ありがとうを泣きながら『今もこれからも、どんな君でも強く愛することを誓うよ。これが一生に一度の愛だと、決して忘れないことを約束する』








恋を、した。
人を、愛した。
大事な、大事な人。


＊＊＊
静かな朝。
｢おはよう、凛月｣
｢おはよう、兄者｣
髪の毛も、服もきちんとセットし終えた零がテーブルに着く。それを見計らって、凛月は朝食をテーブルに並べた。
｢おお、今日も美味しそうじゃ♪｣
｢美味しそう、じゃなくて美味しい、の｣
｢そうじゃな、凛月の作る料理はどれも美味じゃ｣
手を合わせて、一緒にいただきます、と言う。一口舌鼓を打てば、零はにっこりと笑った。毎日毎日、飽きずに凛月の料理を美味しいと言ってくれる。それを正直に嬉しいだなんて思ってしまうほどには、凛月も大概零に惚れていた。

香水ある昼下がり。花曇りの空は苦手な日差しを遮っていた。

｢凛月、よく来てくれたの｣
｢ごめん、待った…？｣
｢いいや｣
おいで、と手を伸ばされて手を繋ぐ。寮生活の中、たまにこうして2人だけの秘密のデートをする。もちろん、変装のためにメガネも帽子もつけるけど、手はやっぱり恋人繋ぎをする。
いつも特別だけど、今日は俺にとっては少し、もっと少し特別。
ほんのちょっと距離を詰めて、隣を歩いてみる。
｢おや、……シャンプーでも変えたのか？｣
｢…ううん｣
俺の変化に聡い兄者が好き。
｢香水…この匂い、わかる？｣
｢凛月、もしかして｣
実家に昔、お兄ちゃんが置いてけぼりにしたナイトテーブルの上のもの。懐かしくって、でもちょっぴり恥ずかしかったけど、

鈍痛｢あれ、零くん首元どうしたの？｣
明るい髪色の相棒が、自分の首の付け根を指さして言う。それがワイシャツの襟からはみ出ているのに気付いた零は、慌てて襟元を隠した。
｢猫にでも引っ掻かれた？｣
｢まぁ……そんなとこかの｣
仰々しいくらいに貼られたガーゼ。目を凝らすとほんのり朱が見える。
｢痛そう｣
顔を顰める相棒を横目に、零はどうしたものかと首を傾げた。


それが付けられたのは昨夜のことだった。情事中、抱きしめていた愛し子がガブリと首筋に喰らいついた。突き刺さる牙の鋭い痛みに、思わず顔を歪めると、その子は顔色を一瞬で青くして、すぐさま口を離した。
｢ご、ごめんっ…｣
｢大丈夫……｣
自分の血の匂いが鼻をつく。思わずえづきそうになるが、何とかこらえて、よしよしと頭を撫でた。

明かり凛月が寝る時に電気を消すのは幼い頃からの習慣だった。眩しい太陽みたいでこわい、と昔はぐずったものだったから。
だから、いつもだったら、すぐにでも電気を消して寝床に入るところなのに。
今、凛月がそれを出来ないのは

目の前にいる先客のせい。

(兄者……俺のベッドで眠ってる……)
ちょっと、と怒り気味に言って布団から追い出したいところである。しかし、いつも無理やり起こされるのを嫌がってる身としては、道理に適わないかな、と思いつつそっと近くに寄った。
滅多に見れない、兄者の寝顔。普段は凛月が眠ったのを確認してから零は眠るし、お腹を空かして起きた凛月に朝食を出すために、零は凛月より早く起きる。しかも凛月のためにすべての電気を消すのだから、いくら吸血鬼で夜目が効くとはいえ、ここまではっきりとは見えない。

今天女仆小姐也没能篡位“今日的甜品是焦糖烤布蕾，内馅是糖渍小番茄，饮料是冰镇苏打。”


