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    Lei

    @PkjLei

    妄想や幻覚を捏造たっぷりで書いてます

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    Lei

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    🐑愛されの話
    🎭君とのコラボで見えた幻覚
    (🐑の腕が壊れたり刺されたりしてるので苦手な人は注意してください)

    自己犠牲「ファルガー!」
    悲壮なサニーの叫び声が聞こえたような気がして、ノロノロと目を開ける。ぼやけた視界の中に、こちらに向かって走り寄るサニーの姿があった。
    「ああ、サニーか」
    「なんで、こんな!どうして俺たちに相談しなかった!」
    俺の血で服や手が汚れてしまうのも構わず、サニーは着ていた上着を脱いでぎゅっと腹部に押しつけた。撃たれた腹部は最早痛覚が麻痺してしまったのか、何も感じない。血を流しすぎたせいか頭がクラクラして、瞼が自然と下がってくる。
    「おい、寝るな!」
    「大丈夫だ……おれは、さいぼー、ぐ…だから………」
    必死の形相で叫ぶサニーを宥めようとして、俺の記憶は途絶えた。

    目を開けると白い天井があった。鼻につく独特の薬品臭に、ここは病院だろうと察しがつく。どれだけ眠っていたのかは分からないが、とりあえずズキズキと痛む腹部が自分が生きているのだと知らしめる。
    「しくったなぁ」
    サニーにあんな表情をさせたかったわけではないのだが。むしろ、あんな表情をさせないために動いていたというのに。

    そもそも何故撃たれたかと言うと、Noctyxのメンバーを守るためであった。彼のメンバーは何かと狙われている。サニーは仕事柄逮捕した犯罪者から、アルバーンは盗んだお宝の所持者から恨みを買っている。浮奇はその能力を狙っているやつ、ユーゴは狂信的なファン。そんなよからぬことを企むやつと、ひっそりと彼らに知られない所で“お話”するのが自分の日課であった。大抵のことは無事に終わらせる自信があったし、事実怪我などしたこともなかった。だから油断していたのだろう。
    自分を撃った男は、そもそも自分を疎ましく思っていた。人間では死ぬレベルのスタンガンを右腕に食らってしまったのだ。生身の部分ではないので死にはしなかったが、それでも右腕は使い物にならなくなった。久々の痛みに膝をついた瞬間、腹部に男の鋭い蹴りが入った。一瞬呼吸が止まり、激しい痛みが襲ってくる。衝撃で後ろに吹っ飛ばされるが、なんとか受身を取る。
    「全く穏やかじゃないな」
    「お前が、お前が悪いんだ」
    人の話を全く聞かない男は胸元から、銃を取り出した。頭と心臓さえ撃たれなければ、まぁなんとかなるだろう。そう思って、俺は弾を完全に避けるのではなく、当たる場所を選ぶ方を選択した。この手のタイプは自分のしでかしたことの大きさに動揺して、死ぬまで後悔するタイプだ。
    パンッ
    乾いた音が辺りに響く。撃たれた腹部からだらだらと血が流れていく。
    「あ、、、あああああああ!!!!!」
    俺の真っ赤な地に仰天した男は、カランと銃を落とすとその場から走って逃げていった。
    「逃げるくらいなら……最初から撃つな……」
    予想していたことではあるが、情けない男にため息が出る。フラフラとその場に座り込む。そうしたら何故かサニーがやってきて、気づいたら病院だったのだ。

    「ふーちゃん!?」
    浮奇の声がしたので扉の方に目をやれば、少しやつれた浮奇が立っていた。
    「やぁ、浮奇」
    「ほんと、心配したんだから…」
    ぼろぼろと大粒の涙を流したまま呆然と立ち尽くす浮奇。
    「大したことないぞ?腕は付け替えたら直るし、腹の方も大したことないさ」
    「輸血が必要なくらいに血を流したのに?あんまりふざけたこと言うと怒るよ」
    浮奇の背後から現れて、とげとげしく言葉を投げつけてきたのはアルバーンだった。普段は笑顔の印象が強い彼が、今は恐ろしさを感じるほどに真顔だった。
    「あ、あるばーん?」
    「俺たちが、お前が傷ついて悲しまないとでも?すぐに治るから気にしないとでも?本気で言ってるんだったら、マジで怒るよ?」
    何て言ったら正解なのか、アルバーン達を怒らせずに理解してもらえるのかが分からなくて黙り込む。気まずい静寂が病室に漂う。そんな雰囲気を変えてくれたのはナースさんだった。俺が目を覚ました時に押しておいたナースコールのおかげだろう。診察のために一度アルバーン達は退室していった。ふぅと息をつく。何も悪いことはしていないはずなのに、なぜだかズキズキと心が痛んだ。

