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    EI(ハチ) t

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    EI(ハチ) t

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    深夜テンションで書いたので、怪文。
    誤字脱字、途中で文が途切れてます。
    少し前に上げた小ネタの続きのようなもの

    設定のようなもの

    オバロ様もDJDもスカベンジャーも…兎に角もざみちに登場した事のあるトランスフォーマー全員が乗ってるロスライ。

    ロディマスとメガトロンが船長。

    酒盛りしたりするし、飲み比べでみんな転がってる。ロディもデロデロ。ウルマグは五月蝿いからって早々に片方の船長と悪知恵働くクルー達に潰されてる設定です…。
    …読みにくいです…。




    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


    オーバーロードとホワールが飲み比べなのか、ジョッキを片手に(主にホワールが一方的に)煽り合っている。2人の前にはエネルゴン酒が入っていたであろう酒樽が転がっていた。


    バーテンダーであるスワーブは酒が先に無くなりそうだとぼやきながら、次の酒を運んでいく。

    視界の端では上下に小さく揺れる青色…ウルトラマグナスだ。酒をたくさん飲ませ、早々に脱落させた。もう起き上がることはないだろうその巨体はバーの角で押し込めるように小さく丸め突っ伏している(大型機なので丸まっていてもさして変わらないのだが)。

    あの時のマグナスの顔ときたら…!!そう独りごちていると、「おお!!」と湧き上がる声、何かを巻き添えにしながら小さくなった破壊音。

    歓声が上がった方を見ると、ホワールがオーバーロードに投げ飛ばされていた。勢いよく直線状に宙を舞うその姿は地球にいる人間の子供に振り回され、投げられた蛙の様だった。蛙という有機生命体のように柔らかく、軽くもないホワールが、だ。

    ガッシャーンという音に続きけたたましい警報の音。叩きつけられた拍子に誤作動させたのだろう。レッドアラートが頭をバチバチさせながら、こっちの頭まで取れそうなくらい何やら叫んでいる。
    遅れてバーテンダーであるスワーブの悲鳴。どうやら反撃しようとしたホワールがまた投げ飛ばされ、年代物のところに突っ込んだようだ。


    真ん中からくの字に曲がり揺れるホワールの翼を見て、メディカルベイの組からはため息が上がる。ラチェットに至ってはまたか、と眉間の皺を揉んでいた。

    その向かい側で渦中の青い2機に斬りかかろうとしているサイクロナスを少し涙目のテイルゲートが止めようとしている。大方どちらかがテイルゲートの方に誤って突っ込んできたのであろう。

    スキッズとゲッダーウェイがどちらが早くに潰れるかと掛けをしていたが、おじゃんだな。などとクスクス笑い合っているのが微笑ましい。

    クルーにとって口煩い筆頭のウルトラマグナスも今は夢の世界だ。もうこの船に法も秩序も残されてはいないのだろう。そう誰しもが思った時だった。
    横にいたメガトロンがキレた。

    「いい加減にせんか!!愚か者供!!!」

    待ってましたとばかりにオーバーロードがメガトロンへ。次の瞬間、白銀に投げ飛ばされた青い機体が薄紙を破るかのように壁を破壊して飛んでいく。


    パーティは元・破壊大帝の説教という名の制裁でお開きとなったのだ。先に部屋に戻ってくれとロディマスに言うメガトロンは今にも血管がキレそうな雰囲気だ。大人しく帰るとしよう。


    とは言え、だいぶ呑んだくれた身、真っ直ぐ歩くことさえ困難だ。
    明後日の方向に向かうロディの腕を誰かが掴む。上見れば、毒々しい色の仮面に手を貸そうと言う声。メガトロンを除けば唯一と言って良いほど適量を守っていたターン。どうやら部屋まで運んでくれるらしい。

    それから無事に部屋に着いたは良いものの、ぐったりと部屋で伸びているロディマスに気を遣ってか…中和剤まで持ってきてくれたのだ。

    念には念を…な?そう差し出されたそれを受け取りながらロディマスは言う。


    「アンタも丸くなったよな。」

    「…何度も言わせるな。ここで変わったのだ。お前とメガトロン様が船長のこの船でな。」

    「別にお前だけじゃないぞ。マグナスやファルマもだし……ん、あのオーバーロードでさえ、今じゃホワールと一緒に酒を酌み交わしてる。ほんとありえない事だらけだ。」

    「アレを仲睦まじい関係だと思っているのなら一度ブレインを見てもらうことを勧めるぞ、ロディマス。」


    仮面で隠れているフェイスパーツを歪め、ターンがボソリと呟く。
    酔ったホワールが銃を乱射し、これまた酔ってはいるが冷静な判断が出来るはずだったオーバーロードが悪ノリし、応戦。まさか酒乱でバーから一時撤退をしなくてはいけなくなったなど、昔の私が聞いたら呆れ果てるだろうな。
    そう笑ったターンの声は恐ろしげな仮面とは違い穏やかだった。

