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    BMB関連専用。ヒロルク🌟☄️やルクアロ🍩🍖などハスマリー多めになります。

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    【BMB】Webオンリー展示オマケ。

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    hbnho210

    SPUR MEルクアロ版ワンドロワンライ様よりお題をお借りしました。
    お題:「初夏」「脱ぎたての服」5/1【SIDE ルーク】

     床に、布らしき塊が落ちていた。洗濯物を落としたか、それにしては…と近づいて手にとった。それは見覚えのある裂目だらけのシャツ。どうしてこんなところに、ルークは脱ぎ捨てられたアーロンのシャツを拾って、シャツの持ち主を探した。バスルームをのぞいたが姿はない。リビングの窓辺に、今度はこれも見覚えのある、長い長い…どこまでも長いアーロンのデニムのパンツ。手にとると足の生地の分だけ余計に重く、これをアーロンは穿いているのかとルークは唸りながら、フと、そのデニムがまだ暖かいことに気づき、まじまじとデニムを見た。アーロンの、脱ぎたての服。その肉体に何度も触れ、アーロンの熱はもうとっくに知っているけれど、服からつたわってくる体温と云うものはまた、何か、こう、…端的に言ってしまうと、欲情する。そう自覚して、ルークはティーンエイジャーみたいな反応をする己の身体と理性の間で右往左往しながら、とある事に気が付いた。アーロンの服だけがここにあると云うことは、アーロンは今。初夏の風にカーテンがゆれている。ルークはわずかに開いていた窓を勢いよく全開にして庭へ飛びだした。
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    hbnho210

    SPUR MEルクアロ版ワンドロワンライ様よりお題をお借りしました。ヒロルク。そしてルークとアーロンが再会するもっとずっとまえ、まだ少年のルークと少年のアーロンの話。です。捏造アリ。
    お題:「意気地なし」「雪景色」11/27 雪をみるの、はじめてなの?
     埃のようにふわふわとしたものが空から降ってくる様子をいつまでも眺めていたら、不思議そうにそう訊かれた。ほんものを見るのははじめてだけれど、これが雪だということは知っていた。空から降ってくる真っ白なもの。さわると冷たい。何故、知っているのか。何かの本で見たことがあるのだろうか、それとも誰かが教えてくれたのか。誰が? 記憶を探ってみても、そこには地面にぽっかりと空いたように闇い穴しかなくて、何も見えない。その中に手をのばしてみても、手は虚空を彷徨うばかりで、何も掴むことは出来なかった。

     ルークは大人たちの目を盗んでドアを開け、外へ出た。振返って誰も気がついていないことを確かめると、そのまま、施設の門を出た。うっすらと雪のつもった地面を踏むと、蹠にしんしんとしみわたる冷たさに、魂までも凍ってしまう思いがした。空へむかって手をのばしてみたけれど、手のひらで受けとめた雪はすぐに溶けてしまう。ルークは空を見上げた。雪は、空のずっとむこう、銀鼠色の彼方から降ってくる。ルークの額に、頬に、睫毛に、雪はどんどん降ってくる。冷たい。冷たくて、そしてとても美しいと、ルークは思った。そして、この、真っ白で美しいものを、自分は知っている。雪のようで、雪ではない、でも、それが何であるのかは解らない。ルークは雪を、好きだと思った。この眼前にひろがる雪景色の見事さに胸がいっぱいになって、
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    hbnho210

    SPUR MEルクアロ版ワンドロワンライ様より、お題「歩幅」「メガネ」お借りしました!ルクアロです。老眼鏡が必要になりはじめた頃のルクアロです。ルクアロはおじいちゃんになっても骨になってもずっとずっと一緒にいると思っています。
    お題:「歩幅」「メガネ」3/19「お前、メガネなんか掛けてたか」
     洗いたての真っ白なシーツや青と白のストライプのシャツ、少しよれた赤いシャツやバスタオルがはためく午后の庭先でページを繰っていたルークは顔を上げて、眼鏡のフレームの端を指で摘まんで持ち上げた。
    「読書をするときだけだよ」
    「なるほど、老眼鏡ってやつか」
     アーロンは微笑って、ルークの傍らに座ると愉快そうに顔をのぞき込む。午后の陽光を反射するレンズのむこうでほそくなった瞳は、硝子の海のなかを泳ぐ翡翠色の魚のよう。アーロンはその魚を掴まえようと、凝、とみつめた。
    「アーロン、君には必要なさそうだな」
    「昔よりはだいぶ視力も落ちた」
     数年前に二人で作った木の椅子は二人で座るのに丁度良いサイズで、晴れた日の休日はそこで遅い昼食をとったり午睡をしたり、今日も初夏の訪れを前に青々と茂る樹の下でルークは読書をしていた。木洩れ陽にゆれる白いページに陰が射す。隣で、アーロンは何やら手のなかで小さな金属の欠片を弄んでいる。金属は擦合う度に小さい虫のような声で鳴いていたが、アーロンはまるで興味がなさそうだ。
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