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    ヒロ・ポン

    支部ないです。ここに全部ある。

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    POIPOI 147

    ヒロ・ポン

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    二度と帰ってこれない遠い国での隷属が決まったカジちゃんとでも思ってください
    お題メーカーより

    門梶終わらせなければならない。

    熱いままの彼が体から抜き去れらた時、体のなかに大きな空洞ができた。
    もとからそこは集まって埋まることなどない生まれつきの筒であるというのに、失ったという感覚がした。
    薄い膜の中からこぼれ落ちもせずなんでもないように捨てられた体温が惜しかった。

    明日には貨物船に忍び込み遠い国へゆく。
    負けの代償はこの身ひとつで、最後に抱いてくれとねだったのは僕だった。
    残酷な猶予を与えて来た勝者の前でしおらしく「家族に別れの挨拶を」といって、まっすぐに門倉さんの家に来た。
    いっそこの人にその手の力ひとつで終わらせてもらえたら幸せだった。けど門倉さんはそんなことはしない。
    僕を生かしたままこの部屋から出して、僕を生かしたまま船に乗せる。そしてコンテナから出て来た僕を出迎え、相手に引き渡す。
    二度と帰れない場所に奪われる僕を立場を全うして引き渡し、よい仕事をして帰るのだ。
    好きだと思った。ずっとそのままでいてほしいと思った。その願いを感じ取ってか、最中に僕を引き留めたり、逃亡を提案したりなんてしてこなかった。もっと好きになった。
    いつもの一緒に過ごした次の朝みたいに門倉さんが車で送ってくれる。ホテルの前のロータリーに入って玄関で僕を下ろした。
    「じゃあまた明日」
    最後の日は家族と過ごす。門倉さんはまだ、家族じゃない。
    でも、夜に注がれた愛に流されて僕は門倉さんを振る事ができなかった。いや、振る事「も」できなかった。

    ここはいつものホテルじゃない。僕の帰る場所じゃない。このホテルに予約なんて入れてないし、僕はフロントにも行かない。
    ただ泣いて歩いた。見知ったようで知らない街を、青い標識と人の流れに任せて、二度と会わないだろう人々の目を受けながら。

    ああ、誰か。誰でもいい。本当は嫌だけど、もう誰でもいい。この身をばらばらにしてどこかに捨ててくれ。無価値なものにしてくれと、それならと、ただ叫び出したかった。



    号泣
    ゴミ箱
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    トーナ

    MOURNING一度は書いてみたかった門梶♀信号が赤から青に切り替わったのを機に、止めていたハンドルを動かす。時刻はすでに終電を迎える頃だった。遅くまでかかった残業を思うとはらわたが煮え繰り返る。同僚の立会人のせいで事後処理が遅れたのだ。必ず、この恨みは後日に晴らすとして。
    『門倉さん?』
    「聞こえていますよ。大丈夫です」
    『なんだか、機嫌悪くないですか?』
    「そりゃあ、どっかのバカのせいで仕事する羽目になりましたからね。せっかくの半休が台無しです」
    スピーカーホンにしたスマホから漏れる彼女のの乾いた笑い声がした。おそらく梶の脳裏には急務の報せを受けて凶相になった私を思い浮かべたかもしれない。
    『本当に、お疲れ様です…。門倉さんにしか出来ないことだから、仕方ないですよ』
    梶の宥めるような声がささくれ立った私を落ち着かせてくれる。
    「梶、眠くないん?」
    『んん…、もう少しだけ』
    「また薄着のままでいたら、あかんよ」
    『でも、かどくらさんとはなして、いたい…』
    どこか力が入らなくなってきてる彼女の声に眉をひそめる。共に過ごせなかった半日を名残惜しむのはいいが、前科があることを忘れてはいまいか。
    「明日、無理やり休みもぎ取ったから、い 1173