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    Sasaran_11

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    Sasaran_11

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    書いて貰ったdndzが可愛いので許可貰って載せます。

    「……眠れないのか?」

    カーテンの隙間から漏れる街灯の明かりの下、檀がぼんやり目を開けていた。
    布団の中で、背を向けている太宰に声をかける。

    「うん、ちょっとね」
    太宰の声はかすかに揺れていた。

    「雨音がうるさくて?」
    「ううん。違う。……生きてると、時々“やりすごした日”があるなって思って。今日が、まさにそれだった」

    檀は眉を寄せて、少し身を起こす。

    「……やりすごしただけでも、立派だと思うぞ」

    「……お前は、やさしいね。ほんとに」
    太宰はぽつりと言って、少し笑ったようだった。

    「やさしいっていうか……お前がここにいてくれてる、それだけで、俺としては万々歳だ」
    「ふふ。それ、言ってる本人は簡単でも、受け取る方は泣きたくなるんだよ」
    「じゃあ、泣けよ」

    檀が毛布ごと太宰を引き寄せる。
    太宰の背中に檀の体温がぴたりとくっついて、彼は目を閉じた。

    「ねえ、檀」
    「ん?」
    「今夜、死にたくならないように、いっぱい甘やかしてくれる?」
    「死にたくなっても、お前が死ぬ時は俺も死ぬからな。そこんとこだけ忘れるなよ」
    「……馬鹿だなあ、君って」

    「知ってる。でも、お前より馬鹿にはならない」

    雨の音だけが部屋を満たしていた。

    それでも、心の底から静かで穏やかな夜だった
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