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    miya_ko_329

    @miya_ko_329
    完成できなかったネタはおもむろに増えてたりします。

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    miya_ko_329

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    反逆の終盤。(特になにもない)ベッドの上の皇帝と魔女。

    コードギアス/ルルC 端末のディスプレイと殺人的な厚さのレジュメで酷使された目は、解放されてなお焦点がぼやける。ちらりと時刻を確認すると、それさえ後悔しそうになるような時間だった。日付が変わったのは気が付いていたが、まさかこんな時間になっているとは思わなかった。念のため違う時計で確認すれば、やはり寸分違わぬ時刻を示していた。ようやく現実を受け入れて、ルルーシュはのろのろと椅子を引いた。体力勝負はまるで専門外だが、こういった事務処理は破天荒なあの会長率いる生徒会で(幸か不幸か)散々慣らされてしまっていたので、存外対処しきれるものだった。おまけに学生とレジスタンスという二重生活のおかげで、睡眠時間が多少足りなかろうが、何とかなってしまう体になってしまっていた(ただし授業中はありがたく休養時間とさせてもらっていた)(こういう時、学生というのは気楽な身分だったとしみじみ思う)。
     かの有名な英雄は、一日三時間しか寝なかったという逸話があるが、俺だって負けてないな、とルルーシュが心中で不毛な張り合いをしてみたところで、誰が何を言うわけでもなかったが。
     複雑な心境で、皇帝は執務室を後にした。

     ペンドラゴン宮殿の中でも、皇帝が本来使うべき部屋は恐ろしく広く、いっそ非効率な程だったが、その部屋を使うつもりは毛頭無かった。自分が葬った父親の居室を使うなど、悪趣味にも程がある。そういうわけでルルーシュの現在の私室は、彼の立場からすれば場違いな程質素なものだった。
     寝室と続き部屋になった控えの間で、カフスボタンを外す。襟も緩めると、大分楽になった。皇帝の装束とは見栄えを重視するものだから、その他の要素はこの際二の次三の次だ。さすがに皇宮内でのデスクワーク中にもマントを着用するわけではないが、宮廷での衣装というのは兎にも角にも肩が凝るものだ。上着とブーツを脱げば、ようやく皇帝の一日も終わりだ。そこでようやくルルーシュは息を吐いた。
     皇帝とは、神聖ブリタニア帝国という舞台の上の主演でもある。舞台に上がり続ける限りは、皇帝の仮面を付けなければならない。つまるところ、皇帝というものは『皇帝』という役を演じてみせるのが仕事であるとも言える。
     何よりも虚構を嫌っていたあの男が、よく何十年も演じていたものだ、とルルーシュは、父親のその点に関してだけは同情を禁じえなかった。
    (俺は役者というよりも脚本家なんだがな)
     しかし、書いた脚本を完成させるためには、自分が舞台に上がることも時には必要だ。そして最後に潔く幕を引くのだ。その為の白の皇帝装束だ。さぞ赤い血が映えることだろう。自嘲めいた笑いを、そうして一つ零した。
     脚本家兼演出家兼役者というのは、やはり疲れるものだな、とルルーシュは寝室のドアを開ける。間接照明で仄明るくなっていたその部屋には、皇帝の名に見合うだけのサイズのベッドが鎮座しているのだが、問題はそこに先客がいたことだ。
    「……おい、そこは俺の寝床だ」
     あまり効果がないことは実証済みだったが、それでも声をかけずにはいられない。果たしてそこには、シャツ一枚身に付けただけの少女――というのはあまりにも語弊があるのだが――がしどけなく横たわっていた。
     例の正体不明のぬいぐるみを腕に抱え、それに顔を埋めるようにしていた。長い髪が白いシーツの上に散らばり、彼女の身体には大きいシャツの裾から覗く脚は、女性らしい曲線を描いてすらりと伸びている。傍から見れば、実に扇情的な光景なのだが、時と場合、そして人による。狸寝入りを決め込んでいたC.C.の目が悪戯っぽく開かれる。
    「何だ、つれないな。せっかく待ってやっていたというのに」
     どうやって部屋に入ったか云々は、この魔女に関しては意味を成さない。
    「人のベッドで遠慮なく寝転んでいることを、待っているとは言わない」
     そうぼやきながら、ルルーシュは着替えることにする。
     異性の前での着替えには抵抗があるが、魔女は女の範疇に入らないと思うことにした。いちいち気にしていたら、身が保たない。ただでさえ体力の無さには自信があると言うのに。
    「無駄に広いベッドを私が有効活用してやったんだ、ありがたく思え」
    「どう感謝しろと?」
     それなりの重さの衣装を袖から落とし、代わりに簡素なシャツに腕を通す。脂肪も筋肉もろくに付いていない体躯は、衣服を身に付けてなお線の細さが際立つ。
    「一人寝は寂しいだろう?」
    「何を……」
     C.C.のどこまで冗談だかわからない言動を聞き流して、ルルーシュは彼女をベッドの半分にまで追いやった。不満気な声は無視する。元々自分のベッドだ。文句を言われる筋合いはない。ただ、追い出すことはしなかった。温情と言うよりは、後々の面倒を思っただけのことだったが。
     そんなわけで、ベッドの上には二人寝転ぶことになったが、それでもまだ身動きするのに気遣いが不要なほどの余裕はあった。
    「……しかし、お前はあれだけデスクワークをしておいて、さらに本を読むのか」
     呆れるようにC.C.が目を向ければ、ルルーシュは寝転がりながらペーパーバックを開いていた。
    「あれは仕事で、これは娯楽だ」
    「活字中毒か」
     その言葉に、何とでも言え、とルルーシュはページを繰る。
    「これだけ読んだら寝るさ」
     やれやれ、とC.C.はようやく寝る体勢になる。互いに背を向けるように横になっているので、表情はわからない。ただ、背中合わせにC.C.は言葉を投げかける。
    「なあ」
    「何だ」
    「お前はやっぱり『ルルーシュ』なんだな」
    「何をわかりきったことを」
     あまりにも当然のことを言うので、そう答えるしかない。
    「ここへ来てからも、寝る前の習慣は変わらないんだな、ということさ」
    「俺は俺以外の何者でもない。何時、何処でどうしていようが、な」
     ごく自然に返された言葉に、結局そういうことなのだと、C.C.は一人納得した。
    棄てられた皇子であろうが、学生であろうが、謀反人であろうが、皇帝であろうが。
     彼は彼でしかない。
     そして自分にとっては、永い時の果てに出逢った、契約者。いや、共犯者か。
    「ル……」
     再びC.C.が呼びかけた名前は最後まで音にならなかった。返事が微かな寝息だと気付いたから。彼女の最初にして最後の共犯者は、本の間に指をはさんだまま、目を閉じていた。
    「……ああ、お前は変わらないよ」
     常ならぬ柔らかな声でC.C.は、目にかかるルルーシュの長い前髪を払ってやった。
     夜が明ければ、役者はまた舞台に上がらなければならない。けれど、夜の帳が下りている間は、せいぜい夢見ているが良い。
    「おやすみ、ルルーシュ」
     照明の電源を落とし、魔女もまた束の間の安らぎに身を委ねた。人の気配と温度をその背中に感じながら。

