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    ZweiFluegel

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    診断メーカー『君と僕のお話を。』(https://shindanmaker.com/1123071)
    で出てきた「怖々と僕の髪に触れた、その手は震えていた。」から始まって「初めて運命だなんてものを信じてみようと思った。」で終わるラーヒュン。できれば冬の話

    一人称は僕→オレに変更
    まだ付き合ってない療養中ヒュンケルの話です。

    運命の分岐点怖怖とオレの髪に触れた、その手は震えていた。そんな壊れ物を扱うみたいにしなくても、オレは大丈夫だ。

    「どうしたラーハルト。おまえらしくない。」
    「力加減を見誤ると、おまえを壊してしまいそうだと思ったから優しく触れようとした。それだけだ。」

    事実、先の大戦で深手を負ったヒュンケルは満身創痍の状態であった。身体中傷だらけ骨は何ヶ所もひび割れていつ骨折してもおかしくないといった具合で、戦士としての役割を果たす事は不可能と言える有様である。少しずつ容態は良くなっているが未だに病室から出られてはいない。
    吹き荒れる真冬の北風が窓を叩き、不安を掻き立てる。

    「その、ラーハルト…」
    「何だヒュンケル。」
    「ダイは見つかったのか」
    「否、まだ消息不明のままだ。黒の核晶の爆発の巻き添えに遭ってしまわれたダイ様は、今いずこにおられるのだろうか、竜の騎士の忠実な僕(しもべ)たるこのオレが本来の役割を務められず、などという事があってはならん。」

    ラーハルトは怒気を含んだ声色で焦りを隠そうともしない。

    「ラーハルト、オレもおまえの力になりたいと思うのだが……」
    ヒュンケルが恐る恐るラーハルトに協力を申し出た。が、しかし

    「何をたわけた事を言うのだ今のおまえでは足手まといにしかならんぞ馬鹿が」
    激昂したラーハルトがヒュンケルに掴みかかる。その途端――
    「くっ…」
    ヒュンケルの顔が苦痛に歪む。
    「あ…」
    さすがにこれはまずいと思ってラーハルトはヒュンケルの肩から手を離し、包帯が巻かれた腕に優しく触れると慣れた手付きで包帯を巻き直した。

    「すまん…」
    「なあ、ラーハルト。」
    「何だヒュンケル。」
    「どうしておまえはオレに優しくしてくれるんだ人間をあれ程激しく憎んでいた筈のおまえが毎日のようにオレの病室まで来て何かと世話を焼いてくれて…」
    「人間を憎んでいたのは魔王軍にいた頃のおまえも同じだろう。魔族の血を引くオレだけではなく同じ人間である母まで迫害した連中をオレは決して許しはしない。だが、ダイ様の側にいるのは善良な人間達だ。あの日おまえと戦場で相見えた時、おまえの流した涙を見てオレは変わることができた。」

    切々と語るラーハルトにヒュンケルは微笑みかけた。

    「だからオレはおまえの側にいるんだ、ヒュンケル。己の過酷な境遇を恨み、何も信じられずにいたオレは初めて運命だなんてものを信じてみようと思った。」
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    recommended works

    dosukoi_hanami

    Deep Desireヒュンケル、仕事を納める。
    (アポロさんとヒュンケル、ほんのりラーヒュン)

    2021年、ダイ大、ラーヒュンにはまって。Twitterを始めたり、自分で何かを創作する日がくるなんて想像もしていませんでした。そしてそれがこんなに楽しいなんて!
    挙動不審にも関わらず、温かい声をかけてくださったり、仲良くしてくださって、本当に本当にありがとうございました。
    感謝しかありません。
    ヒュンケル、仕事を納める年の暮れ、パプニカ。

    平生は穏やかでありながら行き来する人々の活気を感じられる城内も、この数日ばかりはシンと空気が落ち着く。
    大戦前の不安定な世の頃は年の瀬といえど城の警備を手薄にするなどありようもなく、城内で変わらず職務をこなしながら、見知った仲間とただ時の流れとともに志を新たにしたものだった。

    勇者が平和をもたらしてくれたから。
    三賢者のうち、マリンとエイミの姉妹は今日うちへと帰った。アポロは今夜と明日の晩は城で過ごすが、二日後は姉妹とバトンタッチをして帰郷する。墓前に挨拶などこんなときにしかしない。頭の中で、城下の花屋でブーケを買い帰る算段をしているとき、意外な人物を認め足を止めた。

    姫の執務室の扉の前。
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