藍家パロ たとえばこんな恋の始まり藍家パロ
俺には自慢の兄が二人いる、正しくは義理のお兄ちゃんだけどな。
両親が夜狩りで亡くなった事を知らずに一人で街を彷徨いながら迎えにきてくれるのをずっと待っていた。
寒い夜犬に追いかけられ雪に足を滑らせ俺は転んだ、そしてまた噛みつかれると体を小さくし震えながら身を守った。
「だれ・・か助けて・・」
震えて声が出ない、それにこの雪で人なんてまばらで見て見ぬふりだ・・こわいよ痛いよ寒いよ涙が溢れて今にも零れそうになった時犬の声が遠くになった。
「大丈夫かい」
俺はゆっくりと顔を上げた、そこにはお母さんと同じ白い着物を着たお兄さんが静かに笑い手を差し伸べていた。
「お兄さん誰?犬はもういないの?」
「ああ、もう君をいじめる犬はいないよ」
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