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    gerkej1006_cp

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    現パロ喫茶店スモロ
    4話目

    自覚した気持ちに「恋」という名が付いた瞬間
    現パロの🐯は🏴‍☠️の時のクルーメンバーには甘えていて欲しい

    #スモロ
    smorgasbord
    #カウンターの片隅で

    カウンターの片隅で#4 しろくまの店で美しい女性と一緒に居たスモーカーを見てからというもの、スモーカーと顔を合わせたくなくて喫茶店から足が遠のいていた。次に顔を合わせてしまえば自分の胸の内に発生したこのドロドロとした感情を子供の癇癪の様にぶつけてしまいそうになるからだ。喫茶店の店員と常連の客。その関係を壊してしまうのは誰も幸せにならないと理解しているつもりだった。だからこの名前が分からない感情に蓋をして墓場まで持って行けばいい。
    丁度大学の行事やらで忙しくなったのが幸いだった。モヤモヤを追い出すように用事に没頭する日々を送っていた。
    一ヶ月半が経とうとした頃、ようやく纏まった時間が出来たのでイッカクに頼み込んでしろくまの店に着いてきてもらう。相変わらず若い女性達でいっぱいではあったがイッカクと二人で、と言うだけで入店難易度はグッと下がった気がする。不思議なものだ。
    「まー確かにこれは男三人はきついですよねぇ…。」
    「悪いな、着いてきてもらって。」
    「いえいえー♡キャプテン直々の頼みですし奢ってもらってるのでむしろありがたい位ですよ。」
    「そうか。」
    話をしながらメニュー表を見る。しろくまをかたどったパンケーキや3DラテアートなどSNS映えすると評判になる可愛いラインナップが多く、何にしようか迷う。一定の金額ごとにランダムで非売品のコースターも貰えるとの事なのでなるべく多く食べる必要がある所ではあるがイッカクに無理はさせられないし、そもそも期間限定の店ではないので一度にコンプリートさせる勢いで挑む必要は無いのだ。パンケーキはイッカクに頼むとして食べられそうなパフェとラテを頼むことにした。
    注文を終えてため息を一つ着く。一つの大きな仕事をやり終えた気分だ。
    「最近忙しかったですもんねぇ…。」
    「そうだな…。」
    「まぁでも山は越えたんですからゆっくり出来ますね。」
    「だな。」
    ゆっくり出来る、と認識した途端一ヶ月半無視出来ていたスモーカーの顔とあの日のことを思い出してしまって眉間にシワが寄ったのをイッカクは見逃してくれなかった。
    「やっぱりキャプテンなんかあったでしょ。」
    「あー…まぁ…。」
    「もう、キャプテンはすぐ溜め込むんですからちゃんと吐き出さないと。」
    「う…。あー、その、聞いて貰えるか」
    「勿論」
    それからポツポツと、気に入りの喫茶店の事、スモーカーの事、自分の中のモヤモヤをイッカクにゆっくり話して言く。イッカクはその間静かに耳を傾けていてくれた。全部話し終わってからイッカクは口を開く。
    「まぁ、それは恋しちゃったんですね。」
    「こい魚の方ではなく。」
    「Loveの方の恋ですね。要するにキャプテン、そのモヤモヤは嫉妬です。」
    「嫉妬。」
    「後、意外と彼の事知らなかったんだって言う落胆というか絶望も少し入ってる気がします。そもそも喫茶店で働いてるところしか見てきてないでしょその状態で相手がいたのかってなってしまった。自分の知らない彼がいる事を知ってしまって混乱してるんだと思います。」
    そう言われてストンと自分の中で腑に落ちた。確かにイッカクの言う通り俺はスモーカーの事を喫茶店で店員をしていること、コーヒーを入れるのが上手いこと、知識が豊富なことなどくらいしか知らない。プライベートのスモーカーを何一つ知らないのだ。それで、プライベートを過ごすスモーカーが美人といることに嫉妬して、何も知らない自分を突きつけられた事にモヤモヤしていたのだ。
    「それで、どうするんですキャプテン。」
    「どう、とは。」
    「このまま諦めるのか、当たって砕けるのかって話です。」
    「俺は…。」
    「お待たせしましたーご注文の品です」
    言葉に詰まっていればタイミング良く注文した物が運ばれてきた。白い生地で焼いたしろくまの形とデコレーションされたパンケーキに可愛らしいしろくまを型どった3Dラテアート。パフェはホイップクリームの部分にくま型のクッキーが添えられていて、メニュー表で見るよりも大きめで食べ切れるか少し不安になった。
    「ま、今すぐ答えを出す必要はないんですからゆっくり考えましょ。今は目の前の美味しそうなの食べないと」
    「…それもそうだな。」
    写真を何枚か撮ってからいただきます、とパンケーキに食いつくイッカクを横目に自分も思っていたよりも大きいパフェに向き合った。添えられているクッキーやフルーツを先に食べてからホイップやソフトクリームを崩しつつ食べていく。甘めかと思っていたのだが、案外甘すぎず全部食べ切れそうで安堵した。
    黙々と食べていれば、いつの間にかパンケーキを食べきっていたイッカクが口を開いた。
    「さっきの話の続きなんですけど、キャプテンが行動した結果、どういう結末になっても私達はキャプテンの味方ですし、なにか進展あったらパーティしましょ。」
    「ん…。」
    「やらない後悔よりやる後悔、ですよ。ファイトです」
    「ありがとな。」
    「いえいえー。あ、それと話変わるんですけどハクガンとかウニとか他の人らもキャプテンと遊びたがってたので時間見つけて構ってあげてくださいね。」
    「善処する。」
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