



    「君はとても強いのだな。
     あの娘さんのためにも鬼になってはだめだ。
     頑張れ、頑張ってくれ」






    猗窩座は初めて聞いたのに、何故かとても安らぐ声に気がついた。

    双子の兄である狛治とも違う。
    温かな声。


    「大丈夫だ」


    そう言われるたびに、寒いのが無くなっていく。

    自分の周りにあった氷が溶けていくように
    太陽のような温もりを感じる。



    「猗窩座、生きて」


    幼い頃亡くなった母の声がした。


    「猗窩座、生きろ」


    病気で亡くなった父の声がした。



    両親の声が背中を押してくれたとき
    自分を包み込むような腕に気がついた。

    その腕は猗窩座の手をとり光の方へと導いていく。


    「君は大丈夫だ」




    だれ?


    だれ?

    だれでも、いいか
    あったかいんだから

    このままでいたいなあ
    このままこの温もりに包まれていたいなあ………

















    「……こ、こ、は……」



    猗窩座が気がついたのは見知らぬ部屋だった。

    どこかのお屋敷といった感じの部屋。
    布団に寝かされていたらしい。


    「おれは……何が、あった……?」

    ぼんやりとしていた頭の中で


    『お前は鬼になるか、死ぬかどっちだろうなぁ』


    身体が震える。

    そうだ、俺、俺はっ!!


    鬼の前で全く歯が立たず、ボロボロにされた。
    死ぬのだと思った。

    だが

    『大丈夫だ、君は鬼にならない』


    最後に温かい声がした。


    「あの人は……誰だ?」

    その時ようやく気がついた。
    自分が何かを握っていたことに。
    それを抱きしめるようにしていたことに。

    白地に炎のような模様の羽織。



    「これは……」


    薄らと覚えている。

    熱い炎を感じたことと、それ以上に優しい温もりを感じたこと。

    その時に、この羽織を見たような気がする……が、それ以上は思い出せなかった。





    廊下から足音がした。
    優しい足音だったので、猗窩座がそちらを向くと
    障子が動いて
    15歳くらいの少年が入ってきた。



    「あっ!気が付かれたのですね。
     良かったです。
     すぐに兄上を呼んできますね」

    その少年は起きている猗窩座に気がつくと嬉しそうに笑顔になってそういうと廊下を足早に戻っていった。



    そして現れたのはその少年そっくりな青年だった。


    (お日様みたいな奴だな)


    青年――杏寿郎をみて
    何故か猗窩座はそんなことを思っていた。










    猗窩座が眠っていたのは煉獄家の部屋だった。

    その息子である杏寿郎が簡潔に説明をしてくれた。

    鬼から知り合いの娘さんを助けたこと。
    その子が杏寿郎たちに鬼のことを伝えてくれたこと。
    その鬼は杏寿郎が倒したこと。


    そして

    「恐らくは、“見る“方が早いだろう」
    と杏寿郎は弟、先程部屋に来た千寿郎にあるものを持って来させた。

    それは鏡だった。


    「っ……」


    猗窩座は絶句した。

    間違いなく自分であるのに、変わってしまっていた。

    髪の毛とかが桃色となり、日に焼けた肌がまるで陽の光を帯びたことがないような白さを帯び……、
    なによりも

    「なん、だ……この目は」

    青色の瞳は金色となっていた。


    『鬼となる』


    あの鬼が笑う。
    猗窩座を嘲笑うようにケラケラと笑う声が聞こえた気がした。

    震える猗窩座の体を杏寿郎が鏡から離して抱きしめた。

    「大丈夫、君は鬼ではないよ」

    そう何度も言い聞かせながら。


    「でも、俺、こんなに変わって……」
    「確かに君は鬼になりかけた。
     だが君はならなかったのだ、それに打ち勝ったのだ」

    ニッコリと微笑む太陽のような男の顔は嘘をついているようには思えなかった。
    だが、この変化が堪らなく怖くもあった。

    こんな身体では、二度と家族に会えない。

    そう絶望してしまうほどに。


    杏寿郎はその怯えを察して
    彼をもう一度抱きしめると


    「確かに君の髪や瞳は変わってしまった。
     だが、君は人なんだ。
     鬼に詳しい医師からもお墨付きを貰っている。
     体の一部は変化してしまったが、鬼ではないと」

    例えば、白くなった肌は以前よりも日に焼けると赤くなるでしょう。
    徐々にわかっていくと思いますが、完全な人間とはどこか違ってしまうとは思います。
    人とは違う力を持つかもしれませんし、負荷がかかることがあるやもしれません。

