お菓子談議と出発「あーぼくらはお留守番かー!」
「暇だね…」
「じゃあさ!今まで主様が持たせてくれたおかしでいちばんおいしかったやつの話でもしない?」
「それから三人で甘味処行こうよ!」
「「いいねぇ!」」
「それじゃボクからねー!
ボクは名前わすれちゃったけど、お花の形しててやわらかくて、すごくあまーいあのおかしかな〜」
「あー!たしかぼくらそれぞれの色のお花だったあれ?」
「そう」
「練り切り、とかいったっけ
…あれお茶と合わせて食べるとすごいおいしかったよ」
「えっそうなの」
「うん、お茶の苦味で甘さが引き立ってて良かった」
「わーいいなぁ!」
「次もらえたら一緒に試そうねトド松!」
「うん!…って買いに行こうよ!」
「あはは!」
「…十四松は何がおいしかった?」
「ぼくはねー!らくがんかな!」
「あ!あのかわいいやつ!」
「遠くに行く時によく貰えるよね」
「そうそう!食感が楽しいしいろいろあるから好きー!」
「そっか!ボクはやっぱり甘いのが好きだけど、十四松はどういうのが一番好きなの?」
「うーん…全部ー」
「もー答えになってないよー!」
「よっぽど好きなんだね」
「一松にいさんはどう?」
「おれ?…うーん…
…おれも全部かなあ」
「ちょっとー!一松にいさんまで」
「それじゃにいさんもらくがん一番好きだった」
「あ、ごめん一番は別にある」
「えっ何何」
「主様お手製のだいふく」
「「あー」」
「あれすっごくおいしいよね!」
「ねー!あんこたっぷり入っててもちもちしてるし!ぼくも好きー!」
「うん」
「ほんのり甘くて安心する味」
「「分かるー」」
「…でも主様、さいきんあんまり作ってくれなくなっちゃったよね」
「うん…」
「忙しそうな雰囲気あるから…仕方ないんだろうけど…」
「…主様…」
「もっとぼくらのこと…頼っても良いのに…」
「「……」」
「思い切って…仕事場に直接行ってみる?」
「え」
「そんなことしちゃって良いの」
「分かんないけど…もしかしたら何か手伝えることがあるかもしれないし」
「…たしかに」
「よし!それじゃいこう!今」
「「今」」
「十四松…!今はちょっとまずいんじゃ」
「上三人だけまとめて呼び出すくらいのお仕事してるし…」
「いや…!いってみようよ一松兄さん!」
「トド松まで…」
「さっきはとつぜんでびっくりしたけど、もしボクらにできるような事があったならきっと早い方が主様、助かると思うから!」
「そうだよ!」
「前いっしょに読んだ書物にも書いてあったでしょ!
“思い立ったら吉日”って!」
「…二人とも…」
「…分かった、行こう」
「「やったー」」
「ただし!」
「「」」
「しばらく様子見てから、大丈夫そうなら話しかけるようにしよう」
「もしかしたら迷惑になっちゃうかもしれないし」
「「分かった」」
「じゃ、行こう!」
「「「しゅっぱーつ」」」
「…トド松」
「なに?」
「甘味処、行かなくて良いの?」
「うん!甘味処はいつでも行けるし!
それにボクも主様のだいふく、食べたくなってきちゃったからね!」
「ぼくもー」
「…そっか」