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    Lei

    @PkjLei

    妄想や幻覚を捏造たっぷりで書いてます

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    Lei

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    兄弟、学パロ、メイド、バンドという妄想幻覚詰込みセット
    いつも通り🦊愛され気味

    兄弟への歌「絶対、誰にも!俺が!文化祭で!歌うって言うなよ!!!!」
    1ヶ月後の文化祭でバンドを組む友人からボーカルをしてくれないかと頼まれた俺が出した条件はただ1つ。俺の兄弟達には俺が歌うことを教えないこと。もし仮にバレでもしたら、きっと皆揃って観に来るに違いない。なんなら、カメラまで用意する勢いだろう。ただでさえ自信がないボーカルをやるのに、それを記録に残されたらたまったもんじゃない。ヴォックスが家にある超高性能カメラで撮影する幻覚が今にも見えてきそうだ。ただでさえ俺の兄弟は全員歌が上手い。そんな兄弟に囲まれた俺は、すっかり歌に苦手意識があった。それなのにボーカルを承諾したのは、2週間にわたる友人からの熱心な勧誘にもはやノイローゼになりそうだったからだ。嫌だって言ってるのに、こいつ語尾に必ずボーカルやらない?って聞いてくるんだぜ?ロボットみたいだ。でも俺をわざわざ誘ってくれることに、嬉しさを感じている自分もいる。1つ下の学年にはルカ、1つ上にはシュウがいるのに、俺を誘ってくれてるんだよ?やるからにはちゃんとやろう。バンドでの練習は週2回。それ以外も自主練をしようと心に決め、バンドメンバーとの顔合わせに向かった。

    「最近ミスタの帰り遅くない?」
    ルカが部活から帰ってきても、ミスタはまだ帰ってきていなかった。心配を滲ませながらアイクは、シュウに尋ねた。
    「うーん僕知らないんだよね。でも文化祭も近いし、それ関係じゃないかな?」
    「ならいいんだけど、去年は遅くならなかったからちょっと心配でさ…」
    「今日校内で見かけたけど、普通だったよ?」
    ミスタの様子を思い出すが、クラスメイトと仲良く教室移動していた。こちらに気づくとシュウ!と笑顔で手を振ってくれた。いつも通りのミスタだ。
    「いつもの時間に帰ってくる日もあるんでしょ?ちょっと心配しすぎなんじゃない?」
    「そうだね。ミスタももう中学2年生なんだもんね」
    変わらず心配を滲ませながらも、アイクは自分を納得させるかの様に頷いた。

    週2回の練習と公園での自主練の日は、いつもより帰りが遅くなってしまう。アイクがどうして?と聞いてくるのに文化祭の準備って言ってるけどまぁ嘘ではない。うちのクラスは喫茶をやるらしく、クラスメイトが忙しそうにしているのも事実だ。まぁ俺はクラスの催しよりバンドで忙しいのだけれど。当日接客するということで、事前準備をしなくていいと言ってくれたクラス代表には感謝しかない。
    ピロン!
    携帯の通知だ。見るとシュウが今日は一緒に帰れる?と聞いてきていた。いつもだったら、帰宅部の俺とシュウはいつも一緒に帰っていた。本当は自主練しようと思っていたけれど、アイクを心配させすぎるとヴォックスが出てくる。ヴォックスを騙せる自信はない。練習しすぎもダメだぞ!と友人から言われているのもあるし、今日は大人しく帰ることにしよう。
    “ああ、帰れるよ!”
    “久しぶりだね。どこか寄り道する?”
    “おれ、買い食いしすぎてお金ない…”
    “あははは、じゃあ大人しく帰ろうか”
    軽快なやりとり。疑われてなさそうだなと、一息つく。文化祭まであと2週間。隠し通してみせる。

    「はぁ!?メイド服とか聞いてないんだけど!!!!」
    「散々言ったじゃない。うちのクラスは男女逆転喫茶。女子は執事、男子はメイドになるって」
    「だとしてもなんで俺のスカートは、膝上なんだよ!アイツみたいにロング丈がいい!」
    「ミスタ君はミニが似合うの!文句言わないでちょうだい。それは裁縫班が君に合わせて作った特注メイド服。他に衣装はないわ」
    「まじかよ!」
    文化祭当日の朝、渡された衣装を着るとそれは可愛らしいメイド服であった。ご丁寧に髪飾りまでついており、更衣室を出た途端女子に捕まってメイクまで施された。
    「うん似合ってるわね。リアス君、色白いから似合うと思ったんだ〜」
    メイク担当の女子が満面の笑みでサムズアップする。嬉しくない。
    「今日の午前だけなんだからいいじゃない。ちゃんと午後からはバンドに行けるようにシフト組んだんだし」
    「それについては感謝してるさ」
    「ならそんな顔しないで、キビキビ働いて!」
    俺のクラスの女子強すぎるだろ…