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    miya_ko_329

    CAN’T MAKE2ED後。いろんなひとのはなしを経て約束の場所にたどり着く2主が書きたかった。
    幻水/2主人公 僕らはいつも背中合わせの関係だった。
     小さい頃からずっとそばにいたから見るもの聞くものは同じものだった。けれど彼は僕みたいに前ばかり見ていないで、後ろのことも時々振り返って見ているような子だったので、「ヤマト、ほら落としてたよ」とポケットか何かに入れておいた僕の大事なものを拾い上げてくれるのなんてしょっちゅうだった。ナナミも「あー! またヤマト落し物して!」なんて言っていたけれど、自分だって彼に落し物を拾ってもらったことは一度や二度ではないはずだ。
     ともかく、僕と一緒に歩いていたはずの幼馴染は、前しか見えていない僕が見落としていたものもきっと多く知っていたはずなのだ。


     ハイランド皇都ルルノイエ陥落から数日が過ぎ、デュナン城の人の出入りは一層激しくなる。傭兵としての契約を終え出立する者、戦争終結に伴う事務処理のため招聘された文官、物資を搬出入する業者……コボルトやウイングボートも含むありとあらゆる人間がこの古城を旅立ち、あるいはたどり着く。とにかく人の往来が激しいので、そのどさくさに紛れてしまえば出るのはそれほど難しいことではなかった。城内の中枢はさすがに警備が厳しいが、商店が軒を連ねるエリアはほぼ誰でも出入りが可能だ。
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    miya_ko_329

    CAN’T MAKE書きたいところだけ(ガエリオとヤマジンの辺り)。CPメインじゃないはなしだったが、結局ガエジュリになったった。
    鉄血/ガエリオとジュリエッタ 永遠ではなく、けれど不変の。

     寒さは嫌いではない。互いの身を寄せ合うための格好の口実になるから。
     別に訳もなく引っ付いても許されるだろうけれど。

     温かさを保証する柔らかな寝具に包まれながら窓の外を見遣る。ほとんど白に近いような薄い青の空と、鈍い色の常緑樹や裸木の木立に目を遣る。温暖な海域を漂うことが多いヴィーンゴールヴにある自宅から見える景色と、色も空気も何もかもが違う。すべての景色の彩度は低く、太陽光は薄い雲の向こうから射していてどこか遠く感じる。慣れ親しんだ潮の匂いを多く含んだ大気はここにはなく、湿った土や木々を感じさせるものが取り巻いている。馴染みのないはずのそれらは、けれど決して不快ではなかった。たとえ自立が叶わない身ではあっても、大地に足を下ろしているのだと実感するからだろうか。宇宙空間とは明らかに違う圧倒的な安定感。それでいて絶えず変化する景色。薄い雲が流れて太陽がさっきよりもやや強い光を地上に落とす。一瞬たりとも同じ風景は無い。移ろう時間を感じられるのは大地の上で生きているからこそだ。あれほどに長く星の海に身を置いていても、結局自分が帰る場所はこの惑星の大地だった。
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