👹🦊体調不良体調不良ネタ
👹🦊(🦊体調不良の場合)
ああこれはダメなやつ。そうダメなやつ。風邪と頭痛と睡眠不足と空腹とえーっと…まあいいや。とりあえず薬、薬を飲もう。飲まないと、配信…は今日は無いんだった。配信があったならいよいよ体調不良でまた休まなきゃ行けなくなってしまう。みんなを待たせるのはだめなんだ。俺は配信しないと…。
あった。えっとこれとこれとこれ…あとこれも。飲まなきゃ。飲んで寝て身体休めないと。
あれ?いつもより量が多いかな…?まぁいいや。飲めばなんとかなる。
ごくん
可笑しい。あの子から連絡が2日以上も来ないなんて。ヴォックスは愛しい恋人からのメッセージをかれこれ2日と半日待ちわびている。
2日前の朝、出かけるというメッセージが入っていたがその後連絡が来ない。いつものことならとっくに帰宅の連絡やたわいもないやりとりもしくは通話をして過ごしていたはずなのだ。
寂しがり屋で甘えん坊のあの子が連絡をしてこないなんて…やはり何かあったのではないか。
そう過ぎるもただトラブルで帰宅出来なくなっているのか、はたまた仕事の関係で数日掛かる外出なのかと彼なりの事情を考慮した上で待った結果がこれだ。
彼は深く溜息を吐きつつ何度目かになるメッセージを彼に送ると同時に、マネージャーにも連絡をとってみる。流石に無断で休むような事はしないだろうからマネージャーに何か連絡があっていてもおかしくはない。
だが事態は思っている以上に深刻だったようでマネージャーも彼との連絡がつかなくて困っているという事で、逆に何か知っていないかと聞かれたくらいだ。
これは只事ではない。至急彼の元へ行かねば。
ヴォックスは羽織を手に取りすぐさま玄関へと向かった。
着いた先で合鍵を使い中に入る。
リビングの灯りは付いていないがキッチンの方は明るい。もしかしてそこに…?
キッチンに向かうとそこにミスタの姿は無く、代わりに様々な薬が散乱していた。
嫌な予感が走り急いで寝室に向かう。
バタンと音を立ててドアを開け中を確かめると、ベッドの上で布団に入りもせず倒れ込んでいるミスタがいた。
「ミスタッ、ミスタ」
慌てて駆け寄り抱き起こす。どうやら息はしているようだが一向に起きる気配が無い。
多少乱暴に揺すり頬をペチペチと叩くとうっすらと瞳が開き澄み切った綺麗な空色が現る。
「ゔぉ、く、?ゲホゲホゲホッ」
「ハァ…よかった。お前が無事で安心したよ」
「な、でゴホッここに…」
「話は後だ。先に水を持ってこよう。少し待っててくれ」
恐らくずっと寝ていたので風邪も拗らせ喉を痛めているのだろう。非常に話しにくそうである。
咳き込むミスタを布団の中に寝かせ足早にキッチンへと向かった。
先程の惨状を見るに薬の多量摂取だろうと検討付ける。本来なら病院行きだがまずは彼自身のケアの方が優先だ。
ミネラルウォーターのペットボトルを手に部屋に戻る。
部屋に戻りベッドからひょこっと顔を出したミスタを再び抱き起こしミネラルウォーターを渡す。
「ゆっくり飲みなさい。勢いよく飲むと噎せるからな」
「ん……コクコク…ふう…」
「体調は?」
「体調…あ、そっか。風邪ひいてたかも」
「かもって、お前はまったくもう…心配したんだぞ。連絡つかないから」
「コホッえ、マジ?」
「2日だ」
「ん?何が?」
「お前が寝てた時間だよ」
「はっゴホッゴホッ」
「あーこらこら…」
咳き込むミスタの背中をさするヴォックス。
「そんなに寝てたの俺」
「キッチンに薬が散乱していた」
「あー…」
「頼むから、自分の事をもっと大事にしてくれ。みんなお前の事が大切で大好きなんだ。辛い時は頼ってくれたらこうして傍にいることくらいは出来るんだ。頼ってくれ」
「…ごめん」