    「ヴォックスはどこのクラスから見たい?」
    今日は下の兄弟3人の学校の文化祭。シュウはクラスでお化け屋敷、ミスタは喫茶、ルカは出店と聞いている。文化祭に参加するためにわざわざ一人暮らし先から、帰ってきていた。
    「シュウのお化け屋敷は今混んでいるようだし、ルカの出店はなかなかボリュームがすごい。最初はミスタの喫茶に行って、ティータイムと洒落込まないかい、アイク?」
    いちいち決めないといけないのか、ウィンクまでサービスしてくれたヴォックスをスルーしながら、校内表を確認する。
    「おい、アイク?無視は流石に堪えるぞ?」
    「ミスタのクラスは3階みたい。早く行くよ」
    「あぁ、そんな釣れないところも魅力だよアイク…」

    あー何かの間違いでヴォックスとアイク来ないでほしいなぁ。大学に通うため1人暮らしをしているヴォックスが、文化祭に来るために家に帰ってきたのは昨日の夜。うげぇと言ってしまい、散々虐められた。でもそれより、今の方がよっぽど憂鬱だ。絶対にしゃしんに撮られるし、ネタにされること間違いなしだろう。せめて俺のクラスには午後に来てくれ!
    「やぁ、ミスタ。大変可愛らしい格好をしているじゃないか?言っといてくれないと困るな。一眼レフを持ってきたのに」
    宣伝の看板を持ちながら教室の入り口で項垂れていた俺の耳に飛び込んできたのは、今1番聞きたくない声だった。
    「うわ、さいあく」
    「酷いなミスタ。折角足を運んだというのに」
    「わぁ、ミスタ似合ってるよ!」
    俺を揶揄いたくてしょうがない顔をしているヴォックスと、純粋に褒めているであろうアイク。最悪だ。
    「似合ってないし。もう俺のところは良いでしょ。早くルカとシュウのところ行きなよ。」
    「いや、ここでお茶にするが?」
    「ルカとシュウに聞いたら、今自由時間だからこっち来るって」
    なんだって!?なんて事をしでかしてくれたんだ、アイク!
    「なんで呼んだ!?」
    「いや、こんな可愛いミスタ2人も見たいかなって」
    ああ、最悪だ。ルカはきっと大声でPOGって言うだろうし、シュウはにこやかに笑って見つめてくるだろう。恥ずかしすぎる。
    「わぉ、ミスタ!とってもPOGな格好してるじゃないか!」
    「アイクが見せたがってのは、これか。可愛いよ、ミスタ」
    言ってるそばから!
    「可愛くない!ルカとシュウはクラスには帰ってくれ」
    ルカは叫んだだけでなくギューっと肩を組んできたし、シュウはもう上から下まで見ていない所はないんじゃないかって勢いで見てきた。
    「そんなこと言っていいのか、メイドさん?私達は客だ。丁重にもてなすべきではないか?」
    「あー、いらっしゃいませご主人様!どうぞ中に入ってお寛ぎください!」
    ホール担当の奴に、兄弟達を押しつけ俺は宣伝行ってくる!と宣言しクラスを後にした。

    「もうミスタを揶揄いすぎだよヴォックス」
    ミスタが肩を怒らせて教室を後にしていくのを見送りながら、アイクが諌める。
    「可愛くてついな」
    悪びれた様子もなく、しれっとした様子でテーブルに運ばれた紅茶を飲むヴォックス。彼は彼なりにミスタを可愛がっているのだが、今のミスタにはそれが1番ウザいのであろうことは想像に難しくない。
    「でもとってもPOG!」
    普段とは違うミスタを見ることができて、ウキウキしていたのはルカ。しれっと肩を抱き、ツーショットを撮っていたのは流石末っ子と言ったところか。
    「確かにとっても可愛かったね。化粧もしていたし」
    ルカの言葉にうんうんと頷きながら、撮った写真を見返しているのはシュウ。それにヴォックスもアイクも否定しないのだから、彼等兄弟全員ブラコンと言っても差し支えないだろう。ミスタが話題のブラコン達のお茶会は、1部のクラスメイトから少し引かれながらも和やかに終わった。

