司えむ 今日の放課後は、セカイに集合し類から渡された台本を読みながら配役を決めた。自主練をした上で試しに一度合わせてみようという話になり、各々で別々の場所にいる。
稽古練習ではないため、練習着ではなく学校の制服のままだ。カーディガンの袖を捲ってパイプ椅子に腰を掛けたオレが台本にメモを書き込んでいると、向かい側からコツコツと足音が聞こえてきた。
「——お疲れさま。いま平気かい?」
両手で持った台本から顔を上げると、そこにはカイトがいた。どうやら、またどこかでぬいぐるみ達の喧嘩の仲介役になっていたようで姿を見ていなかったが、その戻りだろう。
「ああ、どうかしたか? …んっ、なにやら飲み物を運んでいるようだな?」
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