随着女仆风铃般悦耳轻柔的声音缓缓落下，年轻的男子端着托盘，将两份甜品和饮料送到了自家首领和客人的面前。

西装革履的年轻男子不过是碰巧要向首领汇报近况，结果报告没能提交上去不说，还被前几天新晋的“女仆长”赶鸭子上架当起了临时的服务生。

男子最初是想拒绝的，但无奈对方不知道什么时候抵在自己腰上的手枪过于冰冷，他最后还是出于同事爱答应了对方的请求。


但不得不说，这两份焦糖烤布蕾的卖相恐怖到让上菜的青年也不由得下意识的抖了三抖，绛紫色的软心上是茶色的焦糖，鲜红的小番茄点缀其间，类似章鱼触手一般的不知名物品自上而下贯穿了整个甜点，青年甚至亲眼看到了这个触手时不时还会蠕动一下。

【零凛】琴房“凛月？”

朔间零在玄关处换好鞋，正想着再叫第二声，就听见二楼琴房里隐隐约约传来悠扬琴声。



曲子很熟悉。



朔间零悄悄推开琴房的门，看到自己心爱的弟弟浑身上下只穿了自己的白衬衫，坐在钢琴前，灵巧白皙的十指在黑白的琴键上跃动。



“哥哥，你回来了。”



朔间零走进来带上门，手搭在了凛月的肩膀上。



“啊，是那首曲子呢。”



凛月弹的曲子，是在小时候刚刚学钢琴的时候，朔间零亲手教的他，也是他学的第一首曲子。



“哥哥，一起吧。”

四只白皙的手在黑白的琴键上跳跃，一串串的音符倾泻而出。



朔间零的余光看到了凛月锁骨上的点点红痕，一直延伸到衣领里。

朔间零想着，看来要好好说说凛月了，都不好好穿衣服，衬衫连第一个扣子都没系，下面也不穿裤子，就算是再大的衬衫也不能完全遮住屁股啊，这样还真是像在勾引人呢。

【零凛】玫瑰香水今天是他们交往三年的纪念日。

三个春夏秋冬，一千多个日日夜夜，朔间零感觉很幸运，这么久的时光可以以恋人的身份和凛月携手走过。



朔间零早早地推掉了纪念日当天的工作，趁着凛月训练的时间，开始布置家里。



玫瑰花瓣从玄关一直铺到卧室，桌子上也放着花店刚刚送来的新鲜玫瑰，银白色的烛台上，火苗忽闪忽闪。



卧室的床头柜上放着零上个月就给凛月买好的礼物。





朔间凛月回家的时候，一度怀疑自己走错了地方。

他抬头看了看门牌号，没错。



一定是他打开方式不对吧。



凛月深吸一口气，重新拧开了门。



“凛月！Surprise！”

“兄长？今天什么日子？”



“oioioi凛月不记得了吗……小零好伤心……”

“我说你啊，不要动不动就假哭啊。”



凛月假装嫌弃的把自家兄长从身上推下去，坐在餐桌旁。

【零凛】猫变人“诶？哪里来的猫啊。”

细细密密的雨水落在透明的伞面上，再顺着弧度落回地面。



朔间凛月看到了一只同体黑色的小猫，那双红色的眼睛紧紧盯着他，让他内心不禁颤抖了一下。



“那，要和我回家吗？”





朔间凛月和地毯上的小黑猫大眼瞪小眼，所以，还是稀里糊涂的把这只小东西带回来了，可是，家里没有猫粮没有猫砂，什么都没有。

凛月抬手揉了揉那只黑猫的脑袋。

“委屈你了，明天我就去买。”





从此，朔间凛月家里便有了一个新成员，名字也是取了凛月的姓氏，名叫朔间零。



只不过真的是很傲娇就对了。







“阿拉，小凛月家里养了只小猫呀？”

“呜哇！小猫，好可爱！inspiration涌出来了！”

“雷欧君不要在别人家乱涂乱画啊！真是超烦人。”

“凛月前辈，打扰了。”