    それでもこの方は人間です。

    鬼のように直ぐに再生しませんし、勿論太陽の下でも動けます。


    それが珠世の見立てであり、蝶屋敷からきたしのぶの見立ても同様だった。



    「猗窩座」
    「な、なんで名前を?」
    「あの少女が教えてくれた!
     君は心配しているかもしれないが、君のご家族にも全て話してあるから安心しろ」

    快活にそう話してくる男に猗窩座は目をぱちぱちと瞬せると驚きが隠せないまま

    「全部って、こんな姿なりになったこともか!?」
    「ああ!勿論!
     きっと君は自分たちから去ろうとするだろうと狛治が言っていた。
     ……辛い目にあってきたからとしか聞いてないが、君の兄である狛治もその奥方も慶蔵殿も君のことを案じておられたよ。
     だから、気持ちが落ち着くまで我が家で君を預かることにしたんだ」

    狛治には弟の考えなどお見通しだったようだ。

    こんな風に変わってしまった人間がいては道場の評判が悪くなる。
    異質なものを受け入れる人間など少ないのだから。

    と、自分が思うことを。


    「ここで俺から君に提案がある」
    「提案?」
    「猗窩座、鬼殺隊に入らないか?」

    鬼殺隊、つまりは

    「鬼狩りになるということか」
    「ああ、そうだ。
     君の心は強い。優しくて強い。
     慶蔵殿も君の強さにお墨付きを下さった」
    「師範が……」

    月のような色となった瞳に涙が滲んでくる。

    師範に教えてもらったことを胸に鬼を倒す。
    それならば変わってしまった自分を受け入れられる気がした。


    「わかった。鬼狩りになる」

    なにより、
    あの娘さんのように
    狛治、恋雪、師範がもしも鬼に襲われたらと考えるだけで苦しい。

    力が欲しい。

    師範のように誰かを守れる強さが欲しい。
    目の前の男のように鬼を倒せるようになりたい。


    「杏寿郎、俺に鬼の倒し方を教えてくれ!
     あ……教えて、ください」

    猗窩座は言い直して頭を下げる。

    「言葉遣いは直さなくていいぞ、猗窩座。
     君らしくしていて欲しい。
     そして、鬼について俺の知る全てを教えよう。
     君は今日から俺の継子だ!」




    こうして猗窩座は
    炎柱の継子となり、煉獄家で暮らすこととなったのだった。




    「ところで猗窩座」
    「ん?」
    「そろそろ俺の羽織を返してもらってもいいだろうか?」
    「え、これ……杏寿郎の?」
    「あの時君が握って離さなかったんだ。
     とても可愛かったぞ」

    ニコニコと笑う炎柱の前で猗窩座は顔を真っ赤に染めていたのだった。


    霞のかかったような記憶を懸命に思い出す。
    あの時自分は
    とても綺麗であったかい炎を手放したくなかったんだ。

    と、いう理由は話せないまま。






    それから直ぐに素流道場での基礎もあり
    杏寿郎とお館様からの依頼で駆けつけた行冥の指導もあり呼吸を身につけて試験には一回で合格した猗窩座。

    呼吸は炎からの派生、星の呼吸。
    日輪刀の色は菫色だった。

    刀は通常のものではなく両腕に装着する籠手と足首用の武具に隠されている暗器タイプ。
    刀を振るうよりも拳や蹴り技で戦う方が猗窩座には合っていたからだ。
    籠手と足にある武具が日輪刀と同じ素材でできているため弱い鬼なら頸も破壊できる。
    破壊が難しいときは隠していた刀を出して斬り込むようにしていた。

    もともとのセンスもあったのだろう。
    とんとん拍子に階級を上げていき、気がつけば猗窩座は杏寿郎とのペアとなり鬼を倒していっていた。






    これはそんな世界線でのお話。



    猗窩座にとって杏寿郎は家族とはまた違う
    とても大切な存在へとなっていくのだが……


    続きは、またどこかで。



                 【了】





        


    〔設定メモ〕

    星の呼吸
    炎の呼吸からの派生

    道を示す北極星のような
    煌めく星々のような
    星のように輝く花火のような

    猗窩座独自の呼吸


    壱ノ型 羅針
    弍ノ型 空式 天空
    参ノ型 乱式 流星群
    肆ノ型 滅式 新星
    伍ノ型 流閃群光
    陸ノ型 飛遊星千輪
    漆ノ型 奥義 青銀乱残光
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