貴方に似合うのは自分が良い「……ん、……っ」
長く交わしていた口付けを離して彼の肩口に顔を埋める。膝の上に乗せられ、首元に触れられる唇の擽ったさに身を捩りながらお返しと言わんばかりに首筋、耳元に口付けを返せばふと、耳朶に僅かな凹みを見つけてそこにするりと指先を這わせた。
「……ふふ、なぁに」
甘い声が擽ったそうに笑いかけてくる。慌てて手を離せば諌めたつもりは無いのにと苦笑しながら見つめてきた。
「あっ、あの……耳、ピアスの痕あるな、って……」
「ああ、これね。昔バンドやってた頃は着けてたんだけど、アイドルの真似事してた頃に安易にプレゼントで貰ったピアス着けたらファンの子の間でトラブル起きちゃって……。しばらく着けるの辞めたら塞がっちゃったんだよね」
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