祝『ーー、大丈夫か?』
ふっと背後から聞き慣れた声がした気がして振り返る。そこには当然誰もいやしないが、それでもあの声は確かに俺が尊敬して言葉には到底できそうにもない友情なのか愛なのかわからない何かを抱いたあの葬儀屋がいた気がして、右には新、左にはたった今旅立った想が、自分の背を押した気がした。
『俺の分まで幸せいっぱい見てきてくれよ!』
『生きていて下さい。貴方の思うままに』
『俺の分までそっちの子たちを頼んだ。ーー』
「……。あぁ、きっとこれも俺の役目なら。」
いつか運命絶えるその日まで。
愛を祝い続けるこの役目を、命の終わりを見届けるこの役割を、迷い子を導くこの使命を。
例え誰の命が絶えようとも、俺の中に君たちが生きているのならすぐに逢える。
見えなくても、きっと傍にいるのだと。
綺麗事だと笑われても、綺麗事さえ信じれないような人に与えられる加護など知らないのだから、何も気にしないさ。
信じてるさ。俺を導くのはきっと祝だって。