SW/レイとパドメとベン その星の美しさを謳う言葉なら何度も聞いてきた。水と緑に満ちた光あふれる穏やかな惑星。あらゆる意味での始まりの場所だと言っていたのは、フォースと一体となって久しい師たちだった。彼らのルーツの一つでもあるその惑星は、きっと良いところなのだろうと思いつつも、足を向けることにどこか躊躇していたのは、そこが自分にとっても縁がない場所とは言い切れなかったからだ。断ち切ってしまっても一向に構わない繋がりではあったが、好悪にかかわらず自分に流れる血は変わらない。流れる血は変わらずとも、自分の生き方は自分で決められるのだと、今のレイは知っている。
だから、そこに降り立つことを決めたのだ。
「綺麗なところ……」
噂に違わぬ景観に、思わず息を吐く。ジャクーの乾いた熱風とは全く違う、肌になじむ程よい潤いを含んだ大気の流れが、レイの髪を揺らす。
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