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    Sasaran_11

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    Sasaran_11

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    書いて貰ったdndzが可愛かったので許可貰って載せます。
    現代パロディ。喧嘩した日の二人。

    #だんだざ
    danza
    #dndz

    「……で、結局また、黙って出てったんだな」

    檀の声は低く、怒っているというより、呆れていた。
    太宰は玄関に立ったまま、濡れたコートの袖を絞りながら、黙って目を伏せていた。

    「なにか言えよ」

    「……別に、大したことじゃないと思ったんだ」
    「お前が“大したことじゃない”って思うこと、だいたい俺にとっては心臓に悪い」

    「だって、ほんとにちょっと歩きたかっただけなんだよ。窮屈で、どうしようもなくて」
    「俺といるのが、窮屈ってことか?」

    太宰がはっとして、顔を上げる。
    檀はまっすぐに太宰を見ていた。
    その目が、怒りじゃなくて、哀しみを滲ませていたから、余計に胸が痛んだ。

    「違う、違うよ。お前といるのが苦しいんじゃない。ただ、自分が自分を閉じ込めた檻の中で、勝手に暴れてただけで……」
    「でも、そのたびに俺を置いてくな」

    太宰はぐっと口をつぐむ。
    檀はゆっくり息をついて、タオルを一枚、太宰の肩に掛けた。

    「お前がいなくなった時、俺は全部最悪の方向に考える。お前はそういう人間だから」

    「……うん。ごめん」
    「怒ってるけど、嫌いにはならない。でも、何度もやられるとさすがに疲れる」

    太宰はタオルを握りしめて、かすかに笑った。

    「じゃあ、今度からは……逃げる時は一緒に連れてくね」
    「逃げるなよ」
    「じゃあ……お前の腕の中だけに逃げるようにする」

    檀は何も言わず、太宰の頭に手をのせた。
    濡れた髪を、静かになでる。

    「腹立つくらい甘え上手だよ、お前」
    「知ってる。でも、お前しか甘えられないんだ」

    「……ずるいな」
    「お前もね」
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