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    Lei

    @PkjLei

    妄想や幻覚を捏造たっぷりで書いてます

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    Lei

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    海のナニカを魅せてしまった🦊の話
    👹🦊、👟🦊未満

    ナニカ“おいで……おいで………”
    男のような、女のような、年を取っているような、子供のような、よく分からない声が俺をずっと呼んでいる。朝も昼も夜も気づけばずっと呼ばれているし、寝ている時なんて夢の中でずっと叫んでいる。そんな声のせいで、最近はずっと不眠気味だ。こんな現象が始まったのは、とある依頼からだった。依頼自体は大したことないんだけど、依頼人が海沿いの崖に家を構えていた。その家に行ってから、ずっと変な声が俺のことを呼んでいる。きっとシュウやヴォックスに頼めば、解決に向かうのかもしれないけど2人とも忙しそうだからなかなか相談出来ていなかった。声以外何も支障はないしほっとこうと思っていた。

    その日は満月だった。俺を呼ぶ声はいつもよりうるさく、辟易していた。なのに俺は頭のどこかで、“あそこに行かなきゃ”って思ったしまった。着替えようとクローゼットに手をかけたときにハッとした。あそこってどこ?俺はどこに行こうとした?息をのむ。やばい、俺おかしくなってる。怖くなって、急いで寝室に行き布団にくるまる。外に出ようとする体を、布団をキツく巻くことで抑える。頭の声は一層強くなり、おいでではなく来いに変わってる。うるさくて、どうにかなってしまいそうだ。こんなことなら、相談しておけば良かったと思いつつ。俺は無理やり意識を落とすことにした。

    ヴォックスはその日、ずっと嫌な予感がしていた。何かは分からないが、大切なモノに手を出されているようなそんな予感。言葉に出来ない不安を抱えた彼はとりあえず、ミスタの様子を見に行くことにした。何もなければそれでいい。影を使い、彼の家に向かう。まだ夜の
    9時で、いつもであったら起きている時間だ。しかし部屋の電気は消されており、寝室に彼と得体のしれないナニカの気配。足早に寝室に向かい、乱雑に扉を開ける。ミスタは布団にくるまり、うなされていた。ナニカの正体は分からないが、海の匂いがする。また何かよくないモノを魅了したらしい。ミスタは人ならざるものを惹きつけやすい。清廉な魂に、麗しい見た目。こまめに彼に憑いているものは取り除いているが、まさか少し目を離した隙にここまで厄介なモノをひっかけてくるとは思わなかった。首の飾りを外し、本来の能力を解放する。
    “失せろ”
    忌々し気な声を上げて、ナニカは立ち去った。しかし、根本的な解決にはなっていない。これ以上先は、シュウの領分だ。ミスタが起きる前に全てを終わらせようと、ヴォックスは闇に消えた。

    目を覚ますと、すっかり朝になっていた。リビングの方から、誰かの話声が聞こえてくる。目をこすりながら寝室を出ると、そこにはシュウとヴォックスがいた。
    「あ、ミスタおはよう。調子はどう?」
    珈琲が入ったマグカップを片手に、シュウがにこやかに話しかけてくる。
    「いいけど、なんでウチにいるのさ」
    「ヴォックスに連れてこられたんだよ。びっくりした~後ろ振り返ったらヴォックスがいるんだもん」
    「アレはシュウの領域だったからな。助かったぞ」
    「別にあれは満月で力を強めただけの、雑魚だったからね」
    何について話しているかよく分からなかったが、そういえば頭の中の声が聞こえなくなっている。
    「もしかして、あの頭の中の声のこと?」
    「うん。雑魚だったからすぐ対処できたけど、次からは変な声が聞こえた段階で相談して欲しいかな」
    シュウの言葉にうんうんとうなずくヴォックス。そんな2人に申し訳なくなる。迷惑をかけたくなかったのに、結局かけてしまった。
    「でも本当に無事で良かった」
    「ああ、ミスタが無事で何よりだ。だから、俺たちの迷惑になったなんて思うんじゃないぞ」
    俺の思っていることなんて、2人にはお見通しらしい。ギュッと両側から2人に抱きしめられる。2人の腕の中は、とっても暖かくて安心できた。
    「ありがとう」
    小声で礼を伝えると、2人はにっこり笑って頬にキスしてきた。心の底まで暖かくなって、声が聞こえていた時の不安感とか不快感がトロトロと溶けて消えていく。ずっとこんな時間が続けばいいのになと思いながら、しばしの間3人で抱き合っていた。
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    Lei

    DOODLE🦊の方が一枚上手な🦁🦊
    傾国ミスタ・リアスという男は自己評価が低い。様々な才能に溢れているのに、仲間たちやリスナーからの褒め言葉をちっとも受け取ろうとしないそんな男だ。しかし厄介なことにミスタは、ミスタ・リアスという外見が性的な意味で惹きつけるということだけは理解しているのであった。
    天使の輪が光つややかなミルクティーブロンドの髪に、白く真珠のように透き通った肌、空をそのまま落とし込んだような瞳、つんとした綺麗な形の唇は艶々と魅惑的である。彼はこの外見が人々を魅了することは理解している。それを活用することが特にうまい。それが本当に厄介なのだ。今自分が置かれている状況がいい例だ。
    「ねぇ、ルカ?俺と良いことしようよ」
    どこでミスタのスイッチが入ったのかは分からないが、今自分はミスタに誘惑されていた。ツーっとミスタの細く長い指が怪しく俺の太ももをなぞる。こそばゆい感触に背筋がぞくぞくするが、顔に出ないように必死に堪える。何をするんだと非難を込めて睨んでも、ミスタはただ微笑むだけだ。そして今の彼のほほえみはそれだけで、男をうんと頷かせてしまうくらいの力があった。だがしかし、ここで頷けばマフィアのボスとして、1人の男としての沽券に関わる。嫌だと首を振れば、駄々をこねる子供をなだめすかすような目で見られた。
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    Lei

    DOODLE🖊が死んだ後の👹の話(👹🖊)
    またいつか出会うまでアイクが死んでから何もする気が起きなかった。2人で暮らしていた家は、片づけもせずそのままの状態だった。アイクはいないのに、アイクのいた痕跡だけが残る家は寂しくて静かだった。そんな2人が暮らした家で、1人で何もせずに過ごす。リビングのソファーでただ座って1日過ごす。埃がつもりはじめているのは分かっていたけれど指一本動かす気にはなれなかった。このままではいけないことくらい、400年以上も生きた自分には分かっていた。しかし愛するものを失った衝撃は、自分を惰性でしか生きられなくした。

    そんな消えない喪失感を抱えたまま過ごしていたある日のこと、死んだはずのアイクから手紙が届いた。ピンポーンと呼び鈴が鳴り、アイク・イーヴランド様からのお手紙ですという配達員の声にソファから慌てて立ち上がった。そうやって受け取った封筒の中には綺麗だけど少し癖のあるアイクの字で“ちゃんとご飯を食べなさい”と書いてある一筆箋が入っていた。最初は意味が分からなかった。だけどアイクが言うならしょうがないなと思って、久しぶりに料理をした。食材を買いに、近くのスーパーに買い物に行った。そうして作ったのはアイクが好きだったハンバーガー。パンは出来合いの物だが、パティはちゃんと作った。アイクが死んでから、人外であることをいいことに食事を取っていなかった。久しぶりの食事は美味しかったが、それでも一緒に食べる相手がいないことに胸が痛んだ。
    1996

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