    ミスタは舞台裏でボーカルを引き受けた事を後悔していた。思っていたよりも入っている客。歌うのはたった1曲ではあるが、手の震えが止まらなかった。練習はした。バンドメンバーとの仲も良好だ。しかし心の中の不安は消えないが、もうやるしかない。頬を一度パチンと叩き、立ち上がった。

    「それにしてもミスタがバンドに出るなんて意外だね」
    「友達に頼まれたみたいだよ?」
    ミスタの願い虚しく、ヴォックス、アイク、シュウ、ルカの4人はミスタの勇姿を見るべく最前列に仲良く並んで座っていた。ルカの友人が、ミスタがバンドに出てくれと頼まれているところを目撃し、ルカに教えてくれたのだ。ルカもルカでそれを聞いて、すぐに兄弟に報告した。
    「全く、バンドで出るなら教えてくれてもいいのに」
    教えてくれなかった事が寂しいのか、拗ねているようなアイク。
    「まぁ、こうして見られるんだから良いじゃないか」
    「でも、何を歌うんだろうね?楽しみだな」
    ワクワクした様子を隠しきれないシュウ。
    「きっとPOGなライブになるぜ!」
    友人から借りたというサイリウムを手に持ち、既にノリノリのルカ。体育館が暗転し、開演のブザーが鳴る。ついに、パフォーマンスが始まる。

    体育館が暗転し、ステージに向かう。バンドメンバーたちが、ミスタの背中を叩き励ます。センターに置かれたマイクの前に立ち、1つ深呼吸をする。後ろを振り返り、ドラムに合図をする。1.2と小さな声から曲が始まり、ステージにスッポトライトが当たる。一瞬眩しく、目をしかめるものの、すぐに目を開き真っすぐ前を見る。さぁ、ここからは俺たちの舞台だ!緊張で声が少し上ずるものの、バンドメンバーたちの落ち着いた演奏にすぐに安定する。
    “ほらあなたにとって大事な人ほど、すぐそばにいるの”
    脳内に大事な兄弟たちが思い浮かぶ。教えていないから、来ているわけはない。ただ、俺の兄弟への気持ちが伝わるように、皆が楽しんでくれるように、一生懸命歌った。

    ミスタはきっと自分は歌は上手くないと思っているのだろう。でもそんなことはない。ミスタの思いがストレートに伝わる歌は、聞く人の心を惹きつけてやまない。夢中になっているのだろう。こちらに気づく様子はない。でも伝わる。きっと今、ミスタは自分たちの事を思い浮かべていてくれる。大事に思っていてくれるのだと思うと、胸が熱くなる。
    「今、すっごいミスタを抱きしめたい」
    思わず口に出したシュウに、無言の同意を示す3人。こんなに素直に愛を示してくれた、素直じゃない兄弟を愛でることが彼らの中で決定事項となった。

    曲が終わった瞬間会場中から拍手が響き渡り、ホッと息をつく。どうやら、やらかさず終えることが出来たらしい。舞台袖へはける前に会場を見渡すと、時が止まった。最前列になぜか座っている、ヴォックス、アイク、シュウ、なぜかサイリウムを持っているルカの4人が手を振っていたのだ。何でいる!?
    「おい、俺の兄弟には言わないって言ったじゃん!!!!」
    袖に戻った後、友人に詰め寄る。
    「え、ガチで言ってない!来てたの?」
    嘘をついていない様子だ。ならなんで?メンバーたちに、兄弟の所行ってくる!と宣言すると、快く送り出してくれた。

