ORANGE「へ?」、と間の抜けた声がした。
大きく見開かれたその金色の瞳には、間抜けな顔をした自分が映っていた。
「ホメロス、ホメロス!」
あちこち探してやっと見つけた友人は、こちらの姿を認めると嘆息した。
「なんだ、グレイグ。図書室では静かにしろ」
「ごめん、でも、聞いてくれよ!俺、彼女が出来たんだ!」
「へぇ…へ?」
目の前の男は先程の彼女と同じような反応をした。
「…お前今なんて言った?」
「だから、俺、彼女が」
「彼女?」
「ああ、あの、最近入ったメイドの子。ほら、この間メイド長に紹介されただろ、小柄な」
「赤毛の?」
「そうそう、その子にさっき、付き合って下さいって言われて。
俺、そんなの初めて言われたから」
「承諾したと?」
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