告白─サニーの場合─
気になっているカフェがあって、休みの日にそこにいこうかなと思っていたところ、シュウ先輩から明日何してるの?と声をかけられた。
同じ場所が気になっていたみたいで。一緒に行きませんかと誘えばにこやかに頷いてもらえた。
一緒にドリンクとケーキを頼んで、他愛もない会話をしながら、バレないように先輩の隅々まで観察する。
スラッとしてるけど小柄な身体。
小さい手。
細い指。
サラサラの髪の毛がかかる白い肌。
長いまつ毛と小さな口。
何もかもが魅力的で。
「─そんなに見つめられたら、恥ずかしいんだけど」
顔を真っ赤にするシュウ先輩。
あれ、もしかしてバレてた?
「僕になんか言うことある?」
いたずらに笑う先輩。
ああ、かなわないなぁ。
「貴方が、好きです。」
─アイクの場合─
初めて声を聞いて、こんなに心惹かれることに驚いた。
一緒に過ごすにつれ聡明な君は、子供っぽい一面も見せるようになって。
いつまでも君を見ていることを飽きさせてくれない。
通話が終わったって、考えることは君でいっぱいで、このあふれる気持ちをどうしようかと、今ここに綴っている。
我慢ならないのだ。
私が君でいっぱいになるなら、君も私でいっぱいにしたい。
強欲だろうか。しかし、許してもらえるなら、これを読み終える頃に私は君の前に現れるだろう。
綴られた文字一つひとつに顔を赤くして、最後まで読み切るとパタン、とシュウは持っていた冊子を閉じる。
目の前には、それの著者が。
緊張しているのだろうか、鋭い瞳がシュウを射抜く。
「─シュウ、僕と、恋人になってくれませんか?」
─ミスタの場合─
どっちから言い出したのかは覚えてない。
でも自分もシュウのことはずっと好きだったから、友達以上になれたときは嬉しかった。
一緒に住んでからも毎日が幸せで。
でも最近それが慣れすぎててちょっとマンネリ化してる気がする。
なんか友達に戻ってる感覚。
それはそれで居心地は悪くないんだけど。
エンターティナーとしては、こう、ぱっと驚かせたいよな。
シュウがでかけたのを見計らって、リビングを風船でいっぱいにして、デリバリーでケーキを頼んで、彼が帰ってくるのを待ってた。
ガチャ、と帰ってきてドアを開けた先には、大きな花束を抱えたシュウの姿。
「ばぁ!・・・あれ?」
「えっ、シュウ、なにこれ??」
二人でキョトンとして見つめ合う。
ふたりとも考えることは一緒だったようだ。
大きく笑う二人。
ぎゅっと抱きしめあって、愛をささやく。
「シュウ、大好き。」
さぁ、ケーキを食べよう。
─ヴォックスの場合─
場所は、落ちついたレストランで。
知り合いにいい店を教えてもらったんだ、と言って連れてきたのはシュウからすれば高級レストラン。
こんなとこ僕がはいっていいの?と聞くので、もちろん。と手を繋いで入店する。
個室を用意してもらってコース料理を堪能する。
終始落ち着かないような様子のシュウに、思わず笑うと、酷い!と少しふてくされるので、最後に頼んでおいたデザートを用意してもらう。
目の前に現れるのは、皿の上にドームように白いチョコがのっている。
横においてあるホットチョコレートをかけると溶けて中身が見える仕組みだ。
それを見たシュウは目を輝かせて、機嫌を治す。
中には何が入っているのだろう。
ワクワクしながらそっとチョコをかける。
そこには小さな箱が。
シュウがそれを手にして開く。
その瞬間に、想いを伝える。
「シュウ、愛している。結婚しよう。」