    診察の後、サニーもやってきたらしく俺の病室にNoctyxが勢ぞろいしていた。
    「それでなんでこんなバカげたことしたのさ」
    「まあ言わなくても知ってるけどね」
    「は?」
    アルバーンとサニーの言葉に俺は驚きで顔を上げた。聞けば俺がちょくちょくいなくなるのを不審に思った4人がミスタ先輩に依頼したそうだ。優秀な先輩は俺の行動とその目的を、隠さず4人に伝えたらしい。
    「ファルガーの気持ちも分かるから怒らないでやってねとは言われたけどねぇ」
    「でも言わなきゃ分かんないでしょ」
    2人で話を進めるサニーとアルバーン。浮奇は怒っているんだか不貞腐れているんだか分からない表情のまま俺の手を握って離さないし、ユーゴはユーゴで浮奇と反対側の手を握ったまま黙り込んでいた。
    「ねぇファルガー、なんで俺たちが怒ってるのか分かる?」
    アルバーンからの問いかけ。何で怒ってるのかって?そりゃ俺がへまして怪我をしてしまったからだろう。そう言えば今度は4人揃って分かってないなぁという風にため息をつかれてしまった。
    「おい、一体何なんだ」
    「あのねふーちゃん、俺たちが怒ってるのはふーちゃんが黙ってたからだよ」
    「俺たちの周りの危険を排除しようとしてくれるのは嬉しいけど俺らを頼ってほしかったんだよ」
    俺らには警察も超能力者も怪盗もいるんだからとユーゴと浮奇の手の上からサニーとアルバーンの手が重ねられる。
    「ちょっと待て。その言い方だと俺は何も役割ないじゃん!」
    「だってユーゴはそういう面ではね~」
    「俺たちが守ってあげるよ」
    「そうそう。NijiBabyは後ろで守られてな」
    しんみんりした雰囲気は、ユーゴによって一気に笑いに変えられる。なんだかそれがおかしくてしょうがなくて、俺はハハっと笑ってしまった。
    「ふーちゃん?笑ってるけど、俺たちの言ったこと分かってる?」
    「ああ。分かったよ。今度何かする時はちゃんと相談するから」
    心の中の俺が4人を守ってやらなければという独りよがりの想いが消えたわけじゃない。だが4人の想いを無下にすることも出来ないのだ。きっとまたいつか無茶をして怒られてしまうのだろうけど、それもそれで悪くないなあと思った。
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    Replies from the creator

    Lei

    DOODLE🦊の方が一枚上手な🦁🦊
    傾国ミスタ・リアスという男は自己評価が低い。様々な才能に溢れているのに、仲間たちやリスナーからの褒め言葉をちっとも受け取ろうとしないそんな男だ。しかし厄介なことにミスタは、ミスタ・リアスという外見が性的な意味で惹きつけるということだけは理解しているのであった。
    天使の輪が光つややかなミルクティーブロンドの髪に、白く真珠のように透き通った肌、空をそのまま落とし込んだような瞳、つんとした綺麗な形の唇は艶々と魅惑的である。彼はこの外見が人々を魅了することは理解している。それを活用することが特にうまい。それが本当に厄介なのだ。今自分が置かれている状況がいい例だ。
    「ねぇ、ルカ?俺と良いことしようよ」
    どこでミスタのスイッチが入ったのかは分からないが、今自分はミスタに誘惑されていた。ツーっとミスタの細く長い指が怪しく俺の太ももをなぞる。こそばゆい感触に背筋がぞくぞくするが、顔に出ないように必死に堪える。何をするんだと非難を込めて睨んでも、ミスタはただ微笑むだけだ。そして今の彼のほほえみはそれだけで、男をうんと頷かせてしまうくらいの力があった。だがしかし、ここで頷けばマフィアのボスとして、1人の男としての沽券に関わる。嫌だと首を振れば、駄々をこねる子供をなだめすかすような目で見られた。
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    Lei

    DOODLE🖊が死んだ後の👹の話(👹🖊)
    またいつか出会うまでアイクが死んでから何もする気が起きなかった。2人で暮らしていた家は、片づけもせずそのままの状態だった。アイクはいないのに、アイクのいた痕跡だけが残る家は寂しくて静かだった。そんな2人が暮らした家で、1人で何もせずに過ごす。リビングのソファーでただ座って1日過ごす。埃がつもりはじめているのは分かっていたけれど指一本動かす気にはなれなかった。このままではいけないことくらい、400年以上も生きた自分には分かっていた。しかし愛するものを失った衝撃は、自分を惰性でしか生きられなくした。

    そんな消えない喪失感を抱えたまま過ごしていたある日のこと、死んだはずのアイクから手紙が届いた。ピンポーンと呼び鈴が鳴り、アイク・イーヴランド様からのお手紙ですという配達員の声にソファから慌てて立ち上がった。そうやって受け取った封筒の中には綺麗だけど少し癖のあるアイクの字で“ちゃんとご飯を食べなさい”と書いてある一筆箋が入っていた。最初は意味が分からなかった。だけどアイクが言うならしょうがないなと思って、久しぶりに料理をした。食材を買いに、近くのスーパーに買い物に行った。そうして作ったのはアイクが好きだったハンバーガー。パンは出来合いの物だが、パティはちゃんと作った。アイクが死んでから、人外であることをいいことに食事を取っていなかった。久しぶりの食事は美味しかったが、それでも一緒に食べる相手がいないことに胸が痛んだ。
    1996

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