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    sorasanba

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    sorasanba

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    🦁→👟 💛→💜
    学生AU
    おじさん先生に片想いしてる年上好きゲイの👟くんに片想いしてる🦁
    「初恋」

     「僕、恋愛よくわからないんだ」
     それがシュウの決り文句だった。

     このアイドルグループの中だったら誰がタイプ、あの先輩とこの先輩どっちとヤってみたい、なんて話にシュウはいつもそう答えていた。一年のときから今──三年になってもそれは変わらない。それを知ってシュウにそういう話を振らなくなったやつもいる。実際シュウは女友達も男友達も同じくらいいて、顔は整ってるし清潔感もあってバカではなくかと言ってガリ勉でもない、少しオタクっぽいところがあるけど人当たりの良さとよく笑うところがあるからモテそう…なのに恋人がいたことがないという。この三年間で何度か告白されてはいたようだけど全て断っているらしいし、シュウの女友達やクラスメイトといった近しい女子たちは口を揃えて「いい友達だけど彼氏はない」と半笑いで言う。だから周りの男たちも皆、シュウはそういうことに興味がないんだと、縁遠い男らしくなのだということを受け入れていった。
     でも、俺はそれが嘘だと知っている。シュウが恋しているのを、知っている。

     入学してすぐの頃、クラスに馴染むだったかボランティア精神を磨くだったかコミュニケーション能力の向上だったか…を目的とした…なんとか研修?もう名前も覚えていない、何をしたのかもあやふやなとある行事が行われた。いくつかの工程が組まれていた中にちょっとしたレクリエーションがあったらしく(覚えていない)、その際に各クラスがチーム分けされてチーム対抗で競い合うことになった。チームには一人引率として教師がついたのだけど、シュウのチームの引率になった教師に、そのレクリエーション中にシュウは人生で初めて恋に落ちてしまったらしい。
     「大の大人が僕たち子どもと一緒に笑顔ではしゃいでるところを見てなんだか可愛いなって思っちゃって、それから気になり始めて……だって笑顔が可愛くてずっとそばで見ていたいって思うなんて特別な証拠でしょ?」とはシュウの談だ。シュウはそれから誰にも言わずひっそりとその気持ちを抱えている。その教師が三年間通して俺達のクラスの教科担任にならなかったのもシュウの恋心が胸に留まり続ける手助けをしているように思えた。接触が多いと、理想とのギャップを感じて恋心が萎むか更に思いを募らせて膨れ上がってしまうだろう。
     ルカはその教師の顔知らなかった。だからシュウからその話を聞いたとき、色んな意味でピンと来なかったのだけれど……。
     職員室。いつもは空席のそこに一人の男が座っているのが担任の背中越しに見えた。件の教師だった。少し白髪混じりの黒髪で、口ひげをたくわえており肌はカサついている。大人の男、という雰囲気だが、シュウの言うとおり子供っぽいところもあって職員室の中で生徒と談笑していた。笑うと目が細くなって目尻に皺がより、少し日に焼けた頬が頬骨と一緒に突き出る。確かに笑顔は絵になるけれど、恋に落ちるほどだろうか。それならシュウの笑顔のほうがよっぽど可愛い──可愛い?果たして、同性の友達の笑顔に対して可愛いなんて思うだろうか。俺はどうしてシュウの笑顔を可愛いだなんて……。

     その答えをルカは知っているはずなのだ。だって他でもないシュウがルカに教えてくれたのだから。それが『恋』であると。
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    sorasanba

    DONE❤️‍🩹💚
    あまさんのこちらのツイート(https://twitter.com/seisinouragawa/status/1562051377181782016?t=e-dsx-Hnf0bzY1T4-SG57Q&s=19)をもとに書かせていただきました。
    デート中のリアスと光ノが迷子を見つける話。
    迷子 「あの子、迷子でしょうか」
     共に進行方向を向いて歩いていたはずだったが、気づいたら光ノは全く見当違いの方向を向いていたようだ。光ノの視線の先には、だだっ広いショッピングモールの通路のど真ん中で佇む小さな子供が一人。その子供は親を探しているのかキョロキョロと周りを見渡そうと体の向きごと変えてクルクル回っていたが、足をもつれさせて尻もちをついた。あぁ、泣き出すぞ、あれ。経験に基づく予想は外れることなくその子供はワンワンと泣き出した。泣き声はどんどん大きくなっていき、他の客もその子供の存在に気づいたようだったがその中に子供の親は居なかったらしく変わらず子供は一人ぼっちだ。
     あんだけ泣いていたら遅からず近くの店の店員なり警備員なりが保護しに来るだろうが、だからと言って放っておけるものではなかった。リアスは子供が嫌い(うるさい、言葉が通じない、小さいくせにこちらを舐めてかかってくる、などの理由によって)なのだが、種の保存の為の本能なのか昔からどうにも放っておけない節があった。
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