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    ようかい

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    ようかい

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    Mハウスショック第2弾。
    何?ハウジング落選の度に作品ができるの?

    例にもれず怪文書の自覚があるので優しくしてください

    人目を憚れ食事処で注文を済ませ、料理を待つ時間は暇なものだ。
    提供が早ければいいのだが大半はそうもいかず、することもない時間が過ぎるものである。

    「シラノ、手」
    「ん?手?」

    シラノが右手をメアに差し出すと、メアは両手でシラノの手を握る。

    「やっぱでけー」

    暇を持て余したリメアティアは、恋人の手で遊ぶことにしたようだ。
    勝手にグローブを外すが、当のおもちゃが抵抗しないためすんなりと素手になる。

    手を合わせてサイズの差を堪能する。指の長さ、手のひらの大きさ、指の太さ、全てにおいて1.5倍程はあるだろう。
    シラノが指を折りたたむと、合わせているリメアの手なんてすぐに包まれてしまう。

    「メアはちっちゃくてかわいいね」
    「ん」

    シラノの手包みから抜け出したメアハンドは次に、手の甲に侵食している鱗の溝を指でなぞり、軽く引っ掻き始める。
    肌のさわり心地とは違う硬い感触とカリカリとなる音は、自分とは違う種族なのだと思い知らされる。

    「鱗のとこって引っかかれたらちゃんと痛てーの?」
    「いや、感覚は結構鈍いからあんまり。無理やり剥がされたら流石に痛いけど。」
    「ふーん」

    そう言う通り、引っ掻いたところは傷一つない。
    これで強く擦ったら間違いなく傷になるのだろうが、肌を重ねてなおそういった傷をつけたことがないのはシラノがずっと気遣っているおかげなのだろう。
    よしよし、とその部分を軽く撫でてシラノの手を自分の頬に添えるリメア。

    軽く手のひらのほおずりをして愛おしそうに目を細める。

    優しくて、大きくて、暖かい手。
    この手でいろんなものを壊して、いろんなものを作って、人だって殺すし、世界だって救ったのだ。
    正攻法では何もできない自分だが、このなんだってできる手を好きにできるのは非常に気分が良い。

    「触られるたびに思ってたけどさ、手まで温いよなシラノは」
    「自分じゃわかんないけど…温かいならよかった」

    顔に添えられた手の親指が、目尻をかるく撫でてくる。
    くすぐったくて、咎めるように暖かい手の平に数回キスをするとシラノが愛おしそうに唇つついてくる。
    キスしてぇなー…とふと思う。多分シラノもそうなのだろう。

    シラノの右目がいつもより強く光っているときは興奮している時なのだ。
    まぁこれはシラノ本人も気付いていない事だが。

    二人きりなら好きなだけすればよいのだが、場所が場所だけにそういうわけにも行かないだろう。
    うーんと少し考えて、何か思いついたようにリメアはシラノの右手を弄り始める。

    シラノの手の人差し指と小指を立てて狐に見立てると、自身の左手も同じように狐の形にした。

    「はい、ちゅー」

    作った狐の鼻先をくっつけてそう言う。
    そっちがその気なら、大きな狐は小さな狐の目頭に鼻先で何度か角度を変えてつつくと、小さな狐はそれを咎めるように相手の耳を食む。
    また何度か狐同士は鼻先を合わせていちゃつく。

    「……ちゅーしたい…。」
    「はは、ここ飯屋だぞ」

    開いている手で頭を抱えるシラノを狐でつつくと、シラノは顔を上げる。
    その隙をついて狐がシラノの唇を奪うとシラノが大げさに瞬きをした。

    その表情に満足して手を引こうとするとその手をシラノが握って、手首にそっと口づける。

    「……後でもっとちゃんとするからね」
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    ようかい

    TRAINING雨だけになんかしっとりしました

    前提知識
    ・エリックという男は一回死んで死ぬ前にデュナミスで自身の再現体を作成してある男に取りつかせている
    ・アーテリスでは実体化できず、存在が知覚できないのでミニオンの魔導ビットを改造して(発音)それを操作することで意思疎通している
    ・イヴォカという少年は前世がガレマール市民で前世の記憶がある

    頓智気な自覚はあります!
    どうしてふぉろわ限定できないの!?
    通り雨エリック・セローは雨が苦手だった。
    自分の死因だからだろうか、それとも自分が一番想う人が雨を好きではないからだろうか、あるいはデュナミスの再現体となった自分が周囲の人間の想いを無意識のうちに感じているからだろうか。
    理由は全くの不明であったが、おそらくそのどれもが少しずつ作用してそうなっているんだろうと考えていた。

    苦手というほどでもない、と自分に言い聞かせていたし、彼は自分がおもうよりも精神的に老成してしまっているので(アーテリスで彼の表を見れるのは世界で一人だけだが)表に出していないだけであった。

    そんな雨の日、エリックとイヴォカが東部森林で雨宿りをしていた。

    しまわれないまま持ち主が居なくなってしまった小さな天幕の下に、突然降ってきた雨から避難して暇そうに雑談をしている。
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