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    Lei

    @PkjLei

    妄想や幻覚を捏造たっぷりで書いてます

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    Lei

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    季節外れの冷え込みに苦しめられるミスタの話
    👹🦊だけど気持ち程度。
    友情出演:🖊👟🦁

    季節外れの寒い。最近暖かくなっていたから油断していた。冬物のコートやマフラーはタンスにしまいこんだし、学校に置いてあった厚手のブランケットも昨日家に持って帰って洗ってしまっている。4月になって1週間たったというのにこの寒さ。記憶の片隅に2月並みの寒さと天気予報で言っていたのような気がする。指先は氷のように冷え切ってしまったし、きっと足先もそうだろう。冷えからくる腹痛のせいで、温かい飲み物を買いに行きたくても動くのも億劫だ。昼休みに突入した教室は騒がしく、それにすらイライラする。やってらんない。自分の机に頭を押し付けながら、少しでも腹の痛みが引くように手をお腹にあてる。それでもちっとも軽くならない痛みに、うーという呻きとほんのちょびっとの涙が出てしまう。昼休みはいつも仲のいい5人で集まって、屋上でご飯を食べるのだけれど今日は行けそうにない。連絡をしたくてもスマホを開くことさえ、辛くて八方塞がりだ。皆ごめんと思いながら、忌々しい腹の痛み呻いていた時だった。
    自分の席の前に誰かが立った気配がする。へっと思って顔を上げると、心配そうな顔をしたヴォックスがいた。
    「大丈夫か?いつもの場所に来ないから、心配したぞ」
    「さむくて、おなかいたい…」
    「ああ、今日はいつになく冷えるからな。大した防寒性はないが、俺のカーディガンでも着るといい」
    差し出されたヴォックスの厚手のカーディガン。礼を言って、早速着させてもらう。さっきまで彼が着ていたためかほんのりと暖かく、ヴォックスの匂いがして彼に抱きしめられている気分になる。さっきまでの鬱々とした気持ちが、じんわりと暖まっていく。
    「その調子じゃ、今日は屋上は難しそうだな」
    「うう、ごめん」
    「お前が悪いわけじゃないさ。急に冷え込んだから天気が悪い」
    きっと青白くなっているであろう俺の頬をそっと撫でてくれる。
    「お前が着替えている時に連絡したら、3人ともこっちに来るそうだ。たまには教室で食べるのも悪くないだろ」
    「本当?ごめんねぇ」
    俺の教室までわざわざ移動してもらうのが、申し訳ない。
    「いや俺たちも今日は屋上は寒いだろうと話していたんだ。気にするな」
    空いていた俺の前の席に座ったヴォックスは、俺の頭をわしゃわしゃと撫でてくる。髪の毛のセットが崩れるくらいの勢いだけど、撫でてもらうのは気持ちよかった。ヴォックスの手に甘えていると、廊下が騒がしくなった。
    「ミスタ~~~~!!!」
    大声で俺の名前を呼びながら教室に入ってきたのはルカ。大型犬が突進してくるように俺の近くにやってきたルカは、あるものを差し出してきた。
    「これでも飲んで、あたたまって!」
    差し出されたはちみつレモンのペットボトル。受け取るととても暖かく、冷えきった指先が火傷してしまいそうだ。一口飲むと、体の内側が暖かくなるのを感じる。礼を言うと、満面の笑みでPOGを送ってくれた。
    「調子はどう?」
    心配そうな表情をしながら、ルカの背後から顔を覗かせたアイク。
    「寒すぎてどうにかなりそうだったけど、これのおかげでマシになりそう」
    手に持ったはちみつレモンを振ると、アイクの表情が和らぐ。
    「僕のブランケットも持ってきたから使って」
    「いいの?」
    「僕は背中にカイロ貼ってあるから大丈夫だよ」
    差し出されたブランケットを足にかけると、感じる寒さが半減する。
    「あったかい~」
    へにゃっと表情が緩んでいく。そんな俺に笑った皆が、がたがたと音を立てながら俺の先の周りに座っていく。さっきまで嫌だったクラスの喧騒が気にならなくなり、気分がどんどん上がっていく。
    「ありがとう」
    改めてにっこり笑って感謝を伝えると、みんな笑ってどういたしましてと言ってくる。楽しい昼休みはまだまだこれからだ。
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    Lei

    DOODLE🦊の方が一枚上手な🦁🦊
    傾国ミスタ・リアスという男は自己評価が低い。様々な才能に溢れているのに、仲間たちやリスナーからの褒め言葉をちっとも受け取ろうとしないそんな男だ。しかし厄介なことにミスタは、ミスタ・リアスという外見が性的な意味で惹きつけるということだけは理解しているのであった。
    天使の輪が光つややかなミルクティーブロンドの髪に、白く真珠のように透き通った肌、空をそのまま落とし込んだような瞳、つんとした綺麗な形の唇は艶々と魅惑的である。彼はこの外見が人々を魅了することは理解している。それを活用することが特にうまい。それが本当に厄介なのだ。今自分が置かれている状況がいい例だ。
    「ねぇ、ルカ?俺と良いことしようよ」
    どこでミスタのスイッチが入ったのかは分からないが、今自分はミスタに誘惑されていた。ツーっとミスタの細く長い指が怪しく俺の太ももをなぞる。こそばゆい感触に背筋がぞくぞくするが、顔に出ないように必死に堪える。何をするんだと非難を込めて睨んでも、ミスタはただ微笑むだけだ。そして今の彼のほほえみはそれだけで、男をうんと頷かせてしまうくらいの力があった。だがしかし、ここで頷けばマフィアのボスとして、1人の男としての沽券に関わる。嫌だと首を振れば、駄々をこねる子供をなだめすかすような目で見られた。
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    Lei

    DOODLE🖊が死んだ後の👹の話(👹🖊)
    またいつか出会うまでアイクが死んでから何もする気が起きなかった。2人で暮らしていた家は、片づけもせずそのままの状態だった。アイクはいないのに、アイクのいた痕跡だけが残る家は寂しくて静かだった。そんな2人が暮らした家で、1人で何もせずに過ごす。リビングのソファーでただ座って1日過ごす。埃がつもりはじめているのは分かっていたけれど指一本動かす気にはなれなかった。このままではいけないことくらい、400年以上も生きた自分には分かっていた。しかし愛するものを失った衝撃は、自分を惰性でしか生きられなくした。

    そんな消えない喪失感を抱えたまま過ごしていたある日のこと、死んだはずのアイクから手紙が届いた。ピンポーンと呼び鈴が鳴り、アイク・イーヴランド様からのお手紙ですという配達員の声にソファから慌てて立ち上がった。そうやって受け取った封筒の中には綺麗だけど少し癖のあるアイクの字で“ちゃんとご飯を食べなさい”と書いてある一筆箋が入っていた。最初は意味が分からなかった。だけどアイクが言うならしょうがないなと思って、久しぶりに料理をした。食材を買いに、近くのスーパーに買い物に行った。そうして作ったのはアイクが好きだったハンバーガー。パンは出来合いの物だが、パティはちゃんと作った。アイクが死んでから、人外であることをいいことに食事を取っていなかった。久しぶりの食事は美味しかったが、それでも一緒に食べる相手がいないことに胸が痛んだ。
    1996

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