    いまだに酒乱供は暴れ続けているのか、メガトロンの怒号やスワーブの悲鳴が部屋にまで入ってくる。この船の風紀はどうなっているのだと言いたくなったが、法の番人、ウルトラマグナスが早々にクルーたちの悪知恵で潰されているのだ。

    そうこう頭の痛くなる思考を巡らせる内、リチャージスラブに腰掛けていた赤い機体が舟を漕ぐ。ロディマスは背中をポンとリズム良く叩かれながら、本当に何気なく、先程の話の延長線上でも続けるように、ポツリと呟く。



    「時々、すごく不安になるんだ。」

    「別に本当に今が不満ってわけじゃ無いんだ。むしろ最っっ高。今もこれからもきっと、……でも、大切なコトを忘れてる気がする。」

    それに…だって、ほんとは、メグスは…

    「子守唄を歌ってあげよう。」

    その言葉を遮り、ターンの声が。
    酒の影響かやけに頭に響く。
    …おかしい。


    (その言葉を、聞いた事がある気がする。)


    「それは悪い夢だ。」

    「悪い夢は忘れなくてはならない。」


    当惑するロディマスを他所にターンは事務的に声を発しているようだった。

    (何度も何度も、この光景を。)


    「悪夢を見なくて済む様歌を聞かせてやろう。」

    そう言った仮面の奥、暗く光る双方が怯え切ったロディマスを映し出す。蛇に睨まれた蛙のように、押さえつけられ動かない体、錆びついたように掠れる声。眼前の恐怖を。

    (繰り返している。)

    「やめろ、はなッ…離し、て…くれっ。」


    綺麗で優しい、声音だ。それが誰かを壊す事が出来るという事を知っていないのなら、聞き入りたいくらいに。
    ロディマスの為に唄われるそれがイヤーセンサーに届くたび、何かが壊れる音がする。そう思っていた事すら少しずつ切り崩されていく。踠けば踠くほど沈む、タールの沼に落とされたかのようだった。

    忘れたく無い忘れたく無い、覚えておかなくちゃいけなかった、ダメだった筈なのに、また忘れるのは………

    体を掻き抱こうとした手は手首のあたりでターンに押さえ付けられている。フィナーレだとでも良いだけに更に大きく押し潰す声。もう少しで手が届いた筈の塗りつぶされた記憶。

    「ーッ!、ぅあ…?…ぁ、……」

    あの人の不器用な笑顔が、
    繋いだあの手が、
    さいごの、言葉が…


    ……消えていく、すべて…俺が…お、れは…

    ーー何を、しようとしてたんだっけ?


    「ちゃんと聴きなさい」

     「……ん…」


    嗜めるような声に、ロディマスの体から力が抜けた。ターンはゆっくりとロディマスを膝に乗せる。少し間があったのち、コクリと頷くと再び始まった心地よい重低音に身を任せ、ロディマスには優しく幾つものヒビが入り続ける。



    歌も終盤に差し掛かり………静まり返る室内。

    カシュっと扉が開く音がし酔い潰れた筈の大型機3機が部屋に入ってくる。



    「思い出す周期が早くなっています。」

    そちらに目を合わせもせず、ターンは膝の上のロディマスを見つめる。一度、完全に壊せずに危うく逃げられそうになったのだ。流石はロストライトの船長と言えるだろう。念には念を。本当に、油断も隙もない。

    「ラチェット達医療チームにもこれ以上の記憶の調整はかけられないとの通達が来ており、限界も近いかと…。」


    メガトロンがチラリとターンに目線だけを送る。

    「畏まりました。」

    スラブから音もなく立ち上がると、ターンはボーっとしたままのロディマスをウルトラマグナスに抱えさせる。
    …もう2度と胸に抱き抱える事が出来きないと思っていた重さはあの時とは違い、重くてほんのりと暖かい。

    「マ、…グナ…?」

    ごそごそと動いていたがやっと落ち着く場所を見つけたのかむにゃむにゃと呂律の回っていない口でマグナスを呼ぶ姿は本来の彼ならきっと見せない…いや見る事が出来なかった姿だ。


    「……考えさせてくれ。」


    そう言うとウルトラマグナスはメガトロンにロディマスを渡し、逃げるようにその場を後にした。彼、参っちゃってるみたいだからと肩をすくめ笑いながらオーバーロードもその後に続く。言葉では心配を装っていたが、顔にはありありと新しい遊びを見つけたと言わんばかりに口角が吊り上がっていた。それにメガトロンは頭痛を覚える。何か面倒事を起こさねば良いのだが……

    そんなメガトロンの心のうちが分かってか分からずか、

    「有事の際はお任せを」

    ターンは恭しく敬礼し部屋から出て行ってしまった。
    それを見送りながら、メガトロンは腕の中に話しかける。


    「何を恐れる事がある…私たちも幸せでお前も幸せだ。これでいい、これがいい。なぁ、そうであろう…?」

    意識朧げなロディマスは何を言われていたのかすら分からないまま、撫でられている感受していた。

    理解できないまま、撫でられる。
    どうか、無知蒙昧な君のままで。
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