    体育館を裏から出て、入口の方に回ると4人はそこにいた。
    「あ、ミスタきた!」
    シュウが手を振ってくれるが、それどころじゃない。
    「なんで、来てたの!どこで俺が出るって聞いた?」
    4人に詰め寄ると、あっけらかんとした様子で答えてくれた。まさかルカの友人に勧誘されている所を見られていたなんて!もう信じられない!思わずしゃがみこんでしまう。
    「最高にPOGだったよ、ミスタ!」
    「うん、本当に上手だった」
    「もっと自信もっていいのに」
    「ああ、感情のこもった良い歌だった」
    口々に褒めてくれる兄弟たちに、嬉しさで顔がにやける。にやけた顔を見せたくなくて、うずくまったままでいるとヴォックスからとんでもない言葉が飛び出した。
    「あんなに熱烈に、俺たちの事が大事だなんて歌ってくれるとは思わなかったぞ。ミスタはシャイだからな!」
    「は!?自意識過剰だろ!」
    歌っていた時の気持ちを言い当てられるとは思わず、反発してしまう。
    「え、違うの?」
    「UNPOG・・・」
    「嬉しかったのになぁ・・・」
    途端にしょんぼりする、兄弟たちに言葉が詰まる。
    「べつに違うなんていってない・・・」
    もう一度顔をうずめる。恥ずかしさで顔が赤くなっているのが分かる。

    しゃがみこんで顔を隠すミスタだが、耳が赤くなっているのを隠しきれていない。全くもって、素直じゃない可愛い兄弟だ!!みんなで顔を見合わせた後、笑いながらミスタに抱きついた。ああ、こんなにも兄弟が可愛い!僕たちも大好きだよ!
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    Lei

    DOODLE🦊の方が一枚上手な🦁🦊
    傾国ミスタ・リアスという男は自己評価が低い。様々な才能に溢れているのに、仲間たちやリスナーからの褒め言葉をちっとも受け取ろうとしないそんな男だ。しかし厄介なことにミスタは、ミスタ・リアスという外見が性的な意味で惹きつけるということだけは理解しているのであった。
    天使の輪が光つややかなミルクティーブロンドの髪に、白く真珠のように透き通った肌、空をそのまま落とし込んだような瞳、つんとした綺麗な形の唇は艶々と魅惑的である。彼はこの外見が人々を魅了することは理解している。それを活用することが特にうまい。それが本当に厄介なのだ。今自分が置かれている状況がいい例だ。
    「ねぇ、ルカ?俺と良いことしようよ」
    どこでミスタのスイッチが入ったのかは分からないが、今自分はミスタに誘惑されていた。ツーっとミスタの細く長い指が怪しく俺の太ももをなぞる。こそばゆい感触に背筋がぞくぞくするが、顔に出ないように必死に堪える。何をするんだと非難を込めて睨んでも、ミスタはただ微笑むだけだ。そして今の彼のほほえみはそれだけで、男をうんと頷かせてしまうくらいの力があった。だがしかし、ここで頷けばマフィアのボスとして、1人の男としての沽券に関わる。嫌だと首を振れば、駄々をこねる子供をなだめすかすような目で見られた。
    1088

    Lei

    DOODLE🖊が死んだ後の👹の話(👹🖊)
    またいつか出会うまでアイクが死んでから何もする気が起きなかった。2人で暮らしていた家は、片づけもせずそのままの状態だった。アイクはいないのに、アイクのいた痕跡だけが残る家は寂しくて静かだった。そんな2人が暮らした家で、1人で何もせずに過ごす。リビングのソファーでただ座って1日過ごす。埃がつもりはじめているのは分かっていたけれど指一本動かす気にはなれなかった。このままではいけないことくらい、400年以上も生きた自分には分かっていた。しかし愛するものを失った衝撃は、自分を惰性でしか生きられなくした。

    そんな消えない喪失感を抱えたまま過ごしていたある日のこと、死んだはずのアイクから手紙が届いた。ピンポーンと呼び鈴が鳴り、アイク・イーヴランド様からのお手紙ですという配達員の声にソファから慌てて立ち上がった。そうやって受け取った封筒の中には綺麗だけど少し癖のあるアイクの字で“ちゃんとご飯を食べなさい”と書いてある一筆箋が入っていた。最初は意味が分からなかった。だけどアイクが言うならしょうがないなと思って、久しぶりに料理をした。食材を買いに、近くのスーパーに買い物に行った。そうして作ったのはアイクが好きだったハンバーガー。パンは出来合いの物だが、パティはちゃんと作った。アイクが死んでから、人外であることをいいことに食事を取っていなかった。久しぶりの食事は美味しかったが、それでも一緒に食べる相手がいないことに胸が痛んだ。
    1996

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